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一人の子供が使える魔法  作者: 黒飴につめ
第零章 プロローグ
2/7

 老人の「昔話」

 おお、よう来たなあ坊主。まあ、お座り。今お茶を出して来よう。


 さあ今日はダージリンティーという紅茶をあげよう。お前さんにはちと苦いかも知れんが、砂糖を入れればきっと美味しくなるじゃろう。

 ……美味しいだろう? では、今日は何を話そうかの、ん? この間の続き……?


 ……ああ、わしが行ったもう一つの「世界」の話かの?

 ふむ、お前さんはよほどこの話が気に入ったと見える。この間はどこまで話したのだったかなあ。


 確かわしの「向こう」での名前を言っておらんかった気がするのお。

 わしの「こちら」での名前は知っておるかの? ……そうじゃ、芦塚あしづか 喜平きへいという。「向こう」ではな、『キーヘル』と呼ばれとった。ふふ、少し似ているじゃろう?

 ほお、お前さんも「向こう」の名前が欲しいのか? ふむ、では名前の部分を音読みして『リューク』というのはどうじゃ? まあ必要ないと思うがの。それなら、「向こう」のことについても、もう少し詳しく話すとするかの。


 前にも言った通り「向こう」では魔法が使える。それには属性、というものがあってな、それに応じて髪や瞳の色が違うのだそうじゃ。わしは「こちら」ではもう白髪で薄汚い爺じゃがの、「向こう」に行った時はまだ若かった。そして「向こう」に行ったとたん、わしの髪と瞳は深紅に染まったのじゃ。すごいじゃろう? ん? ああ、確かにわしの瞳は今でも光の加減で赤っぽく見えるなあ。


 まあわしの若い頃の時代の自慢話はこの間話したから、よしとするかの。何の話をしとったんだったかな? ……ああ、そうじゃ、魔法の属性の話じゃった。


 属性には大きく分けて六つある。炎、水、風と土、そして光と闇じゃ。人々は全員いずれかの属性に含まれる。一番多いのは土だそうじゃの。逆に光や闇なんかを持つ人物はほとんどおらんらしい。二つ以上の属性を持つ者もほとんどおらん。しかし、光と闇は逆に一つだけ持っている方が珍しい。……おや、少しややこしかったかの?


 まあ要するに、光と闇をもつ者はほとんどおらんということじゃ。

 そして属性によって髪の色が変わると言ったの。だいたい炎が赤、水が青、風は緑、土は茶、光は黄色、闇は黒か紫じゃ。さて、わしが何の属性か、分かったかの? ……そうじゃ、炎属性じゃった。今はもう使えんがの。


 うーん、お前さんは何かのお……綺麗な銀色じゃからの。うむ、水色とかなら似合うのではないか? ああ、水色じゃったら水属性ということになるの。お? うれしいのか?


 お、もうこんな時間になってしもうた。そろそろ日も暮れることだし、お前さんも今日はお帰り。……ああ、大丈夫、また来た時に話を聞かせてあげよう。


 気をつけてお帰り。

 

9/16 題を改正致しました。

10/4 再び題を改正致しました。


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