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No.35 第九世界線の一端

作者: 夜行 千尋

出されたお題を元に、一週間で書き上げてみよう企画第三十五弾!

今回のお題は「舌打ち」「広間」「帽子」


4/20 お題出される

4/25 プロップが固まらず四苦八苦

4/26 なんとも難産で筆の進みが緩慢

4/27 そしてもはや恒例の……orz


難産過ぎて持ちネタを投入というこのふがいなさ……

 熾火井おきびい 藤麻とうまは自身の元へ来た通達の手紙を恐る恐る開いた。それは必死の祈りと共にであったが、届いた封筒の薄さを考えれば、明らかに彼が願った結果が書かれてないことは一目瞭然だった。そして案の定……


「ふ、不採用ぉぉぉ!」


 そう言いながら、彼は通知の書かれた手紙を放り投げるように、自室のベットに倒れ込んだ。

 藤麻はとある組織の末端に所属している。この世界に微かに、だが確かに存在する虚実のごとき特殊な“能力”をもたらす物質『蒼炎』を管理する秘密結社『ブルーフレイム』。藤麻が所属するのはその『ブルーフレイム』の訓練科、つまるところ“『蒼炎』を体内に保有しているが強力な能力を持つには『蒼炎』のコントロール能力が足りない者”が所属する、いわば『ブルーフレイム』の二軍、いや、三軍に所属している。


 秘密結社『ブルーフレイム』とは『蒼炎』に関するあらゆる問題、情報を一括管理する組織である。『蒼炎』とは、空気中に飛散している、遥か数光年先の宇宙から来た隕石の欠片、とされている。約10年前に地球に飛来。直後、“何処からともなく現れた”『ブルーフレイム』により世界中にその存在は秘匿される。だがそれは、水や食物、空気に混ざり、人々の体の中に徐々に溜まっていっていた。『蒼炎』は摂取した人間の“酸素”と“思考”を使って、摂取した者の“想像を現実に”する力を持っていた。

 その事実と共に『ブルーフレイム』は更なる衝撃的事実を持って来た。それは、自分たちが居る世界以外に“平行世界”があり、それらにも同じく『蒼炎』が落ちて、それらの世界では大混乱が起きている、として『ブルーフレイム』が『蒼炎』のあらゆる問題を一括管理。それは『蒼炎』を摂取した『能力者』に関しても同じ事だった。

  “平行世界”から次元を超えて現れた『ブルーフレイム』の『能力者』は、圧倒的知識と記憶操作や情報操作により、この世界に落ちた『蒼炎』に関するあらゆる事柄を隠匿して見せた……。その圧倒的力を見せつけるとともに……。


 そして、『ブルーフレイム』の『能力者』を管理する機関に、藤麻もまた捕捉され、その人生は一変することになった。

 藤麻は最初、自身に『蒼炎』の力が有ると解った時、心から喜んだ。今までの暮らしはできなくなり、将来も変わってしまうであろうその宣告を突き付けられても、他の者とは違う反応をして見せていた。

 が、何分にも藤麻には『蒼炎』の能力が目覚めないでいた。他の訓練科に所属する者は、炎を生み出したり、人形に意志を与えたり、空を飛んだりしている最中、藤麻に現れたのは“『蒼炎』を大量摂取した者ならだれでもそうなる”程度の簡単な肉体強化のみだった。

 もちろんそれで構わないと考える者も大勢いるだろう。だが藤麻は違った。

 せっかく自身にも特別な力が発生する可能性があるなら、どうせなら特別な運命を歩みたいと思っていたからだ。

 無論乍ら、能力は自分では選べないことが多い。その能力が発現した時、能力が暴走して大事故になる事も少なくない。人を無差別に傷つける能力を身に着ける者も居る。能力を身に着けることが幸せに繋がるとは限らない……のだが、藤麻はその辺を深く考えていないようであった。


 藤麻はベッドから体を起こし、部屋を出る用意をし始めた。インディゴのシックなインテリア、六畳の2LDKの自室は『ブルーフレイム』から与えられた部屋だ。秘密結社という癖に、何かと拘束的なことは無く一種のホテルのようだと藤麻は感じていた。もちろん、それは自分が危険な能力を発現してないからだという事も理解していた。

 部屋の灯りを消し、脱ぎ散らかしたパジャマを蹴って、ルームキーカードを支給されている訓練服のファスナー付ポケットにしまう。そして部屋を出る直前に今一度部屋に引き返し、ふかふかのベッドに飛び込んで頬ずりした後、名残惜しそうに布団から離れて部屋を後にした。



「おはよー! 今日もよろしく!」


 訓練室に入った藤麻は、部屋に居る他の訓練科の人々へあいさつした。

 訓練室はその用途に合わせて様々であり、本当に能力がある者はこの部屋には来ない。それぞれ用途に合わせた部屋へ行く。あくまでこの部屋は“能力がない能力者が能力発現の為の訓練”を行う部屋だ。ほとんど街中のスポーツジムと変わらない設備だ。指導員ではなく、能力暴走時の警備員が居る事を除けば……


 藤麻の挨拶に気だるげに、藤麻と同年代の高校生ぐらいの少年が答える。


「よう、お前もやっぱ落ちたのか?」

「という愛重ちかしげもだろ? ここに居るってことはさ」

「まぁな」


 そう言って、藤麻は愛重と呼んだ少年とハイタッチをした。

 彼は呱呱井ここい 愛重ちかしげ、やはり能力が特に発現していない訓練科の一人だ。

 そんな二人をため息交じりに呆れたかのような目線を投げる中学生ぐらいの女子が居る。彼女は大桃おおもも 星羅せいら。これまた能力の発現が無い訓練科の一人である。基本的に無口でドライな女の子と見られがちだが……まったくもってその通りである。


「お? やっぱ俺ら三人は今年も訓練科ってことか。まぁ、来年こそはうまくいくって!」

「どっからくるんだよその自信は……藤麻は落ち込むって事を少しは学んだらどうだ?」

「え? これでも落ち込んでるだけどなぁ。わかんない? いつもよりすこし笑顔がぎこちないだろ?」

「手前で言うな。そもそもどこがだ、万遍の笑みで言うなよ。オレたちももう訓練科じゃ年長組だぜ」


 彼らはかれこれ訓練科で五年目を迎えようとしている。大抵は三年で能力が開化し、試験の末にそれぞれに見合った仕事を与えられる。もちろん、能力が開化して居なくとも仕事の割り振りを受ける試験は受けれる。……結局のところ、今年もまた不採用だったわけだが。

 藤麻は愛重と肩を組みながら言う。


「いいじゃねぇの。俺らより年上も居たりするんだ。……そりゃまぁ、俺らより後に来た人らがほとんどだけど」


 訓練科の平均年齢は20歳前後である。主に下は小学生から上は中年まで。だいたいが、世では学生と呼ばれる年齢の子供たちだ。


「まあな。多分、今回もくるだろ? ほら、例のおっさん……」


 愛重のその言葉に藤麻は首を傾げた。


「おっさん? だれだっけ?」

「おいおい、中年組の、あの禿げ頭の……去年まったく芽が出なかった、あの禿げ頭の、あー、名前、なんだっけ?」

植村うえむら ただし


 星羅がぽつりとつぶやいたのを聞き、愛重がそれだ! と手を叩く。


「そうそう! 植村のおっさんはまた来るだろ! 他に誰が来ると思う?」

「んー、俺ら三人ぐらいしか思い浮かんでなかったな」

竜胆りんどう かおるも来ると思う」

「ああ、星羅もそう思うか? 前髪お化けなら来るとオレも思うな」


 前髪お化け、と称される竜胆 薫は中学生ぐらいの少年で、自信が無いのか前髪を鼻にかかるほど伸ばしている。藤麻たちと同じく能力発現の兆しが去年は無かったのだが……。

 藤麻としては、愛重のこの「オレらと同じ落ちこぼれを探そうぜ」談義が毎年ながら苦手だった。気持ちは分かるが、如何せん好きになれない会話の内容の一つだ。もっとも、ここで邪魔すると後々不機嫌になるのは一昨年知っているのでやめておくのが賢明だとも知っている。


 その後、適当な時間を訓練室で過ごし、適当にだべって、座学に入り、その日を終えた。

 結局、留年したのは藤麻、愛重、星羅の三人だけという事が分かった。そのことに愛重が不機嫌になっていた以外は、いたって平穏な日常だった。……その日だけは。



 翌日、訓練室に藤麻が行くと、見知った顔が見知らぬ服装でそこに居た。


「あ、熾火井くん。先日ぶりです」

「あれ? 薫か? ってかその服装!」


 薫が着ていたのは『ブルーフレイム』の正規隊員の服装だ。濃い藍色のジャケットの腕に紅い三本線が入った服だ。

 藤麻は自分の事のように喜んで薫の肩を叩いた。


「やった! 薫が試験に受かってた! お前やったじゃないか!」

「そ、そこまで喜ばなくても……」


 決して薫とは長い付き合いではなかったが、それでも一年ほど共に居た者の昇進を、己の事のように藤麻は嬉しかった。

 対照的に愛重は不機嫌なようで、星羅はまたむすっといつも通りに構えていた。

 愛重が不機嫌さを隠さずに言う。


「で、正規の隊員に受かった人が一体何しに来たんだよ。自慢す」

「そうだ、助けてほしいんだよ! お願い、頼むよ……呱呱井くんたちが頼りなんだよ」


 嫌味を遮られてそれどころか拝み倒され、愛重の顔にははにかみと困惑が出ていた。

 薫はその気は無かったかもしれないが、愛重の拗ねた自尊心を立て直すには非常に有効であることを、藤麻も星羅もすぐにわかった。というわけで、なし崩し的に新規の頼りない正規隊員の願いを、非正規の訓練生が受けることになった。


 薫は泣きそうな顔で言った。


「『ひょっとこ』を捕まえるのを手伝って欲しいんだ」

「ひょっとこっていうと……あの屋台で売られてる面の?」


 藤麻が思い浮かべているのを皆思い浮かべているようで、如何せん危機感が湧かない。

 が、薫は続ける。


「いや、それがまた……なんか火を吹くらしいんだ」

「らしいってまた曖昧な情報だな」


 藤麻がぼやくのに対し、薫が返す。


「う、うん。でも、危ないから捕らえなくちゃいけないらしいんだ。その……お仕事で」

「はぁ!? つまり、危険人物の捕獲任務ってことか? おまえ、戦闘系の能力発現したのか?」


 愛重がまじまじと薫を驚きの言葉と共に見るが、薫は肩を落として言う。


「それが……全然そんなことなくて……そうじゃないから困ってるわけでして……きっと何かの手違いだよ」


 三人は顔を見合わせた。星羅も愛重も、正規の隊員が受けるような仕事、というだけで若干尻込みしているのが、藤麻には分かった。と同時に、自分の中に沸々と何かが湧いてくるのを感じた。


「な、なぁ……でも、それは、ほらオレらは訓練科だし」

「よし! やろう!」

「本当!? 助かるよ!」


 愛重が断ろうとしたところに藤麻は即決で決めてしまった。

 元々藁にも縋る気持ちだった薫にとって、その申し出は心強いものだった。自分を頼ろうとしていた人物が目の前で踵を返したことに愛重は怒り、咄嗟に


「じゃあオレも助けようじゃねえか! ああ、いいぜ!」

「ありがとう! 僕一人じゃどうしようと……ああ、来てよかったぁ」


 となると、もはや星羅も芋づる式で巻き込まれることになる。むしろ、参加する体で愛重が話し始めてしまい、不愛想だが面倒見がいい星羅が仕方なく付き合う、というのが毎回の流れだった。



 薫の話を要約すると、『ひょっとこ』と呼ばれる『蒼炎』を悪用する男をとらえる仕事を与えられたが、自分一人では無理だと思い、まだ親しくもない他の正規隊員を頼る事が出来ず、訓練科で良くしてくれた(と薫は認識していたらしい)三人を頼りに来た、という事らしい。


 ともあれ、まずはその『ひょっとこ』を探さなければならない。

 街に私服で操出し、標的の人物の外見の情報を聞く。目的の人物が最後に目撃されたのは人口12000人ほどの都市であり、探すのはなかなか一苦労にように思われた。ともあれ、広めの広場に陣取り、道行く人を片っ端から確かめていく。


「えーと、40代男性、頭皮が薄く、出っ歯である……えっ? 去年度まで訓練科に居たらしいよ、この人!」


 薫が驚く中、三人は即座に『植村 正』が脳内に浮かんだ。そして、愛重が薫から資料をふんだくるように奪った後、やっぱりと資料を指さして笑った。


「見ろよ、植村のおっさん、怪奇人物として捕縛対象化してんじゃねぇか! マジでウケるぞこれ!」

「あー、で、交渉で取り押さえられるように、薫が選ばれたんだな」

「ライトがライターになったのね……」

「おい星羅、それ最高だな! 禿げ頭でライトだったのが、火を吹く様になってライターになったのか! 傑作だなぁ!」


 ひとしきり愛重は馬鹿にして笑っていた。

 まぁ、元々訓練科に居た時も年齢を盾にあれこれ大きな態度を取って、他の人を見下していたりして居た為、植村に対する印象は藤麻も決して良い物ではなかった。他にも植村ぐらいの年齢の訓練科の者はいたが、皆特に不和になる事も無かったため、一入嫌な奴というイメージが強かったのだ。


「とはいえ、何処に居るかも見当つかないんじゃ探すのは大変だろ? なんか無いのかよ?」

「あ、えーと、資料の下の方に行動傾向が書かれてたような?」

「あ? 何々? 女子高生の下着でも覗きそうな顔して一体どういう事をしてたんだ?」


 愛重が持つ資料に皆顔を近づける。

 そこには「主に、中高生ぐらいの少年少女へ、八つ当たりのように炎を吐きかける。危険人物である」と書かれていた。

 全員の脳内に「あ、これ、自分たちへの逆恨みが原因なんじゃ?」と浮かんだのは、言うまでもない。

 突如流れる沈黙の後、薫が口を開いた。


「逃げていいかな?」

「いや逃げんな正規隊員、オレは逃げるって星羅逃げようとすんな」


 逃げ出そうとする星羅の首根っこを掴みながら、愛重が逃げる算段を立てている中、藤麻は言った。


「よし、じゃ、待ってりゃ向うから来るってことだな。探す手間が省けるってやつだろ?」

「いやいや、ポジティブすぎんだろ!? いくらなんでも、実際に火を吹かれたらどうすんだよ!?」

「んー、そうなったらそうなった時に考えよう」

「丸こげで考えられるか!」


 などと藤麻に向かっていた愛重の顔が曇った。そして、藤麻の背後から聞き覚えのある声がした。


「おや、ここで有ったが百年目ってな。餓鬼どもを探してて良かったよ。お前ら探してたんだ」


 藤麻が振り返ると、そこには白いスーツに白いテンガロンハットをかぶった植村が居た。相も変らぬ胡散臭いねずみ男のような顔に、ところどころ剃り残した髭とはみ出した鼻毛、そして特徴的な出っ歯。


「お前らさんざんに俺を馬鹿に」

「おお! 植村のおっさん、能力発現おめでとう! 炎出せるなんてカッコいいじゃん?」

「……なに?」


 藤麻は思ったままにそのことを口にした。植村は少々呆気にとられ、愛重や星羅は藤麻の袖を引っぱったり頭を叩いたりして、その場から逃げるよう促していた。

 植村はその光景に笑い声をあげて高説を述べ始める。


「バカかお前ら! 俺はお前らを燃やしに来たんだよ!」

「いや、そうだけどさ。でもカッコいいじゃん! 炎を操る能力なんてさ!」

「違う! 俺の能力はもっとレアだ! 俺が操るのは炎じゃなく可燃物質。つまり俺の能力は“可燃物質を生み出し操作する能力”だ! 石油灯油ガソリンシンナーに水素プロパンとなんでもいけるぞ! そうだ、こうしてお前らの前に姿を現したとき、すでにお前らの足元にガスを充満させてあるんだよ! お前らが俺の事をまた馬鹿にしている間に、バカなお前らが気づかない間に下準備を済ませてあったのさ。後は歯に仕込んだ火打石を、舌打ちの要領で打てば、お前らは丸こげって寸法だ! それだけじゃなく、こんな人通りの多いところで発火させれば、他の人も皆被害にあうなぁ。どうすればいいか分かるか? そうだ、泣き叫んで許しを」

「すっげぇ! 石油を生み出せるならこの先こまらねぇじゃんか!」

「許しをこいやがれこのクソガキぃ!」


 藤麻はなぜ植村が怒ったのかよくわからなかった。すごいと思ったから素直に褒めたのに、一体何がいけなかったのだろうと本気で悩み始めるのが、藤麻のすごいところである。そして、それが決定打に繋がった。


 藤麻に気を取られている隙に、背後に回った星羅が植村の帽子を奪う。咄嗟の事と自分のコンプレックスを晒されたことへの焦りで帽子を求めて植村の手が宙をかいた。目線は取られた帽子を追い、他の者から目を逸らした次の瞬間、愛重に思いっきり顎を蹴り上げられ、それが決め手となって植村は気絶した。のだが……


「このやろ! このやろ! 禿げおやじ! 逆切れおやじ!」

「歯に仕掛け! 前歯折るべし!」

「よっしゃ! 星羅やっちまえ!」

「そこは愛重が……私おっさん触るのや」

「いや、今めっちゃ踏んでんじゃん!?」

「え、ちょ、もうやめとこうよぉ!」


 気絶して白目をむいている植村は、すっかり怯えた愛重と星羅により、更にリンチにあっていた。適当なところで薫が止めに入る。

 薫と二人が言い争う中、植村はフラフラと立ち上がった。そのことに気付いた藤麻が叫ぶ。


「危ない! 三人とも気を付けろ!」


 植村は覚束ない足どりで立ち上がりながら言った。


「この、クソガキどもぉ……丸こげになれ!」


 そう言って植村が舌打ちをする。瞬間、彼の口元から火花が散る! ……が、なにも起きない。

 薫がおずおずと言った。


「あ、すみません。可燃性のガスって聞いてたんで……僕の能力で空気を流しておきました。あ、僕、“風を吹かせる能力”みたいでして……といいますか、こんな広い場所じゃ放っておけばガスは散っちゃうんじゃ?」


 植村はそのことに今気づいたようだった。そして直後、安心しきった愛重に殴られ、また気絶することになった。

 その後、植村は御用となった。と同時に、男性を集団で殴る蹴るしていた四人も、警察の御用となった。




 その後、事情を話すと同時に『ブルーフレイム』の幹部の一人が到着。その者に引かれる形で警察から解放されることになった。

 四人を引き取りに来た『ブルーフレイム』の幹部、瀬折せおり かおりは四人を軽く説教しながら連れ帰った。もっとも、そんなお小言など馬の耳に念仏と、四人は今日の武勇伝を思い返して笑い、話し合いながら帰っていた。














 瀬折はその後、新人であるはずの竜胆 薫に危険人物確保の任務が“決して手違いで渡されたわけではない”という事を知って憤慨した。そしてその怒りをそのままに、そのことを立案した他の幹部に詰め寄った。


「どういうつもり? なんでこんな危ないことを……下手すればあの子たち怪我してたか、それ以上の事になってたかもしれないのに」


 幹部の男はその剣幕に押されながらも答えた。


「いや、竜胆ならあの三人を頼るだろうな、と思ってね」

「だから! あの四人じゃ危なかったって」

「その中に“運命を良い方向へ導く能力”を持つ熾火井が居るという事は見えてた。だから……任せた」

「……そんな便利な能力なら、あの子正規隊員になってるんじゃ?」

「それがまた……なぜか訓練科のままだね。正規採用の通知を手配したんだけど。機械のミスか、あるいは、熾火井の能力に干渉されたんじゃないかな。……いや、今回の一件か、あるいはそれ以外の別件に際し、彼は訓練科に居た方が“物事が良い方向へいくだろう”と、あの子の能力が導いたのかもしれないね」


 瀬折は渋々ながらその男に噛みつくのを止めた。


「そう……で、どうするの? これから。つまり、訓練科を中心になにか起きるかもしれないって、あなたはそう判断してるんでしょ?」

「そうだな……見守ろうと思う。僕らも忙しい身の上だし、何より熾火井の能力で何が起きるか分からない。実に、興味深いだろ?」




えぇ

また『蒼炎』関連のお話ですよ……

本編の方が進んでないのにねぇ…… 他の地平線に関してまだ始めてないのにねぇ……

はい、書きます。必ず書きます。はい……


さて

今回の話はかなり血の気の薄い話として最初から考えていました

敵が阿呆なのもそのためですね

わりと流れるように事態が決まっていたんのですが……如何せん、薄い……

かなり薄いコーヒーのごとき薄さのお話になってしまった

もうちょい中身が詰めれたら良かったんですが、相も変わらず筆がなかなか進みませんで……精神と時の間くださいお願いします(18:35現在)


ちなみに最後に出てきた『ブルーフレイム』幹部の男というのは、No.16 にも出てきた第一世界線の幸徳井くんです。ほぼ友情出演の勢いw


ここまでお読みいただき、ありがとうございました

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