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コトバがあるということ  作者: かなたつむぐ
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校門に立ち「おはよう」という毎日 ~高校生の思い出~ ⑥

 高校二年生になると僕は生徒会に選ばれた。


 本人はやりたいとは一言も言っていないので押し付けられたといっても過言ではない。同時に運動部の部長もやっていたが、荻野先生が「生徒会に推薦されて断る人はいない」と言われ、仕方なく渋々受け入れた。荻野先生は自分の意見や行動が正しいと思い込む癖が相変わらずあるので自分が指名した人を自分の周りに置きたいようだった。現に自分に都合の良い者たちを選んでいた。


 二年生からは一時限目の前の七時半から零時限目の授業が行われるようになった。朝は六時代に家を出て、七時半から授業、八時十五分からは校門に立ち生徒一人ひとりに「おはようございます」と挨拶をする。僕にとって「おはよう」というコトバは当たり前の日常の中のルーティーンとなり、息をするように自然のものとなった。


 部活と生徒会の役目を熟しながら、部活が終わると予備校に行く。家に帰る時間が午後十時頃になった。母は忙しいのに予備校まで車で迎えに来てくれる。そして家に帰って一人で夜ご飯を食べて、食べ終わったら食器洗いをしてから、予習復習をするために自室に籠る。この頃には家族との団らんというものは皆無で家族で話すことはなくなっていた。


 母は自分が寝る前に温かいミルクティーを作り「無理しないでね。おやすみなさい」と言って自室へ向かう。いつの間にか家族で一番早く寝るのは母になり、父は寝る前に猫を抱えて連れてきて「おやすみ」と言って猫を僕の部屋に置いていくのが当たり前の夜の光景になった。

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