帝国の内政改革2
官僚制採用といきなりの省庁再編による混乱の最中、5大研究所は研究の快進撃を続けていた。爆薬研は雪原県地下60ブロックに実験場を構え、爆薬の威力を表すRE係数を現代の現実世界水準にまで乗せた。輸送研はこれまでの海上輸送主流の経済体制変革のため、高山から西世界全体への鉄道網を広げる事を提唱する一方で、東世界では海上交通網を温存した方が却って良いという研究結果を示した。偶然にもそれに反して東安帝国は鉄道化を進めていたが、輸送研の分析通り、高い建設費用に対して殆ど経済効果は無く、また建設によって需要が啓発される事も無く、赤字補填のための増税に踏み切った結果、鉄道不況と称されるほどの大不況が東世界全体を覆い、その分析の正確さを西世界に轟かせた。エネルギー研では現実世界同様に原子力エネルギーの利用が考えられたが、それよりも効率的なエネルギーとしてポータルエネルギーを発見した。現実世界から流入するエネルギーは原子力よりも大きくかなり未来性があるとした。しかしポータルは世界に1つしかなく、その問題を解決する事が必要だとも述べた。建築研は高山市などの人口密集地におけるより効率的な建築を追い求め、壁を含めて縦5横4の20B平方に寝台付き1住居の形式で壁を隣居と共有する住宅を積み上げてゆき、更に通路を2B幅、大路を5B(ブロック幅)とする事で小空間への大量集住を可能とし、更に従来では塔層型住居が林立すると出入口が混雑するという問題が発生したが、市街全体の階層化によって解決するという方策を編み出した。こうして実験用のミニ都市が雪原県に建てられた。その結果は上々とはいえないまでもそれなりのもので、解消の一助にはなるだろうという事で、全く解決法の無かった無計画な都市開発状況を一変させた。最後に情報研は、西世界における電信網の設置や暗号科学の研究に注力し、開封から月都、高山、雪花を通って雪原県の開拓境界を結んだ。その結果、「(東世界の東端で起こった事を西世界の西端まで伝えるには)山越え10分あと3秒」とまで呼ばれるようになった。また暗号化においても最先端を極め、電子決済システムの開発など、現実世界でのエンジニアが専門職に就く事によって大幅な技術革新が行われた。
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