ゲーム世界への転移と幼馴染との再会
第1章では事前知識として…minecraftなどのゲーム系の知識があった方がよいかと思います。
第2章ではあまり必要ないです。
第2章からでも読めるように、第2章1話前書きには「あらすじ」を付けてあります。
目が覚めると、そこは異世界だった―的な事が起こってしまった訳であるが、どこか既視感のする世界である。
まだはっきりとは思い出せないが、それよりも「異世界でしたかった事」にリソースを向けよう、そう思った。
異世界でしたかった事。国づくりだ。
いや、国というよりも都市かもしれない。
この世界の文明レベルは分からないが、現代都市を完全再現したいものだ。
じゃあまず人探しから、と思えば誰もいない。探索しながら食糧となりそうなものを狩っていく。
うさぎ、兎、ウサギ…ばっかりじゃねぇか?
そう思って辿っていくと、格子風の箱からウサギが湧いていたのだ。
そして思い出した。この世界について。
この世界は私が作ってアップロードした世界だ。
しかしやけに描画が綺麗すぎる。
というのも、この世界は「ourscrafts」の世界のはず。
しかしさっき見たウサギなんて本物同然である。
まずはここがどこか把握する必要がある。
アイテム欄を探っても、ウサギ肉しかないか。
そう思えばアイテムとは別に地図データがあった。
これが世界製作者の特権か。何かに使えるかもしれない。
とはいっても、ここがどこか分からなければ、地図など無用の長物。
取り敢えず同じ方向へ歩き続けるしかない。
そうすればきっと分かるだろう。
見えたのは峡谷であった。
随分と前に架橋したらしく、全く記憶には無いが、難なく横断可能である。
橋を渡っていると、声が聞こえる。
どうやら下から聞こえるようだ。私と同じく異界人かもしれない。
降りてみると、そこは何層かに分かれていた。過去の自分がダンジョン風に作ったのだろう。
下―といっても恐らく最下層―に助けを求める声がある。
嫌な事を思い出した。
確かここにはゾンビスポナーを大量に置いたはず。
もし第一異界人が食われてしまえば?
弱化ポーションと金リンゴで治る保証はない。
折角の手掛かり、逃すわけにはいかない。
急いで最下層へ向かった。といっても裏道を思い出しながらなので、そこまで苦労はしていないが。
1分後、ラストスパートの水面への落下に成功しつつ、最下層に辿りついた。
そこにいたのは、私の幼馴染で初恋の相手、美子であった。
黒髪で華奢な、私より少し背の低い女の子。
何故ここにいるのか、と訊いたが、やはり彼女にも分からないとの事。
取り敢えずここを登らねば。
そう思っていると、ゾンビが降ってきた。
手を引いて、さっき来た裏道を戻る。
地表まで来た頃には50mほど駆け上がったらしく、道を土で塞いだ後の記憶が無い。
気付けば夕方まで草原で眠っていたらしい。
隣ではまだ美子が寝ている。
このまま夜になると流石に危ないので、何とか知っている市街地まで最短距離で走り抜けた。
「外街1区」―私が建てた、最初の植民地区まで。
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毎日午前7時に連載予定です。
-追記-
現在カクヨムにも改稿版を連載中。(未改稿のものは投稿せず)
こちらも改稿版に置き換えつつあります。
また現在は毎朝6時に投稿時間を変更しています。