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夢見しあなたは空の刀。  作者: 伊野尾 迷


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air blade is me!

金色の髪の奥には何千里も見通せる様な澄んだ眼を持ち、背には羽が八枚植えてある。身体は筋肉質の様であり、流線型を描いている。真性半陰陽であり、顔立ちからも男か女か判別できない。校舎の屋上のフェンス上に立っているこいつこそが症候群の原因だということは見てすぐに察した。突発性暴力完全症候群。通称A症候群。その症候群のせいでこの学校。泉台中学校は閉鎖されたのだ。

「うわ、池田がゲロ吐いた!」それが始まりだった。ここ公立泉台中学校は公立ではあったものの、校舎が綺麗なことが自慢でひび割れ一つや床の汚れ一つも見つからないようなまるでスケートリングを意識させる学校であった。「えまじかよ!」続けて岩井が言った。それと同時にこの3-5のクラスの全員が気づいたらしく、池田の中央の席から教室の四隅へと騒ぎが大きくなっていった。運の悪いことに自習で教室に先生の姿はなくどう処理すれば良いのか誰にも分からず、僕たちは「どうしようか」とまだ中央で吐き続けている池田を尻目に話し合い一つの結論へ至った。とりあえず先生に言いに職員室へ行こう、と。妥当な判断だと思う。ここまで到達するのに5分ほど費やしたのは謎だが。そして僕らクラスの中で選ばれた少数精鋭の二人が職員室へ行くことになった。「え、とりあえず池田が戻しました、って言えばいいのよね?」会長の片瀬さんが言った。「それで良いと思うよ。一人で十分だと思うけど。」選ばれた僕も言った。「まあ、早い方が良いと思うし行こうか。」池田くんはまだ吐き続けていたのでバケツだけ渡して職員室へ行くことにした。

「失礼します。3-5の五十嵐です。担任の松井先生いらっしゃいますか?」「ああ、どうした?」職員室のドアを開ければ目の前に3-5担任の松井一郎が立っていた。僕が池田くんが戻したということを伝えると「大変じゃん。急がないと危ないよ。」と松井先生と僕ら二人は言い逃げるように階段を駆け上がって三階の3-5の教室へ戻った。

池田の様子がおかしいのは一目で分かった。ゲロを吐き続けたまま釘のように突っ立っていたのだ。もう少なくとも吐き始めてから10分は経っているはずなのに。「おい池田、大丈夫か?」先生が池田に問うた。「……」池田は返事をしない。よく見れば目がイッてる…。そりゃ喋らねえよ。「とりあえず池田をトイレ行かせてくれ。私は救急車呼ぶから。」先生がそう言うと池田を取り囲んでいた生徒何人かが池田の肩を待ちながらドアの方へ歩いてトイレへ行った。はずだった。一瞬だった。一瞬目を離した隙に池田は自分の肩を持っていた生徒全員を殴って床へ倒し、さらに上に乗りタコ殴りし始めたのだ。殴られている生徒から鼻血らしきものが出ていた。

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