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『勇者へ』
逃げて逃げて逃げ続けていたんだ
僕は現実から逃げていたんだ
力ない民衆みたいに
これまでの過去が怖くて
これからの未来が怖くて
ずっとずっと逃げ続けていたんだ
逃げていても逃げていても
僕は全部気付いていたんだ
絶対に逃げきれないことも
王様が王座で勇者を待っていることも
勇者なんていないことも
とうとう僕は転がって追い付かれてしまった
もう逃げられなくなった僕はようやく
振り向いて突っ込んだんだ
走れ突き進め僕はもう逃げない
今まで逃げてきた分も明日を迎えるために
進め立ち向かってその手を伸ばせ
僕はもう大丈夫だっていつか胸を張って言えるように
目の前のこいつらを倒して
世界を救うための
勇者になるために




