表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/49

第14話




 ピピピピピピピピピ。


 朝の目覚ましに起きることを催促され眠りたいという体を無理にでも起こす。


 月曜日の朝6時半、一番早く起床した僕は五人分の朝ごはんを作りにキッチンに向かう。久しぶりのお泊り会に想像以上に疲れが溜まっていたのか、千鳥足になっていることに気づいたのは10歩ほど歩いたときだった。


 そんな状態でも体をどこにもぶつけることなくキッチンにつき、味噌汁など朝ごはんといえばこれといった料理を作りにかかる。


 いつもの三人は目覚まし一回で起きないことは知っていたけど赤崎さんも起きない人みたいだな。


 それにしても僕は、初めての泊まりにしてはみんなと仲良くなる機会や楽しむことができていた様子の赤崎さんのことばかり考えている。きっと自分の中で心配しているのだろう。


 考え事をしながらもしっかりと朝ごはんを作り終えた僕はさすがにもう起きる時間だろうと四人を起こしに部屋に向かった。


 「もう7時になるから起きないと」


 意識がしっかりした状態でこの四人の今を見るとみんな寝相が悪いんだと思う。


 松下と如月さんは寝始めたときと場所が逆になってるし、翔は上下逆だし、赤崎さんは布団なんてどっかにやって仰向けからうつ伏せになってるし……みんな似てるんだな。


 そんな感傷に浸る感じのことは置いておいて早く起きないとみんな遅刻する。


 「ホントに遅刻するよ!この呼びかけで起きなかったら水鉄砲持ってくるから」


 もし起きないときは水鉄砲を使い起こすのが僕たちの中で決めてあることで実際何度か使われている。


 「10.9.8.7.6.5.4…」


 「……はい、起きた起きた」


 「まず松下クリア、3.2」


 翔が起きてることを手を挙げるとこでアピールしてきた。


 「次に翔クリア、1」


 「私はもう起きてるから」


 布団の中からスマホをいじりながらひょこっと如月さんが出てきた。残すは赤崎さんだけだが……嫌な予感しかしない。


 「0.ってことで赤崎さんごめんね、水鉄砲持ってくるよ。聞こえてないと思うけど」


 すやっすやの赤崎さんに水をかけて起こすのは申し訳ないが遅刻するよりましだろう。


 洗面所に掛けてある水鉄砲を持ち、水を入れ赤崎さんの顔の近くに行き、構える。


 「赤崎さん初めてだからラストチャンスあげるよ。あと5秒だけだけど」


 ――その後5秒カウントダウンでも起きなかった赤崎さんは見事、顔を濡らされそのまま味噌汁を口にしていた。


 「いやー顔濡らされても起きないなんて凛はすごいね」


 「えへへ、そう?」


 「喜ぶとこじゃないと思うけど」


 実は赤崎さんは水鉄砲なんて効かず、結局松下に体を揺らされまくってやっと起きたのだ。


 「俺は水鉄砲をかけられてるとこを初めて見たわ」


 「片桐くんはいつもかけられる側だもんね」


 「それな」


 如月さんの言う通り、翔はほとんど如月さんに水鉄砲をかけられている。


 赤崎さんが加わったメンバーでもいつもと変わらない、いや、それ以上に会話は弾むし楽しさも加わった感じで僕は赤崎さんの高校生活をいいスタートで迎えれたことにホッとしていた。


 それぞれ食器を片付けたりヨーグルトの容器や蓋を捨てたりして各々着替えを済ませた。


 そうして7時半、僕たちは5人同時に家を出て学校に向かった。


 学校につき、教室に入ることで松下、如月さん、翔と離れ、赤崎さんと二人になった。


 窓側の桜の見える自分の席に座り、隣に赤崎さんも座った。


 月曜日の朝ということでクラスの雰囲気はドヨンとしていて高校生活始まったばかりなのに学校嫌だとかいう声も聞こえてくる。


 相変わらず女子は毎日咲いているし見れる、()()()()()を見て『やっぱ映えるね』など話していた。


 「そうだ赤崎さん、今日が部活のミーティングだからその時までにこれ書いてて」


 そう言って希望部活の記入紙を渡した。


 「あと、翔のことはもう紹介しなくてもいいよね?昨日で仲良くなってたみたいだし」


 「うん!この紙のことも片桐くんのこともありがとう!」


 「いえいえ、でもホントにテニス部のマネージャーで良かったの?」


 「うん、友達と一緒の部活のほうが転入してきた私にはちょうどいいから」


 「そっか、じゃ改めてよろしく」


 「うん!」


 ワクワク感が僕にも伝わってきていた。それだけ赤崎さんは部活のマネージャーをやりたかったんだろう。


 「ねぇ小渡くん、未來となつみはなんの部活やってるの?」


 「そっか、言ってなかったね、二人はどこの部活にも所属してないよ」


 「帰宅部ってこと?」


 「そんな感じ、二人は運動は苦手じゃないし楽器や絵っていった文化部の活動も苦手じゃないけど、自分の趣味を優先したいからって部活をしてないんだ」


 「へぇ、そっか、一緒にテニス部マネージャーやってくれたら良かったな」


 「絶対無理とか言いそうだけどね」


 「分かる」


 如月さんがマネージャーはまだ分かる。可愛らしくて人気があってきっとやる気がアップするだろう。


 でも松下はみんなに素っ気ないから相当なMじゃないとやる気アップしなさそうだからな……。これ言ったら後でめちゃくちゃ言われそうだから本人には言わないけど。


 チャイムが教室に鳴り響き、ホームルームが始まった。


 ――それから6時間の授業が終わり、放課後、つまり部活の時間になった。

 ここまで読んでいただきありがとうございます


 応援を評価という形でしていただけると嬉しいです

 昨日評価していただいた方、ありがとうございます


 誤字脱字ありましたら、申し訳ありませんm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ