プロローグ:死の恐怖
プロローグ
「マスター!いつもの頂戴!」とプリムはいつものBARでいつもの飲み物を注文した。
すると、それを見て男が声をかけてきた。
「お嬢さん…隣よろしいですか?」と聞くが、プリムは無視をした。
男は勝手に隣にすわり、
「マスター、僕にも彼女と同じ物を!」と注文した。
そして、クリームソーダが運ばれて来た。
「とりあえず、乾杯!」と男は言うがプリムは無視をする。
男は引かずに話しかける。
「今日は良い天気だね。まるで僕らに太陽の光が祝福をしているようだ…」と臭い台詞を吐く。
プリムは一言言った。
「今日は曇なんだけど…。」
「あ…あれ?そうだっけな…ははは。………」と口を塞ぐ。
そして、時は経つ。
重い空気だけが、のしかかってきた。
プリムは男に向かい話しかける。
「ねぇ?ランド…楽しい??」
ランドは冷や汗をかいた。冷たい視線と物凄い殺気…ランドは『台本』と書かれた紙をチラチラ見ていた。
プリムはまた視線を前に戻しクリームソーダを飲む。
「ランド親分。」と小さい声で子分が話しかける。
「裏!裏にまだ台詞があります!」
ランドは裏面を見て棒読みを始めた。
「今日の君は一段と綺麗だね。そんな怒った顔をしてると、みんな元気が無くなるよ。みんなと言わずこの世界で僕だけは元気がなくなっちゃうな…ははは。」
しかし、プリムは無視をする。
ランドの棒読みは止まらない。
「頼むから笑っておくれ!君が笑ってくれるなら、僕は……」と台詞が止まる。
後ろで子分が耳打ちをする。
「何でもするからさぁ。と読むんですよ!」
「何でもするからさぁ。だから、君の笑顔を見せてくれないか。」とぎこちなく笑う。
やっとプリムが反応した。でも、目は怒っているが…
「じゃあさ、人間を信じられる様になったのって何で?」と聞いてくる。
「それと、そのキャラ辞めてくれる?そう思わない?子分さん達。」と子分達を睨む。子分達は、肩を震わせた。そして、ランドに話しかける。
「親分!おいら達…逃げますんで!」そう言うと、スタコラ逃げていった。
ランドも追い掛けようとしたが、恐るべき力で腕を捕まれた。
「何処に行くの?ランド?」
怖い!恐い!コワい!
ランドの脳裏には、ただ一言…怖いと焼き付いた。プリムは続ける。
「私の笑顔が見たいんでしょ?だったら、話しなさいよ!」
プリムは前回の"熊南瓜事件"の事で怒っていた。
はっきり言うと、ランドは何も悪い事はしていなかった。しかし、彼女は勝手に勘違いをし、勝手に機嫌が悪くなったのだ。
ランドは椅子に座り直した。
喋らなきゃ殺される…。そう思ったからだ。




