第1話 どうやら私、転生したようです(2025.02.20 修正)
ガタガタと機内が揺れている。
日本からアメリカへと向かうこの飛行機は、現在絶賛落下中だ。
あちこちで悲鳴が聞こえ、この世の終わりのような音がしている。
「まじか…嘘でしょ…。せっかくアメリカツアー当たったのに…!sevensのツアー拝みたかった…!あの漫画の最終巻も来月発売だったのに読めないじゃん…!何よりsevensの新曲聞けないのに死ぬだなんて…嫌ぁぁぁぁ!!!」
ペンライトを握りしめながら叫んだのと同時に、凄まじい爆音が聞こえて私の視界は暗転した。
◇ ◇ ◇
次に目を開けた私の視界には、きらびやかな光がゆっくりと回るのが映る。それは、豪奢な宝石がちりばめられたメリーゴーランドのおもちゃのようだった。金や銀の枠に、小さなルビーやサファイアがはめ込まれ、揺れるたびに光を反射してきらめいている。まるで夜空に散りばめられた星のように美しい。
そんなメリーゴーランドのおもちゃを上にして、ふわふわとした柔らかな布に包まれたベッドの上に、私は横たわっていた。
(いや、ここどこだ?そもそも私、何してたんだっけ?)
身体を起こそうとしても上手く起き上がることができない。なんだか体が重い…。とりあえず顔を動かして周囲を見てみる。視線を巡らせれば、部屋全体が白を基調としたロココ調の装飾で彩られていることがわかる。天井には繊細なレリーフが施され、壁には優雅なカーテンが揺れていた。窓から差し込む陽光は柔らかく、純白の家具を優しく照らしている。シャンデリアがそっと輝き、部屋全体に夢のような雰囲気を醸し出していた。
(何ここ!?すっごい豪華な部屋なんだけど…)
どうにかして、自分の手を動かしてみる。なんだか小さくて、もちもちしているような…。そう、まるで赤ちゃんのような手…。
(赤ちゃんの手って、とっても可愛い〜!ってそうじゃなくて…!!)
自分で自分にツッコミを入れていると、ガチャっと自分がいる部屋の重そうな扉が開き、誰かが入ってきた。
「ルーナおはよう!」
「ルーナちゃん、今日も可愛い〜!」
入ってきたのは美しい青の瞳にさらっさらの銀髪の、顔がよく似た二人の子供達だった。顔つきからしておそらく双子だろうか…。
(ていうかすごい美形!めちゃくちゃ美形!お姉さん鼻血でそう…!)
私の推していたsevensのメンバーたちと同じくらいの美人さん…!あ〜、そういえば氷月くんもこの前の新曲のMVの銀髪、とっても似合ってたな〜!去年の日本ツアーの時にも銀髪にしてくれて、衣装がキラキラ王子様系っていうのもあって、まさに氷の王子って感じだったんだよなぁ!
sevensは私が推していた7人のアイドルグループだ。結成当時から応援していた私はファンクラブ会員番号一桁の最古参で、全現場に参加して恐れ多くもメンバー全員から認知されていた。まぁあれだけライブやオフイベントに通い詰めていれば嫌でも覚えられるだろう。デビュー初期にまだ小さなコンサートホールでパフォーマンスしていた時からずっと追いかけていた。
全メンバー大好きだったけど、一番応援していたのは水月というsevensの中でも身長が一番高い世話焼き系男子。180cm越えの高身長と明るいファンサービス、屈託のない笑顔が特徴でよくコンサート会場を目一杯楽しそうに走り回っていた。ファンからは大型犬のようだと可愛がられていた彼は、個性豊かなメンバーたちをお世話する役回りも果たしていた。
その水月とよく一緒にいたのが、氷月という無表情でちょっとマイペースなビジュアル担当。アイドルなのに表情筋を動かすのが苦手らしく、大体が無表情。公式からグッズが出ても去年のグッズと今年のグッズでどこが変わったのかわからないとさえ言われるくらい表情筋が動かない。コンサート中もどこかぼーっとしていて、一見するとアイドルとしてどうなんだろうという彼は、恐ろしく顔が整っていたため、その美貌に惚れ込んだファンが多かった。そんなマイペースな氷月と世話焼きの水月は相性がよく、名前も似ていることから氷水コンビとか月コンビなんて呼ばれて親しまれていた。私もこの二人の絡みを見るのがすごく好きだった。
(氷月くんと同じくらいの美形さんって相当美しいんだけど…)
過去のあれこれを振り返りながら、目の前でデレデレしている大きくなったらそれはもう美しくなりそうな予感しかしない美形の子供達を眺めていた。
「ルーク殿下、ルビー殿下。ルーナ姫様が起きられたようですね」
「そうだねマリー!起きたみたいだよ?」
「ルーナちゃんってば、ほんとにお母様そっくりで天使だわ!」
この双子は私をみて天使と言っているんだろうか…?私からすれば、君たちの方が相当美しいと思うけどね!!目の保養だよ!ありがたいわ〜。そもそもルーナって誰なんだろう?状況からして私のことを言っているんだよね…?そんな風に混乱しながらぐるぐると考えていたら、双子からマリーと呼ばれていた女性が私を抱き上げた。視界がかわり、部屋の中にあったこれまた豪華で品のいい装飾がされた鏡に自分の姿が映る。
「では姫様もお目覚めになられたようですし、皇帝陛下に朝のご挨拶に参りましょうか、殿下方」
「そうだね」
「そうしましょう」
双子とマリーがそんな会話をしている横で、私は大混乱だった。鏡に映る私の姿は、まさに赤子。長いまつ毛にぷくっとした頬のベイビーちゃんが映っている。
(まじで赤ちゃんなんだけど…。え………?はああああ!??)
どうやら私、転生したようです…。どういうこと…!??
進めたいと思っていた今作品。再度書き始めるまで時間がかかってしまった‥。
ご覧いただきありがとうございます!
前に投稿していた内容は修正版をあげていき、こちらの作品も書き進めます!
拙い文章ですがぜひよろしくお願いします…!