表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古い掌編集  作者: あずま八重
▼恋詰め
17/36

28.unHAPPY?(2011.01.30 作)

「タケ、喜べ! 今年は月曜だぞ!」

「誰が喜ぶか、このど阿呆ッ!」


 1月も後半に入って増え始めた例の特設コーナーを前にして、いきなり色めき立ったマツを怒鳴りつけた。

 別に怒っちゃいない。まだ早いとか苦い思い出があるとかそういうこと以前に、このイベントが大嫌いってだけだ。

 呆れ加減に「なぁ」と呼びかけられて、倦怠感あらわに「あん?」と応えてやる。


「おまえさぁ。体質とはいえ、人生の半分は無駄にしてるよな」

「……よけーなお世話だ」


 ここ3年のバレンタインは休日。そのおかげで多少なりと学生ライフを平穏無事に過ごせていたわけだが、皮肉にも高校最後の今年は平日。――嫌な予感がしてならない。


「ふけるかな。あの濃厚で殺人的なニオイから非難ってことで」


 ため息混じりに出したその言葉に、マツが困ったような顔をする。理由を聞けばなんとも歯切れの悪い、およそ返答ともつかない言葉が並んだ。


「ああー、ったく! 言っとくがお前にゃやらんぞ!」


 ニヤリと笑うマツは気色悪いが、この甘党は私宛てのチョコを喜んで回収してくれる。それが〝私からの〟でなくても。


 ――だから、なおさら嫌いなんだよ。


(2011.01.30作)

■作品メモ

 「第二回500文字小説大会」の参加一作目。お題が「バレンタイン」ってことで、ちょこっとだけラブコメ風に……なってないな。

 姐御肌で同性に人気の主人公・タケコと、その腐れ縁で家もお隣の幼馴染み・マツオ。そして、作中未登場のウメコ達の織りなすラブ……うん、やっぱりギャグ街道まっしぐらだな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ