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一都六県が幼稚園児  作者: アセロラC
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第三話 みんなのまちのこうえいぎゃんぶる

サリー先生と園児たちの授業シリーズ。今回は、関東にある公営競技(通称・公営ギャンブル)について考えてみます。ギャンブル場の立地する町どうしに、何か関係があるのか?

 サリー先生が教壇に立った。

「みんな、こんにちわ」

「こんにちわ」と一同があいさつした。

「はい、今日もとってもいいおへんじができましたね。今日は、政府が大きな賭博場を作ると言って、建設地域を選ぼうとしているようですが、それを受けて、みんなの町にどんな公営ギャンブル場があるのかを教えてください。それにまつわるお話もあったら教えてください」

「はーい」とクラスのみんなが声を出した。

「それではまず誰から行こうかな」

 真っ先に手を挙げたのが群馬県ちゃんだった。

「はい、それでは群馬県ちゃん、どうぞ」

「高崎競馬、前橋競輪、伊勢崎オート、桐生競艇だったけど、高崎競馬は廃止になった」

「おぉ」と、クラスの中にどよめきが起こった。

「今回も早かったわね。それも『上毛かるた』に書いてあったの?」

「書いてないが、知ってるんだな、これが」と薄笑いを浮かべている。

「どうしてすらすらっと出てくるのかな。今日も先生たちに群馬県ちゃんの秘密を教えてよ」

 群馬県ちゃんは自信たっぷりに話し始めた。

「群馬県と栃木県を結ぶ鉄道にJR両毛線というのがあって、この路線は結構古くて、開通当時の主な都市を結んでいる。それは明治時代で、そこには繊維業が主要産業として発達していて、絹織物の生産が盛んな地域だった。それが今では公営ギャンブル場を持っているわけ」

「それじゃ、両毛線沿線の主な都市名をあげれば、いいわけね」

「おっしゃる通りでぇ」

「それにしても、競馬、競輪、オートバイ、競艇って、きれいに揃っていたのね」

「ちなみに桐生競艇は、笹川良一さんが作ったという噂」

「笹川さんって、昔テレビ漫画の『一休さん』のコマーシャルで、『世界は一家、人類は兄弟』とか『一日一善』って言っていた人?」

「台場にある『船の科学館』も笹川さんが関わっていた日本船舶振興会改め日本財団が持っている」

「それも昔コマーシャルに流れていた気がする。そのゆりかもめの駅名が今度変わっちゃうらしいけど」

「先生詳しいね。リアルタイムで見ていた人?」

「(無視して)笹川さんは船がお好きだったんですね。さあ、それはおいといて、群馬県くんの考え方のヒントを頭に入れて、みんなも思い出してみてね。それでは次に、栃木県ちゃん」

「宇都宮競輪くらいかな」と栃木県ちゃんは首をひねった。

「群馬県くんが両毛線沿線にあるかもって言ってたわよ」

「以前は足利競馬があったんだけど、廃止になって赤十字病院が移転したの」

「赤字だったらしいわね」

 ここで茨城県ちゃんが質問した。

「先生、リアルタイムで一休さんを見ていたっていうのは、だいぶ古い時代のことですよ。本当は何歳ですか」

「(蒸し返すなこの野郎)先生は永遠の24歳。一休さんなんて、テレビ埼玉とか千葉テレビのUHFの再放送に決まってるじゃないの。そうそう、この間アマゾンプライムでも見たけど」

「再放送でもアマゾンプライムでも、当時のコマーシャルまでは再放送していないよ」

「(くっ……)て、『テレビ探偵団』で見たのよ」

「『テレビ探偵団』だって、30年近く前の番組じゃないの? 先生、24歳だったんじゃないの?」

 茨城県ちゃんのツッコミは続いた。

 サリー先生はキレた。

「うるっっっせんだよ! ヽ(`Д´)ノ 次は、茨城県ちゃんがやりなさい」

「うちも少なめで取手競輪のみ」

「取手競輪は有名よね。先生も地下鉄千代田線で時々「取手」行きで、「JNR」ってマークの入った電車を見るとワクワクして、これに乗れば千葉県を越えて茨城県まで行けるのかって思っていたのよ。でも冷房のついていない車両とかあって、それに乗ると「ハズレ」って残念に思ったわ。昔のことだけど」

「そういえば、取手って昔の国電区間の末端で、もしかして国電区間がないのは、群馬県と栃木県だけ?」と千葉県ちゃん。

「地下鉄千代田線直通常磐緩行線は203系。国電区間はいまは電車特定区間といってその区間は近距離用の通勤車両が走って、電車の本数が多くて、運賃が少し安い。ついでに、冷房のない車両って言ったけど、営団地下鉄はトンネル内冷房と実施していて、地上の常磐線から地下の北千住に車両が入ると車両の冷房機を止めて、『お近くの方は窓を開けて、車内換気にご協力ください』って車内アナウンスしていたような……」と鉄分多めの埼玉県くんが言った。


    ——————————


「やっぱり、公営ギャンブル場が多いのは、一都三県かな」

「でも先生、美濃部都知事の時、後楽園競輪は黒字だったのに廃止になったよね。記者会見での演説は有名になって、あの口真似をした人もいたし」と東京都くんが言った。

 サリー先生はこう説明した。

「文教予算にギャンブルの上がりが入っているはいかがなものかと疑義を投げたクリーンな美濃部都知事は、競輪選手をも巻き込んだ八百長がらみの『黒い霧事件』を追い風にして、後楽園競輪は東京都主催のレースをやっているのだからすぐに廃止できるだろうと考えたのでしょうね」

「『黒い霧』っていうと公害を思い出すけど」と誰かが言った。

「確かに当時は全国的に大気汚染の公害が問題になっていて、杉並区の○高校の校庭で光化学スモッグのため高校生が倒れたってこともあったの。実際、都政の目玉として都立公害研究所というのも設立していて、公害への取り組みは熱心だったらしい。そんなこともあって、実際は全くジャンルの違う『黒い霧』っていう大気汚染っぽい言葉に対しても特に敏感だったのでしょうね。」

 しかしサリー先生は不快感をあらわにしながらこうも言った。

「みんな、私のことを実は年食ってるとか言ってるけど、東京都くんだって、どうして後楽園競輪廃止の話を知ってるの? 口真似っていうのは、当時のテレビを見ているからわかるわけで、現在では流れていないのよ」

「『19XX』っていう番組で流れていたような気がするけど、あの番組はBGMが流れていて、動画収録時の音声を流していたわけじゃないから、話し方までわからないよね」と埼玉県くんが呟いたが、

「埼玉県くんだって、『19XX』は30年近く前の深夜番組よ。五歳のはずのあんたが、どうして知ってるの?」とサリー先生に突っ込まれた。

「そ、それは……お、おじいちゃんが録画していたビデオを見て知ってるんです」としどろもどろに答えると、そつのない優等生、栃木県ちゃんが発言した。

「フォーククルセダーズの『走れコータロー』に美濃部都知事の口真似が入っていて、それでみんな知ってるんだと思います」

一同は「おぉ」っと声を出した。

「東京都くん、それのことなの?」

「そうだと思います」

「違うわ、東京都くんはどこかでこれを見てたんだよ、きっと。リアルタイムで……」

「……」

 東京都くんは黙っていた。


    ——————————


「それでは東京都くんの町のギャンブル場を教えてください」

「アングラと場外はなしにして、江戸川競艇、大井競馬、平和島競艇、府中競馬、京王閣競輪、多摩川競艇、立川オート」

「大井競馬と府中競馬の違いは?」

「大井は東京都競馬で、府中競馬は東京競馬場といってJRAがやっている」

「東京都競馬って他にもやっているんでしょ、サマーランドとか」

「群馬の伊勢崎オートとか競馬場近くのショッピングモールとか。東京モノレール沿線に土地持っているため定番の物流倉庫とかも。上場企業で東京オリンピックに絡む思惑からずっと株価が高い」

「まさかの群馬県くんとの関係ね」

「俺も知らなかったぜ」と群馬県くん。

「他に繁華街に場外馬券場とかがあるのよね」

「銀座や錦糸町などにあって、ある時間になると、同じような服装のおじさんたちが同じ方向にぞろぞろと歩いている。高齢者多いなって感じ」

「先生も前を通ったことあるけど、建物が白亜の殿堂のような壮麗な感じで、独特な雰囲気を出しているわね」

「明治通りに渋谷駅と恵比寿駅との間に並木橋っていう交差点があって、駅から結構遠いんだけど、ここに駅構内や駅のすぐ近くにある立ち食いそば屋があるの」

「駅から離れているのに立ち食いそば? 渋谷は麺類が好き……それってもしかして近くに大学が多いから?」

「並木橋から渋谷駅方面はラーメン激戦区で、『ラーメン、つけ麺、僕イケメン』の看板とか、イギリスの超大物アーティストのス◯○◯◯がジャパンツアーの時に一般客に混じって食べると言われる店もあるのだけど、交差点のあたりだけ単価が安い立ち食いそば屋とか牛丼チェーンがある。客がたくさん入らないとやっていけないんじゃないかと心配していたところ、ある日曜日にここを通ったら……」

「通ったら……」

「この界隈が激混み。ここにJRAの場外馬券場があったの。そこに集うおじさんたちが『素人はすっこんでろ!』オーラを出してぞろぞろと歩いていた。その人たちが、この立ち食いそば屋に大行列を作っている」

「最近はATフィールドともいうのよ(笑)」

「全然最近じゃないですけど(笑)」

(「なによ(*`ω´*)」)

 サリー先生はムッとした。

「さっきの美濃部都政の時に廃止になった後楽園競輪場の跡を知ってますか?」

「東京ドームになったんでしょ」

「グランドの下に競技場があるの」

「実は無名の高校生が一番強いっていう格闘技世界一を決めるアレ?」

「(いい年して漫画と現実を混同すんなよ)競輪場があって、整備すればすぐに競輪が開催できるらしい」

「でも今度の東京オリンピックで使われるわけでもないし、公営競技もみんなの話を聞くと下火になっているし、開催は難しいでしょうね」


    ——————————


「それでは埼玉県くん、どうぞ」

「東京都府中市から始まっている武蔵野線に公営競技が多いと言われていて、西から行くと、西武園競輪、戸田ボート、大宮競輪、浦和競馬、川口オート」

「戸田ボートはコマーシャルでも有名よね。浦和競馬の黄色いカレーを一度食べて見たいわ」


    ——————————


「それでは今日は全く発言していないけど、縦巻きカールが決まっていて、まるでテレビ漫画『エースをねらえ!』のお蝶夫人のような神奈川ちゃん、お待たせしました。どうぞ」

「ごきげんよう。賭け事は紳士のたしなみでして、横浜には開港の翌年の1860年にレースが行われていて、1866年にイギリス軍将校などによって設計・監督された日本で最初の本格的な競馬場である根岸競馬場が建設されたということです。意外かもしれませんが、目黒競馬場より早いのでございます」

「イギリス人は競馬というか賭け事が好きね。日本は西欧文化導入の象徴として鹿鳴館と並んで競馬場があったって話は聞いたことがあります。それで現況はどうなの」

「川崎競馬、川崎競輪、平塚競輪、小田原競輪。以前は花月園競輪がございましたけど、廃止になりました」

「京浜急行に『花月園前』って駅あるものね」

「かつては川崎オートもございました」

「廃止になったのもあるけど、川崎市は公営競技の聖地ね。なんでもありって感じで」

「以上ですわ」

「今日はあまりお話しにならないわね、神奈川県ちゃん」

「私たち五歳児に公営ギャンブルの話をさせるのは不適切のような気がします」

「でも特定のジャンルからみんなの住んでいる地域を歴史的にも深く掘り下げようという勉強だから。実際に川崎競馬に行ってタンメン食ってこいとか、当ててみんなにおごれとか言っているわけじゃないんだし」

「よろしいですか。私たちはまだほんの五歳児なんですよ。後妻じゃなくて五歳なんですよ!」

(「えっ? 『後妻』? (^_^;)」)

 サリー先生は聞き逃さなかった。


    ——————————


「それでは最後に千葉県ちゃん。多分ここが本命っぽい感じ」

「船橋があるから?」

「馬といったら船橋よね」

「中山競馬場、船橋競馬場があるけど、船橋といったら競馬っていうイメージで見られるのはちょっとウザい」

「他には?」

「船橋オート、千葉競輪、松戸競輪」

「オートレース場って、結構少ないのよね」

「競輪と監督官庁が同じで、どうせ作るなら規模の小さい競輪の方が金かからなくて作りやすいっていうのがあるのかもねって、勝手に思ったりして」

「千葉競輪って近いうち赤字になる見通しで、廃止の危機にあるらしいね」

「千葉に着く前に中山とか船橋で途中下車しちゃうからかな。競輪ならもっと近くに松戸競輪とかあるし」

「船橋出身と言ったら、ある女性タレントが馬を飼育しているところで育ったとか言っていたけど」

「馬小屋で育ったわけではないでしょうが、おじさんたちに大人気だった方ですね」

「今回検索で上位にあるサイトを見ていたら、千葉県内の公営競技に松戸競輪が入っていなかったのがあったのね。公営ギャンブルのコマーシャルで松戸競輪は有名なのにね」

「子門真人さんの歌声で『松戸競輪』の名前は、ラジオとかでよく聞きますよね」

「あの自転車が走るトラックのことを33バンクっていうのね。一周333メートルだからと言われているらしくて」

「それを知らないと、残り一周になるとカンカンと鐘が鳴るのに、なぜCMでサンサン鐘が鳴ると言っているのかわからないでしょうね。あたしも調べるまでわからなかった……こっちの話だけど」

「今の時代、子門真人さんの歌声が聞こえるのは貴重なのよ。子ども向け番組の主題歌はこの方の歌が多かったように思う。『ガッチャマン』が有名だけど、画面全体にケレン味あふれる『空手バカ一代』のテーマもよかったわ。『電人ザボーガー』は歌詞が……」

「1970年代前半が懐かしいですか? ( ̄ー ̄)ニヤリ」

「べ、別に懐かしくないわよ、私はまだ生まれてなかったんだからo(`ω´;)o」

「そうですよね(嘘つくなよ)」

「日テレの『どっきりカメラ』ではめられてから見なくなったように思うんだけど」

「それも古くないですか」

「(無視して)ということで、今回の授業では、各地の公営競技は経営不振から廃止されていたり、先行きは不透明なところもあるということがわかりました。公営ギャンブルには経営不振の逆風が吹いているにもかかわらず、政府は大きな賭博場を本気で作る気なのでしょうか。さらに、ここでは触れませんでしたが、ギャンブル依存症の人が増えないように対策は取れているのか、また依存症になった場合適切なケアが可能なのでしょうか。有権者である私個人としてはとっても心配しています。それでは、今回の優勝は松戸競輪のある千葉県ちゃん!」

「別のことで逆風吹き荒れる千葉県の女子として、正直嬉しいです」


    ——————————


 いつもの通りサリー先生は服を脱いで水着姿になった。

「さあ、勝者の証である高尾山の交通安全お守りステッカーをボンネットの右側に貼りましょうね。千葉県ちゃんの愛車は?」

「白のラパンSSターボ」

「はい、ペタッとな〜っと♪ この車って、ライトが黒いカバーで覆われていて、スモークガラスで後部座席が全然見えないし、ぶっといヘビ皮ハンドルカバーつけて……」

「きりきりきりきり、ぶぼっ、ぼろろろろろろろろろろろ」

「千葉県ちゃん、その音! マフラー変えてるでしょ!」

「柿本改の音が好きなの」

「それ違法じゃないの?」

「違法じゃないって店長が言ってた」

「そりゃ向こうは商売だからそう言うでしょ。どこで変えたの?」

「木更津の珍走ショップ」

 そこに突然茨城県くんが割り込んできて、

「木更津のそこって、有名なとこじゃないっすか」

「てめえ、うぜんだよ! 来んなよ!」と拒絶されたも同然のリアクション。

「そんな、ひどい……千葉県ちゃん……」と茨城県くんは涙目。

 サリー先生は相変わらず千葉県ちゃんに尋ねている。

「この古めの軽自動車にいくらお金かけてるの」

「ラパンSSが中古で五十万円、改造で百万円くらい」

「軽自動車って中古でも高いのよね。他にどこを改造してるの!」

「RECAROシートを取り付けたりとか、ピラーの補強とか、KYBのサスとか足回り……つーか、いちいちうっせんだよ!」

「千葉県ちゃん、いい加減にしなさい。そんな大金をどうしたの?」

「働いたんだよ。自分の金で、何をしようと関係ねえだろ!」

「自分で働いたって、千葉県ちゃん、あんた、もしかしてf ……」

「なにをしようとこっちの勝手だろ。ただの肉体労働だよ!」

「五歳児が肉体……って、あんた何考えてんの!」

「子どもに相手してもらいたいっていう物好きがいんだよ!」

「あんた、自分が何してるかわかってんの? ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) ピシィ」

 怒ったサリー先生は千葉県ちゃんにビンタした。

「千葉県の女子が全員いかがわしいバイトしてるとか、勝手に決めつけてんじゃねえぞ、クソ大人が。こっちは傷ついてんだからな。週刊誌風情が妙な風説を流しやがって。千葉大生は田舎から出てきた純朴な子だから、生活が苦しくなると安易に金を稼ごうとしてf ……」

「もうやめて、千葉県ちゃん! 先生はそう思ってないからね。エログラビアを載せた写真週刊誌とかオヤジ週刊誌が売り上げを上げるために、わざとそういうオヤジたちの目を引きそうなクソ記事を書いているのよ。あんなものを信じるのは、そう信じたい(;´Д`)ハァハァジジイしかいないから相手にしなくてもいいの。先生もクラスのみんなも、千葉県ちゃんのことを信じてるからね。千葉県ちゃんが厳しい労働に耐えながら、学問を実らせようとしているのを、先生もみんなもちゃんとわかっているのよ!」

「(´;ω;`)ウッ……そう言ってくれるの、カンパチ幼稚園のサリー先生だけだよ……」

  ………………

 今日もまた、五歳児に厳しい授業が行われた。大人はたいそうな生き物だ。黒字のギャンブル場を廃止したり、赤字になりそうなギャンブル場を継続したり、ギャンブル離れが進んでいるのに新設しようとしたり。しかし子どもたちは自分たちの住む地域がどのような経緯で現在に至るかを学んでいる。しっかりと歴史を学ぶ子どもを騙すことは、猫を意のままに操ろうとするのと同じで、たとえ権力者であっても簡単にできるものではない。将来の日本にとって必ず役に立つのだ。ガンバレ、カンパチ幼稚園。ガンバレ、一都六県幼稚園児。

  ………………

「最後に千葉県ちゃん、『f ……』ってなに? 24(通報)しないから。やっぱり風……」

「『ファミマ』でバイト♪」

「じゃ子どもに相手してもらいたい物好きっていうのは」

「おでんを買うとき『汁多めで』って言ってくる常連のおじいちゃんのこと。あたしが汁をすくうのを見るのが好きらしくて『いつ見てもかわいらしいね』って言ってくれるの」

「ふーん」

「このあいだ、お小遣いもらっちゃった、三万円」

「なにそれ? (;一_一)」

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