1.
今回は少々投稿方法を変えて、毎日22時に少しずつ投稿を考えています(できるといいね!)。後、毎度のことですが、最終的には削除させていただく場合がございます。ご了承ください。
闇夜の中で、カラスよりも黒い翼が舞った。
俺は夜の学校の廊下にいた。周囲のガラスは割れ、壁はボロボロで、見るも無残に荒らされているのは、他ならぬあいつのせいだが、今は文句を言っていられる余裕はない。
黒き翼を生やした人型をしたそれが、大きく羽ばたいた。
強烈な風圧が、俺の体をいとも簡単に吹き飛ばす。高貴さを思わせる美しき羽であったが、そんな美麗さからは想像もつかない力強さで靡くそれは、一方で醜悪悪魔のような凶悪さを覗かせていた。
黒い翼が、今度はそこから黒い羽根を無数に飛ばしてくる。銃弾のような鋭さを持って迫りくるそれに、俺は思わず顔を腕で覆った。しかし、きっとそんな防御行動は何の意味もなさないとだろう。
俺の前に、無数の棘を生やした茨が伸び塞がった。
漆黒の翼が放った羽根は、その全てが茨に阻まれたようで、俺の方へと飛んできたモノは何一つとしてなかった。
俺は隣にいるそいつを見る。
真っ黒なゴシックドレスに身を包んだ小柄な少女が、茨の向こうを睨み付けていた。
――っ! 茨の向こうから、漆黒の翼が飛び出してくるのが視界の端に映った。そいつは同じようにしてこちらに危害を加えようとしているに違いない。
真っ黒な少女が、学校の廊下から茨を生やして黒い翼の持ち主を襲わせる。しかし、闇の翼は素早い動きでそれら全てを回避すると、同じように羽根の弾丸を飛ばしてきた。
少女の対応では間に合わない。そう判断した俺は、その少女を庇うようにして体当たり、丁度開けている階段の方へと飛ぶ。すると――、
階上から降りてくる向こうで、拳銃を構えた男が俺の額に照準を合わせていた。俺は頭を撃ち抜かれた。