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コトバがあるということ  作者: かなたつむぐ
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校門に立ち「おはよう」という毎日 ~高校生の思い出~ ④

 高校一年生の山々が緑、黄色、赤、茶色とカラフルに染まる時期、ノートや教科書がよくなくなり、気がつくと戻ってくるという奇妙なことが起きた。


 学校の決まりで机やロッカーに教科書やノートを置くことが禁止されていた。盗むとなると確実にクラスメートになる。僕の教科書やノートは予習がされており、答えが記入されている。それを誰かが知っての犯行だろうと思った。嫌がらせといえば福島千春だが、彼は非常に成績が悪い。授業中も大イビキをかいて爆睡しているし、授業も聞いていないので間違った答えを言う。なので犯人ではない。


 では誰か。僕は間違った答えを書いてみることにした。すると犯人は見事にその間違った答えを自信満々で答える。それが面白くて心のなかで笑っていると、犯人である林真実が声をかけてきた。


「ちょっと! 山田くんって馬鹿なんじゃないの?」と真横の席の林真実が足を組み、眉を寄せて下げ睨みつけてくる。

 僕はお得意の無口無表情で対応することにした。

「ねぇ、聞いてんの?」

 僕はわかっているけれど、何のこと? という仕草をする。

「アンタの教科書とノートに書いてある答え間違え過ぎだから」と僕の教科書とノートを机の上に投げつけられる。

「おかえり、僕の教科書とノート。もう人のモノを盗まないでくださいね」と微笑んでみせる。

「お前の笑った顔、怖っ。いらねえよ、こんな間違えだらけのやつなんか」とクラス中に聞こえる音量で自分のしたことをアピールしてからスマートフォンをみはじめる。


 萩野先生もその場にいたが「なんだか仲良く解決したようでよかった!」なんて意味不明なことを言い出すので無視をすることにした。


 福島千春といい、林真実も謝らない。自分が悪いと思わないのだろう。なんとも面白い人たちだ。中学時が人の運が良すぎたんだろう。高校時は人の運が悪いのはバランスがあるからなと心で思いながら何事もないように過ごした。

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