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休憩中  作者: 鈴木明子
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7月4日

髪は長いお友達。

 仕事が休みの日、いつもの美容室で髪を切ってもらった。

今年に入って、思い切って短くしてもらった。一度短くすると、時々切ってもらわないと、伸びた生垣のようになってしまう。 美容室で、私が聞かれる通常の話をまだ聞かれないまま、私はひたすら週刊誌を読む人と、思われているようだ。

椅子の上で、うとうとしていると、次々とお客さんがやって来た。だいたい80歳代位のお婆ちゃんたちだった。

4〜5人続けて、受付で同じことを言った。「もうすぐ、2回目のワクチン接種の日なのできたの。」「今、いっぱいなので1時間以上待ってもらいますが、どうしますか?」「じゃあ、明日の朝一番で予約出来る?」

5人目のお婆ちゃんが、同じセリフを言ったら、美容室で髪を切っていたスタッフのおばさんがキレ気味に言った。

「ワクチンは、白髪でも打てますよ。」

私の頭に寅さんの映画の中のセリフが浮かんだ。「おばさん、それを言っちゃおしまいよ。」

まわりの人の髪がどうであっても、気にならないが、自分の髪はちょっとはねても気になるものだ。ワクチンを打って来れなくなるかもと、力を振り絞って来たのかも。

 ただ、私もそのおばさんのことを言う資格はない。

最近、私のパート先の社員さんのひとりが長期休暇に入った。その社員さんのおでこの上あたりの髪は、不自然に後ろの方から持ってきておでこを覆っていて、みんなついじっと見ていた。その社員さんが、長期休暇に入る前に、上司に「もう、いいです。」と言っていたと偶然に近くにいたパートさんが、仲間のパートさんたちにばらしてしまった。

聞いたみんなで、様々な想像をした。

一番みんなが納得した想像。

上司「君、君。私が勧めた毛生え薬、ちゃんとつけているかね。私は、あの薬で生えてきたんだぞ。」

社員「もう、諦めます。もう、いいんです。」

みんな、罰当たりだ。


忙しいと、毒を吐く。

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