第2話
部活が終わり、家に帰ってきた僕は明日のために、ネットで変化を見つける方法を検索していた。
だがどの情報もあてにならず、僕は唯一仲のいい異性である幼馴染に電話で聞くという最終手段にでた。
「――もしもし?」
「はーい、なんですかー」
いつもの無気力感を出しながら電話にでる幼馴染の松下未來。お隣さんということで小学校のときから行くときも帰るときも遊ぶときも一緒で、僕のことを1番分かっている幼馴染の1人だ。
「ちょっと相談なんだけどさ」
「あーごめん、充電無くなりそうだからベランダに出てきてー」
「また?何回目だよ」
「ごめんって、忘れちゃうんだよね」
「まぁいいけど、じゃベランダで」
電話を切り、まだ夕方の温もりをもつベランダ来た。
松下は隣のクラスで成績優秀で容姿端麗。この気だるげな感じを抜けば完璧な女子だ。
「それで、相談って?」
「転入生が来たって言ったじゃん?その人が毎日僕にどこが変わったか聞いてくるんだけど、全く分からなくて。だから女子の変化の見極め方を知りたいと思ってね」
「え?愛斗、その人のこと好きなの?」
「ん?違うよ」
僕があんなレベルの高い人を手に入れれるわけがない。無理無理。
「それならなんで見極めたいの?」
説明が足りなかった僕はちゃんとした理由を説明した。
「ふーんそういうことか、でも私に聞いて解決すると思う?」
「聞かないよりは聞いたほうがいいかなって思って聞いた」
「なんやねん」
「ごめん、嘘嘘。僕の仲いい異性は松下しかいないし、松下は意外とこういうこと分かるかと思ったから聞いた」
「意外とってとこが引っかかるけど……まぁ頼られたんだから教えてあげる」
「本当に?!」
これで僕は明日赤崎さんに勝てると思った。別に勝負とかしてるわけでもないけど。
「私が言えることは……知らん」
「なんやねん」
完璧ななんやねん返しだった。完全に教えてもらえる状況だったのにそれをひっくり返してきたことにとっさに出てしまったのだ。
「私も女子の変化は分かりにくいって思う。いつも学校でキャッキャしてる人たちなら分かるだろうけどねー」
私はそのグループじゃないから無理ーという松下。たしかに松下の周りの女子はみんな大人しい。
だかそれでも松下はクラスを超え、学年でもとても人気で嫌っている人を見たことない。
「そっか、教えてくれてありがとう」
「いや、別に何もしてないけど」
「相談のってくれてるから」
「っそ」
めちゃくちゃ短い返事。最近は何でもかんでも略語化されるからな。
「にしても、どうしよう。やっぱ当てずっぽうかな」
「私が教えようか?そのテスト範囲」
「そう、それを考えたけど、赤崎さんと約束してるからやめとく」
「愛斗はそういうとこはちゃんとしてるもんね」
「そういうとことは?」
「さぁーねー」
「なんだよ……あっ!そうだ松下」
「ん?どしたー?」
「多分赤崎さんとの約束は朝で終わるから、もしそこで当てれなかったら昼休みに松下のクラスに行くからその時教えてよ」
我ながらいい考えなのでは?これなら別に当てれなくても再テストを攻略できそうだ。それに明日を迎える気持ちが楽になるし。
「別にいいけど」
力のこもっていない言葉とともに承諾が返ってきた。
「やった!じゃそういうことで」
「はいよー」
松下と喋ること15分。すっかり街頭があたりを照らしていて、体感温度も下がっていた。
まずはその体を温めにお風呂に行き、その後ご飯をすませて自分の部屋に戻ってくる。ちなみにうちの親はともに海外に出張しており、今は1人でこの広い家に住んでいる。
寂しいが、たまに松下ともう1人の幼馴染、片桐翔が来てくれるのでそこまで孤独を感じることはない。
幼い頃から料理を手伝ってきたため料理もできるし、洗濯といった家事全般も普通にでき、僕はこれぐらいできて当たり前だと思っていた。
――いろいろ終わらせた僕はスマホをいじりながら眠くなるのを待った。今は23時過ぎで、男子高校生にしては少し早めの就寝となった。
――気持ちのいい朝を迎え、背伸びをして学校へ行く準備をする。
今日は金曜日で学生華金だ。そうは言っても、別に休日ですることは部活とかで高校生活始まったばかりの僕にはそこまで華ではなかった。
寝惚け眼をこすりながら朝食、歯磨き、洗顔等終わらせ、学校へ行くため玄関を出る。
「よっ!遅かったな」
そこで待っているのが翔だった。未來とも中学まで行き帰り一緒だったが、時間合わせるのめんどいーということで好きな時間に1人で行き帰りしているそう。
「僕が遅いんじゃなくて、お前が早すぎるんだよ」
「そうか?俺は別にいつも通りだけどな」
僕が唯一お前と呼べる仲の友達。クラスでも何人か喋る人はいるがなんとなくお前とは呼べない。
「もう少し遅く来てもいいんじゃない?」
「体が言う事聞かないから無理だな」
「はぁ、そうですか」
はははっと笑う翔は未來と同じクラスで、ムードメーカー的存在。成績は普通だが運動は完璧で、部活では僕とダブルスのペアを組んでいる。なによりモテる。
ん?モテる?モテるということは……
「なぁ、お前モテるよね?」
「いきなりなんだよ」
「女子の変化って分かるか?」
「女子の変化?」
昨日、松下に説明したように翔にも説明をした。
「――なるほど、それで俺に」
「うん。なんとかならないかなって」
「んー俺もよく分からないが、女子ってかっこいいやつから容姿を褒められると嬉しいだろ?だから目に見えるとこを変えてくると思うぞ」
「はい、無理。ありがとう」
翔の言うことを逆にすると、かっこ良くない人から褒められるとなんも思わないだろ?ってこと。つまり僕に希望はない。
「なんだよ、聞いてきたくせに」
「翔はかっこいいからそう言えるんですー」
「はぁぁぁ、かっこいいのは――」
デカデカため息をしたあとの翔の言葉はいきなりの風に消され聞こえなかった。だか僕はそんなに気にしなかった。
「まぁ、なんだ、その、頑張れ」
親指を立てニッコリする翔。やっぱり完璧なやつだ。
それから翔と他愛のない話しをしながら学校に足を進めた。
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