第2章:人間
文章にタイトル入れ忘れた!
第2章
気が付くと見覚えの無い天井が見えた。
ランドの怪我は、いつの間にか治療されていた。
包帯であらゆる場所を巻かれていた。
ランドは上半身だけ起こすと、身体中に激痛が走った。
やはり、まだ動ける体では無いのか…と思ったが、こんな場所でノンビリして居たら猟師に見付かってしまう…。
そう思い、立ち上がろうとするが体が動かなかった。
すると、部屋のドアをトントンと叩く音が聞こえた。
ドアを叩く音でここは、何処かの家の部屋だと気付いた。
ランドはベッドに寝かされて居た。
そして、ドアが開いた。
出てきたのは、まだ若い―と言っても24〜5歳くらいの―女が入ってきた。
その後ろには、その女の息子であろう双子がついて入ってくる。
双子は見た感じ3つか4つ程年上に見えた。「おっ?気が付いたか少年?」と近付いて来た。
ランドは牙を見せる感じに自分の歯を見せて威嚇をした。
「うわっ!そんなに怖がるなよ少年。お腹…減ってないかい?スープがあるよ。」と温かいスープをランドに向けた。
スープの匂いがランドの方へ来た。
温かくて美味しそうな匂いがした。
匂いをかぎお腹がなるのが聞こえた。
「ほら、お腹は正直だ。スープをお食べ。」と笑いながら言う。
ランドは皿を受け取った。皿にはスプーンが入って居たが使い方が分からなかった。
ランドは皿に顔を突っ込んでガツガツ食べようとした。
ランドは、熱さに負け叫びながら皿を放り投げた。スープも辺りに飛び散る。
女が驚いて居た。
後ろの双子も驚く。
熱々のスープに顔を突っ込む人間が居るだろうか…。
「少年…。あんた、温かいご飯を食べた事は無いのかい?」と女は聞いて来た。
しかし、ランドは口を開かない。
この人間は俺を殺そうとした!人間なんか信じられるか!とランドの脳裏に焼き付いた。
「少年…、名前を教えてくれるか?私は、ルナ。んで、こっちはソルとルル」と双子を指した。
「でも、私も時々どっちがソルでどっちがルルか分からなくなっちゃうんだ!だから、ソルには赤いバンダナを…ルルには黒いバンダナを付けたんだ。」と言って笑った。
すると、家がボロいせいかネズミがソルの足元を通過しようとするが、ソルはそれを見てバッと捕まえた。
そして、ネズミの尻尾を持ちルルに話しかけた。
「なぁ!猫に食べさせようぜ!」と言うと、ランドがその光景をずっと見てた事に気付いた。
「なんだ…お前、ネズミを見たことが無いのか?」とネズミをランドの前まで持ってきた。
ランドはバッと奪い取ると、そのままガツガツと食べ始めた。
「うわっコイツ、ネズミを食べがった!しかも、生で!変な奴だ!」とソルは後退りをした。
ルナはまた驚いていた。
スープすら食べれない子供が生のネズミを食べている。
ランドは口の周りを血だらけにして口を開いた。
「お…俺はランド。ランド・ウルフ。
ランドとは母さんが付けてくれた名前。俺の大事な名前。」と答えた。
餌をくれたので、その恩と言う感じで話した。
ルナは少々戸惑いながら話す。
「そ…そうか。ランド君って言うんだな。」と言うが、ランドは
「ランドクンじゃない…名前はランドって言う」と答えた。
どうやら、"君""さん"付けの礼儀を知らないらしい…と言うか、当たり前だが。
「分かったよランド。君にお母さんが居るようだね。お母さんは今どこに居るんだい?」と聞いて来た。
「母さんは殺された。父さんも殺された。お前ら人間が殺したんだ!」と言うと、また歯を見せて威嚇を始めた。
「殺された…?私達に?それは無いわ!」とルナが反論した。「お前じゃ無いっ!父さんと母さんを殺した人間は俺が食いちぎってやった!でも、それだけじゃ俺の怒りは収まらない!人間を全滅させてやる!一人残らず地獄に叩き落としてやる!」とランドは叫んだ。
ランドの告白に、ルナは少し驚いていたが負けるか!とランドの前で仁王立ちしていた。
ソルとルルは、ビクビクしながら部屋の隅に逃げていた。「ランド…駄目だよ。恨みは晴らしたんでしょ?そしたら、もう良いんじゃないかな…。」とルナはランドに話しかけた。
「いや!駄目だ!人間は殺す!アンタ達もだ!アンタ達も人間だ!助けてくれたのは感謝する。餌もくれたのは感謝する。だけど…俺は人間を許せない!人間だけは許せない!」とランドは叫んだ。
ルナは静かに言う。
「でも…ランドも人間なのよ。」と…。
「違う!俺は父さんの弟…母さんの息子!俺は狼だ!」と叫ぶ。「何も違く無い…。この腕…この足…この体…、貴方は人間よ。狼なんかじゃない!」とルナも叫ぶ。
いきなり大声を上げたせいだろうか、傷口が開くのを感じた。
包帯は血で真っ赤に染まっていく。
また意識が飛びそうになる。しかし、ここで意識を失ったらこの人間に殺されるかも知れない。
そうランドは思い、意識を保とうと頑張っていた。しかし、現実はそうは行かない。
ルナが叫ぶ声が微かに聞こえたが、そのままベッドから落ちる形で気を失った。




