表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

「駅」上

 夏の一時をご一緒に……

 って、三話とはいえ短いので、すぐに終わります。

「うーん」俺は、美しい風景を眺めながら悩んでいた。いったい、ここは何処なんだろう?


 このご時世、就職先など見つかる訳がない。そう諦めながらも、毎日求人サイトを眺めては、一応、と呟きながらキャリアシートを送る毎日。お断りメールがある方が珍しい。なしのつぶてが殆どだ。


 そんな中で、忘れた頃に届いた一通のショートメール。

『宜しければお越しください』と書かれた最寄り駅までは、電車で三時間。聞いたこともない社名だし、前日に前乗りするほどでもないだろう。


「行ってみるか」と重い腰を上げ、伺います、と返信した。日時は八月の終わりだ。

 案外、電車の連絡は悪くない。乗り換えは三回、早い時間に出るから、長く乗る路線では座れるだろうし。


 買っただけのリクルートスーツは少し大きめだったが、コロナ太りでちょうど良くなった。店員の勧めを断ってこれにして良かった。

 万が一、事故かなんかで足止めを食うと嫌だから、飲み物と携帯食も買っておこう。



 で、久しぶりの早起きに緊張したのか。昨夜は眠れず、目当ての電車に座ってほっとしたら、寝過ごした。

 振動でふと目覚め、腕時計を確認したら。とっくに着いている筈の時間だった。咄嗟に開いた扉から飛び降りる。


 反対車線の時刻表を探そうとして、固まる。いったい何処だ、ここは?

 ぴーちちち、と鳥が鳴く。美しい渓谷に掛かった橋の上にプラットホームが置かれている。靄の掛かった朝の山々が瑞々しい。


 駅名すら書かれていない。それに……どうやってここから下りるんだ? はるか下に、道路らしいものは見えるけど、エレベーターどころか、階段もないんだけど。



次回、本日二十時に……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ