上野唯我-2-
1次会はカラオケのパーティールームだった
数十人入れる部屋が2つ
よくこんなに集まったなと感心した
そして着いて2秒で思った
実際2秒以上は要したかもしれないが
それくらいの早さで認識した
場違いだなぁ僕
【普通の大学生らしい、っぽい】オシャレを楽しむ容姿の面々
夜の街やバンドの世界に当たり前のようにいるから全く自分では気にしてないけれど
片側をハーフアップ気味にしたセミロングの銀髪に耳を覆うような数のピアス、手首まで埋め尽くされる刺青の風貌の僕
自分は本当に酷く場違いだと自分で自分に引いた
多少は明るい髪の人もいるけど、なんていうかポイントでオシャレを意識した感じで、メッシュやインナーピンクで服は控えめにだったりとか、短めで明るくても爽やかに見えたり、アホみたいな数のピアスや刺青入れてる人がいない
改めて、自分が関わろうとする以前に、余りに人が関わってこようとしない理由が分かった
まあ、特に気にしないけれども
しかし、まーなんでこんなに浮いてる僕を駿を通して誘うのかね代々木君は
あいつが代々木君に僕も参加させて欲しいと頼んだのかもしれないけど
参加者の確認の紙に〇をつけ払い、空気になるように端っこに大人しく座った
みんな真ん中らへんで集まってるから隅っこはまるで、僕の指定席のかのように空いていた
あ、タバコが吸えないのが辛いなー
コークハイをちびちびと飲みながらぼんやりと思った
と言うか、呼びつけた駿は遅刻なのか
居心地が悪い
ついでに代々木君も
そう思いながら一服しに席を外し店の外の喫煙場所へ向かった
あーなんでこんなとこいるんだろ
ぼんやりと思い馳せながら短くなったセブンスターを吸殻入れに捨てて戻ろうとしたら、入口に代々木君と駿が居て鉢合わせた
「お、来てたか唯我、遅くなってわりーな」
駿が笑顔で言う
「来てくれたんだ上野君、良かった良かった。ごめんね、直接誘わなくて。上野君あんまり学校来ないし、来ても話しかけにくい感じで中々話せる機会なくてさ、駿君に頼んだんだ。話したいし、今日はいつもよりかなり人も集まってるしさ、楽しんでってほしいな 」
人懐っこい爽やかな笑顔の代々木君
なんで興味をそんなに持たれたんだろう
「?なんで今日はそんな多いの?」
ふと、気になり聞いてみた
どちらかと言うとそれは嬉しくない
少ない方がまだ良かった
ってのは声には出さないで
代々木くんはご機嫌に言う
「今日は姫が来てるから集まりが多いんだ。うちの大学でも人と関わらない上野君と姫の参加、嬉しいな」
姫?
怪訝そうな顔をしてたのか駿がこそっと言う
「いくらお前でも名前くらいは知ってるだろ。男子嫌い+女子でも少の人間しか関わらない秋葉凛愛」
なんか聞いたことあるような気がする
「あぁ、駿が1度話してた子か?」
「そうそう、お前と同じくらいとっつきにくい子だぜ、同性異性問わずな。代々木君ですら数ヶ月かけてなんとか会話できるようになったくらいだからなー」
悪戯っぽく笑う駿
「なんで代々木君はそんなにしてまで?」
「いやぁ、友達の女の子に頼まれたのもあったんだけど、人間関係あまり良くないみたいで。なんかそれ聞いて、実際見たらなんか力になれないかなって思っちゃって。って言っても俺に出来ることなんてみんなで集まろうって声かける事くらいだけど」
恥ずかしそうに肩をすくめるけど、人が良いんだなぁと感心した
僕はそこまでして、接点もない誰かと深く関わろうとなんて思わらない
部屋に戻ると代々木君がマイクを手に取り簡単な挨拶をして、一人一人軽い自己紹介をすることになった
同じ学校の子でも全く分からない上に複数の大学の名前が出てきてほとんど覚えられなかった
そして、ノリがいかにも悪そうなローテンションな挨拶をかましたのは2名だけ
1人はもちろん僕
そしてもう1人は
秋葉凛愛、その人だった
代々木君は本当に気の回る人だった
上野君と秋葉さんは初参加なので緊張してると思うので、みんな宜しくね
そう一言つけてくれた
講義も被らないし、同じ学校でも初めて見る秋葉さん
遠目に見ても、圧が強い
決して派手な外見をしてる訳では無いが
ロングの黒髪に赤文字系とやらっぽい服装がタイトに綺麗に当てはまり、大人っぽく見える
更にはその他者を近づけさせないような強い目力と、挨拶の一声で分かる、どこか圧を感じる凛とした強い声、どう考えても気安く声をかけるべきタイプの人間ではないオーラ全開
さすが、姫と呼ばれるだけあって凄まじい容姿だ
そういえば、1年生にして入学してすぐに学校で1番可愛い子がどうこう誰か話してた気がする
それが彼女か
にしても凄いな代々木君は、あんな子にコンタクトを取ろうとするなんて
あれは一般人では立ち向かえないだろうに
誰かが流行りのJ-POPを熱唱する中思った




