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コトバがあるということ  作者: かなたつむぐ
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コトバは発しなければ伝わらない

 それからは母にメッセージを返すようになった。正直、僕との時間は合わないけれど……なるべく母に合わせるようにした。


『おはようございます☀』相変わらず、午前七時前後に毎日届く母からの言葉。

『おはようございます☀ こちらは久しぶりの天気だったので外干しをしました。洗濯物も太陽の光を浴びて嬉しそうです!』と僕は挨拶だけでなくなんとなくそれ以外の言葉を添えるようになった。


 普段からそんなに話すネタがある生活も送っていないので少し適当というか不器用というかそんな言葉をつけるように変化していった。僕がメッセージを多く送るようになると母は嬉しいらしく、文字数も多くなり何かあったら連絡をくれるようになっていった。


 浬音には「いつか連絡する! いつか会える! なんて思っていたら。突然会えなくなる日がやってきてしまうかもしれない。だから会いたいと思った時に会いにいかなきゃだよ」と言われた。


 全くその通りだなって。それからは浬音も一緒に僕の実家によく帰るようになった。

 それからは母も気をよくしたのか、夜ご飯に作ったもの、旅行にいったら風景や、父親と風景、その場で食べたものをメッセージと一緒に送ってくるようになった。まるで僕専用のインスタが出来たかのように。


『今日のご飯は天ぷらです』というメッセージと共に天ぷらの写真が送られてくる。天ぷらの写真は小さな上げ皿に全ての食べ物が真っすぐ立てられている。しかも写真は真上から撮られているので画像を見た瞬間の感想は、これはなんだろう? であった。お刺身のように段差を付けて並べれば見栄えがするのにと思いながら『美味しそうだね! そして(並べられて)キレイだね』と返事をする。浬音にその写真をみせると微笑みながら「今度、この天ぷらをご馳走になりたいな」と言った。


 別の日には父が飼い猫を抱きかかえた写真が父のスマホから送られてくる。写真だけでメッセージはなし。あれ? 珍しいな? というか自撮りを送ってきている? なんか色々不思議に思っていると『可愛いでしょ♡』と母からメッセージが届く。星耶からは『イイネ』のポーズをしたスタンプが押された。その写真は母が撮って、父が家族グループメッセージにあげたらしい。こんな感じで家族でもメッセージのやり取りを頻繁に行うようになっていた。


 これとは別に母からはいつもの時間に『おはようございます』『おやすみなさい』などのメッセージが毎日送られてきている。

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