7月24日
暑い夏
東京の夏は暑い。
青森の田舎から上京して、初めて東京で過ごした夏は、休みの日は、だいたい喫茶店に避難していたように思う。
ベタつく湿気は耐えがたかった。
田舎の夏は、暗闇のなかに、電柱の電気と蛍の明かりがあるだけだった。夜道を歩いていると、遠くから歩いてくる白い浴衣のお姉さんがいた。そのお姉さんの白さが怖くて、目をつぶってすれ違った。
はたして、足があったかどうかも確認できなかった。
都会から遊びに来ていた、親戚の子供は夜いっせに鳴いていたカエルの声を聞いて、外へ出るなり、逃げ帰った。
私の田舎の村には、村の真ん中に墓地がある。お墓の中には、お地蔵さんが10体ほど安置されている御堂がある。
その中の一体は、頭がないまま川の中で見つかったものだという。村人の夢の中に頭をつけて欲しいと出てきたということで、皆でお金を出し合って作ってあげたそうだ。世の中には、まだまだ不思議なことがあるのだと思う。
きのう、オリンピックが開幕された。
予想不可能な世界の中で、何が良くて何が悪いことかも良くわからないほど、様々なニュースが駆け巡る。
もう少し、頑張ってマスクのない日常に戻りたい。その願いを込めて、選手たちに声援をおくる。
声援をおくる。