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カランカラン。ベルが客が来たことを知らせる。
「いらっしゃい」
「いらっしゃいませ!」
二人の軍服を着た人物がやってきた。
「おはようございます」
「おはよぉ、なぁりちゃん今日もかわいいね。」
「ハハ、ありがとうございます。この時間帯に来るなんて珍しいですねどうしたんです?」
この町には最近小規模だが軍が配置された。いつくるか分からない『脅威』に備えているのだ。
いつもこの喫茶店は夜になると酒場と化し、軍人がわらわらやってくる。なのでこの時間帯に軍人が来るのは珍しい。
「まさか抜け出したんじゃ…」
「ちがうよぉリリィちゃん、いや抜け出したのは間違えないんだけどねぇ。」
「この街の軍が大きくなるんだよ、そんで新しく介入する軍が来たんだけどさ、そこの隊長さんが脱走して行方不明になっちゃって。」
「そんで軍の皆でいま街中探し回ってるんだよねぇ。マスターぼかぁアイスティー。」
「俺はいつもの珈琲ね」
「へぇ…頼りない隊長さんね…。」