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奇蹟の少女と運命の相手  作者: 鷹羽飛鳥
王立研究所
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35 次席研究員

 今回から研究所編です。

 4年間過ごした学院をようやく卒業し、私が正式に研究所に入る日がやってきました。

 私のとうもろこしが完成したことが大々的に発表され、開発者である私がゼフィラス公爵家の跡取り娘であること、不世出の才媛セルローズ・ジェラードの孫であることも併せて発表されました。

 これまで、私は研究所所属の在外研究員という立場でいましたが、これからは正式な研究員で、なおかつ次期所長という立場になります。

 既に新たな作物を完成させたという実績もあるため、新人でありながら立場はかなり上という、ちょっと特殊な立ち位置になってしまいました。

 かなり上、というより、研究の実働部署ではトップクラスである「次席研究員」という肩書きをもらってしまいました。

 まあ、言ってしまうと、新設の職名です。


 なにしろ、これまで1人で複数の新種作物を作った実績があるのはおばあちゃまだけでしたから、他の研究員の間には大きな差はありませんでした。

 そこに、これまで頑なに在外研究員であり続けていたおばあちゃまが正式に入ったことで、「首席研究員」という役職が作られたのです。

 研究所の方々は、皆おばあちゃまの実績を知っていますから、反対する人などいるわけもなく、すんなりと認められました。

 そして、その孫にして弟子で、院生のうちの3年間で新種を開発した私が次席研究員などという役職を与えられても、これまた誰も文句など言えないのです。

 16歳と年若く、院生時代を含めても入所2年目でしかない私ですが、逆に言えば、その若さで新種開発という実績を挙げてしまっているので、文句を言いたくても言えないというわけです。



 その上、現王陛下の弟の孫で、所長の義娘となれば、敵に回したいと思う人などいるわけがありません。

 変に媚びてくる人が出ても困るので、特段の用がない人は私に近付くこともできないようになっています。

 その代わり、秘書がつけられました。

 アイーダ・ヒールズ男爵令嬢です。

 私より5つ年上の21歳で、焦げ茶の髪と青灰の目を持つ、中肉中背の方です。

 仕事に関しては、対人の調整を得意としているとのことで、他の所員と私の間の緩衝材となるのが主な役割だとか。

 お義父様は、私をあまり他の所員と接触させたくないと思っているようです。

 私とおばあちゃまには、合同で大きな実験農場が与えられ、数人の研究員が実作業に当たります。

 その研究員に作業の指示を出すのもアイーダの役目です。

 そういえば、最初にアイーダを「さん」付けで呼んで、お義父様に言われました。

 部下であるアイーダに、敬称を付けてはいけないと。

 年上であろうと、先輩であろうと、私は次席研究員、アイーダは一介の官吏であり、その序列の差は重要なのだと。

 もっとも、頭では理解できても、実際にやるのはなかなか難しいです。

 仕方がないので、家の使用人と同じように扱うようにしました。



 もう1つ大変なのが、アイーダに伝言を頼むことです。

 アイーダに命じて作業員に指示を出す、それだけでも面倒なのに、アイーダ自身が作業の中身を理解していないと、きちんと作業の指示を伝えられません。

 だというのに、植物学を学んだこともないアイーダを介して指示しなければならないのです。

 何のための作業かをアイーダに理解してもらわなければならないのに、彼女はそれを苦手としているのですから。

 先が思いやられます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >対人の調整を得意としている マリーに欠けているとこ!! すごい適材適所というか、だからこそ彼女を秘書に選んだね!! [気になる点] >家の使用人と同じように扱うようにしました。 なん…
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