護国戦争、開戦!
未改稿なんですけど、35話あたりから世界観が変わってきます。
第2章は世界観が変わり過ぎたのに加え、テーマすら変わっちゃったという状況。
最早、キャラ共有するだけで別の話なのかもしれない。
西石野の開発中に着手した頃、新手の勢力「森の民」と「西の民」が侵入し、砦に籠った開拓者らが援軍を要請してきた。
この2民族は、「かつて先住民だったが三壁に追い出され、今戻ってきた」のだとか。
私はこの言い分を聞き入れた。
というのも実際は労働力不足を補うためだったが。
こうして2民族を傘下に入れ、「西森辺境伯」を設置し、直轄から先住民自治に移管した。
またこれと同時期に、東安は北三壁への植民を計画した。
混乱の末に無政府状態となった北三壁は、東安によって領有が既成事実化されていた。
そして三壁-東安の水路「小麦道」地帯を小麦道県と名付けて支配し、月都-東安の通商路として外街1区から上街を経由する道路を整備した。
そんな折の事だった。
「湿地の民」が東安の更に東から来襲。
東安帝国は既に東方3県を失ったと報告を受けた。
旧三壁市内での東安の支配体制が揺らぐとともに、東安城は「湿地の民」に包囲され連絡不通になった。
これと同時期、私は西森辺境伯領の独立を承認し、西森共和国が成立した。「共和国」なのに辺境伯という謎の政体であったが、誰も気に留めない。
そして月都系諸国でサミットを開いた。
議長に月都帝国皇帝の私、参加国として三壁公国と西森共和国。
この3国は、今後の世界統治について、商業主義路線で連携する事に合意した。
しかしこの会議中、「湿地の民」が小麦道にも侵入し、東安の西方3県も平定し、東安には本土のみが残った。
北三壁にも「湿地の民」が侵入し、初の壁内への『異民族』侵入には大混乱が起こった。
そして壁内の地価が暴落した。
更に東安の植民地地域が全て「湿地の民」に制圧され、亡命者がなだれ込んできた。
各国と連絡を取ろうと試みるも、防衛線維持で手一杯になった。
すると、西森共和国より急使が来訪した。
石野共和国が滅亡し、北石野の亡命政権が救援を求めているらしい。
ここまで追い込まれれば仕方ない。
「封印せし武器庫を解放せよ!」
旧世界連合でこの新たな敵を叩かねば。
急いで海底回廊内の大広間に全国の代表を集め、
完全兵装を配布した。
但し北石野亡命政権のみは包囲されているため、招けなかったが。
護国会議の参加国は三壁公国に西森共和国、東安帝国であった。
作戦としては、まず三壁と東安、そして月都を繋ぐ要衝の金台地区を奪還する。
三壁公国軍と東安軍で構成された西方面軍は壁内と石野を奪回し、同時に金台大橋を渡った無傷の月都軍(東方面軍)が「湿地の民」の本拠を叩くのだ。
外街6区に西方軍司令、金台に東方軍司令を置き、護国戦争が始まった。
東方面軍、つまりは月都軍はまず橋を渡らねばならない。
しかしこの橋も占拠されている。
橋の途中には守備兵が数人ずつ立っている。
1度救援を呼ばれれば、東詰には大軍が押し寄せるだろう。
ならば東詰を先に占拠するしかない。
東安南端から南に300ブロックの彼方で、敵海軍の脆弱な事を祈りつつ、船で挑むのだ。
橋から見えぬ距離から護送船団方式で航行し、東詰から更に南50ブロックほどの所まで近付いて上陸した。
海上では月都のテオドシウス港からの200艇が、開封港からの200艇と激突した。
丁度あの海底回廊の直上あたりだろう。
船上戦では弓矢戦の後は橋を挟んだ戦いとなり、剣戟戦となったために完全兵装のこちらが勝利した。
兵数300で東詰を奪い、砦を築く。
この砦が耐えている間に輸送を行い、砦から打って出る作戦だ。
敵軍の東詰の防御は極めて脆弱で、全員を捕虜化できたため、急ぐ必要はなかった。
敵兵の中には橋の存在を知らぬ者も居て、重要性が分かっていない模様だ。
というか、山を越えて東安陥落を待っている軍勢にとっては、
我々ほど重要ではないらしい。
捕虜を見ても、「湿地の民」の強さはどこにあるのか。全く分からない。
遠征中にも関わらず急使がやってきた。
よほどの事なのだろうと思えば、三壁が南北どころか3つに分かれたらしい。
「湿地の民」率いる北三壁帝国と、そこからの亡命者の正統三壁帝国が乱立したという。
「湿地の民」の侵入の目的はこれか。
三壁地区への定住を目論んでの侵略だったらしい。
そんな事を考えながらも東安の後詰め決戦に向かう。
(特殊スキルで見れる地図:緑が「湿地の民」)
手始めに東安帝国の旧領であるアレクサンドリア州に進入する。
元から人の少ない地ではあったが、無人になっている。
亡命者はどこに行ったのか。
それとも全員敵軍に捕まったのか。
不気味ではあるが、どちらにせよ休息が必要だ。
仮の小屋を大量に建設し、休息を摂る。
やはり未開発の森林地帯は物資に困らない。
「湿地の民」は沿岸部を占拠していったらしく、旧東安領でも少し内陸に進むと全く敵はいない。
とはいっても今のうちに、なるべく南岸の方に、橋が奪還されても大丈夫なように港を整備しておく必要がある。
そのため、別働隊を南岸方面に向かわせ、南岸港の建設にあたらせた。
そして本隊はいよいよ開封市の南の湖まで辿りついた。
この湖は海や川と接続したため、今では厳密には運河であるが。
開封市は城壁が未発達で、宮殿ですら建っていないため、平地といった方がよい。
東安をかつて解放した時には、そうであった。
しかし敵は流石「湿地の民」、利用価値が分かったのだろう、
ここはいつの間にか商業拠点となっていた。
護国会議の際には全くの予想外であった。
しかし今、湖を越えればそこには都市がある。
そしてこの湖を通る船は多く、まともには勝ち目がない。
この完全兵装をもってしても、敵軍の得意とする戦場で、敵についての情報のないまま戦うのは危険すぎる。
ならば陸上で戦わせるまでだ。
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