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第4話 家族は全員美形のようです②(2025.02.20修正)


グレイシア帝国が誇る薔薇庭園へとやってきた私たち。その中央の白いガゼボの方へ向かっていくと、銀髪の子供が二人でお茶をしている光景が見えてきた。やはり私の双子の兄と姉のようだ。

私たちが近づいていくと、双子も私たちに気付いたようだった。


「ルーナ!!こんなところで会えるなんて!」

「ルーナ!!今日も最高に可愛いわね〜!!」

「あう〜!(ど〜も〜!)」


そっくりな顔で私に笑顔を向ける双子たち。乗馬でもしていたのか二人ともパンツスタイルの乗馬服でお茶をしていた。


「ルーク皇太子殿下、ルビー皇女殿下、お邪魔してしまいましたでしょうか?」

「いいや、ルーナなら大歓迎!」

「えぇ!大丈夫だよマリー、私たちは乗馬の授業を終えて次の授業まで休憩していただけですから」

「そうでしたか…!ありがとうございます」


どうやら二人は勉強の合間の休憩をここでしていたようだ。皇族って子供も色んなことを学ぶから忙しいみたい。この世界での初めての記憶にも登場した双子は、私の一番上の兄と姉だった。兄のルークはグレイシア帝国第一皇子にしてこの国の皇太子。姉のルビーは第二皇女だ。顔立ちがそっくりな双子だが、ルークと違ってルビーは腰まで伸ばした美しい銀髪であるため、区別はつきやすい。色彩は父似だが顔立ちや雰囲気は母に似ている私とは違い、容姿は完全に父に似ているこの二人は、父と同じく凍えるくらいの美貌を持った子供である。ここまで美形が揃うとは…。遺伝子の力ってすごいのね。


性格もどちらかというと父寄りらしく、二人とも基本は無表情の冷酷無慈悲なのだとか。あの父似にていると言うのであれば子供であっても圧が凄そうだ。案の定、父と共にこの国の貴族からはすでに若干恐れられているらしい。うちの家族…、怖がられすぎでは!?

とはいえ私を溺愛している双子は、私の前ではいつも笑顔でデレデレしている姿しか見せないため、あまり恐怖を感じたりはしないのだけれど。


「ルーナ!こちらへおいで!」

「ちょっとルーク!抜け駆けしないでよ!ルーナ!こっちよ!お姉ちゃんと一緒にいましょうね」

「おい、ルビー!兄に譲らないか!!」

「譲りません〜」

「まぁまぁ、お二人とも落ち着いて」


私をめぐって二人が争い出し、それをエディが宥めている。また考えに耽っていたら双子の喧嘩が始まってしまったようだ。とりあえず、双子の間に座らせてもらう。そして渾身の一撃…美幼女の上目遣い!!キラキラとした瞳で喧嘩はやめてっ!と上目遣いをするとこの双子は基本的に喧嘩をやめてくれる。


「うぐっ!」

「なんて可愛いの私たちの妹は…胸が苦しい…」


(ふっ…この双子…ちょろいぜ…!)


私の渾身の一撃にやられた二人は、いつの間にか私を愛でることにシフトチェンジしたらしい。撫でられたり、ほおをぷにぷにと突かれたりしながら、この愉快な双子との時間を過ごしたのだった。



◇ ◇ ◇



庭園で出会った双子と別れた後、私たちは部屋へと帰ることにした。帰り道も変わらずマリーに抱かれながら広い城を歩く。我が家は本当に広すぎだと思う。一人で歩き回るのは大変そうだ。宙に浮く魔法とか、瞬間移動できる魔法とかあったら便利だよな〜。そんなことを考えながら周囲を眺めていると、庭園と城を繋ぐ道に植えてある木々の隙間からキラキラと何かが光っている。


(なんだあれ…)


よく目を凝らして見続けると、どうやら人の髪の毛のようだった。木々の間に隠れるようにして、自分より何歳か年上と思われる子供が蹲っている。キラキラと光っていたのは子供の金髪が太陽に照らされて光っていたようだ。子供といえば…双子が思い浮かぶけど彼らは先ほど庭園で別れたばかり。このエリアは基本皇族しか立ち入らないはずなので、そうなるともう一人の兄だろうか?皇子があんなところで、しかも一人で何してるんだろう…。


先ほどの双子以外に私の上に第三皇子である兄がいるらしい。と言ってもまだ会ったことはないのだけれど。皇帝の父と皇后である母、そしてその二人から生まれたのが双子と私。そして父にはもう一人、皇妃として妻がいるのだそうだ。アデルというその皇妃は真紅の瞳に金髪に派手な美人で、その皇妃との間に生まれたのが第三皇子アルフレッドだ。母であるアデルの色を濃く受け継ぎ、アルフレッドも真紅の瞳に金髪を受け継いでいると聞いた。双子は先ほど別れたし、この辺のエリアを出入りできる子供ならきっと彼ではないだろうか?

異母兄弟とはいえ私が全く会ったことがない理由としては、ルシウスがアデルを嫌っており、なるべく私たちと関わらせないようにしているからなんだとか。元々母を溺愛している父だから、まぁわからなくはないのだけれど。父と母の結婚の過程には何やら面倒な事情が絡んでいるらしい。


そんなことを考えながらしばらく光る金髪を眺めていたのだけれど、マリーに抱かれて移動しているのもあって、すぐにその光景は見えなくなってしまった。


第一皇子ルーク、第二皇女ルビー、第三皇子アルフレッド、皇妃アデルと家族構成がだいぶ広がってまいりました!


父と母、そして皇妃の関係は何やら面倒そうですが、とりあえずルーナリアは自分の関われる範囲で元気よく生きてまいります!

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