喫茶店にて
商人が店を連ねる明るく大きなこの町の路地裏にひっそりと立つ、喫茶店のドアに手をかけた。
カランカラン。乾いたベルの音が喫茶店に響いた。
朝の時間帯は人が少なく、現在は従業員と1人の客しかいない。
広い空間が広がっており、中には丸いテーブルがいくつか並べられているのとカウンター席がある、あまり喫茶店のようには見えない。
「マスターおっはよー」
爽やかに挨拶をする銀白の短髪の少女、彼女の名前はリリィ。
「おはようリリィ」
愛らしく笑みを浮かべ返答している金髪ツインテールの少女は南離である、この店の手伝いをしている。
「メロンソーダ一つ頂戴、マスターの奢りで。」
マスターとはこの喫茶店の店長である。サングラスを常に掛け、蝶ネクタイをしめ、渋さを演出している。
「またかね、一体いくら分のメロンソーダをタダできみに提供してきたと思ってるんだ、たまには払ってくれよ。」
「マスターそんなこと言わないで!私南離の作るメロンソーダが好きなの!」
「ふふ、ありがとう、今作りますね。そういえば高橋、退院できるんだよね。容態はどう?」
「あー、傷は結構残っちゃうらしいんだよね、痛みはだいぶ引いたらしいし、包帯とってもいいんだけど傷あるから取りたがらないんだよね。」
「なんだか高橋くん女々しいな。そうだ高橋君をここに連れておいで、退院祝いしてもいいぜ。」
「マスターほんとに?!やった!」
「わあ!いいね!手によりをかけて料理作るよ!」