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わたしたちをつなぐ唯一のもの

まるで夕暮れが来ることなど信じられないくらいの黄金の光が渓谷を染めていた。わたしは眺めることしかできなかったけれど、次第に暗くなっていく辺りに何か音楽的な香りを感じていた。


袖を通すとき、素足を通すとき、縮みとわたしの、デニムとわたしの違いを感じる。肌触りとしてのわたしがあり、そこに誰かとの共感がある。

氷を口に含むとき、バランタイン12年をるとき、水とアルコールとわたしとの違いを感じる。味覚としてのわたしがあり、誰かとの共感がそこにある。


その瞬間にわたしはいなくなった。辺りに溶けてしまって。もはや黒々とした岩影に。まだ鮮やかに透ける葉脈に。ちょろちょろと流れる水音に。このままきっと目を閉じるように夜になるのだなと思った。

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