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古い掌編集  作者: あずま八重
▼恋詰め
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21.イメむは貴方(2009.01.31作)

 ――君の夢をみたいんだ。


 そう言った貴方は、私の胴をぎゅうと抱きしめながら寝息をたてている。

 また酷い悪夢をみたのだろうか? 今は良い夢の中にいるのだろうか? また悪夢でなければいいのだけれど……。

 お腹に(うず)められた顔は見えない。ただ確かなのは、締め付ける腕が緩むことを未だ知らないという事だけ。

 ふいに何かを呟いた貴方の頭を、幸せな夢がみれますようにと私は撫で続けた。


 私の夢には貴方がいる。だから――

「もう、みてるんですよ?」

 この幸せな夢の中で、貴方を起こさないようにクスクスと笑った。


 さぁ、私も寝よう。明日見つけるかもしれない、貴方の夢をみる為に。


(2009.01.31作)

■作品メモ

 寝る前に20分くらいで書いたもの。即興作ゆえか推敲しても上手く改良できず。作中の「私」を「彼女」に置き換えて地の文もちょいとイジると、小説ではなかなか見ない『二人称書き』になるよなーなんて。読み手が「貴方」。

 「イメ」は夢の語源らしい。なまって今の「ユメ」になったんだとか。

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