マリナの店に商品を届けるが…
さて、まずはマリナの店に行く。マリナの店に着いて俺達は中にはいる。
「マリナー?いるか?」
俺が大きな声で呼ぶとマリナが奥から出てくる。
「ルークさん!いらっしゃい!」
「マッチやポーション瓶を持ってきた」
「まぁ!ありがとうございます!」
「マリナ、倉庫に行くぞ」
「はい!」
マリナの店を入って左奥のドアがみんなで食事をしたりする所だが、右奥のドアは倉庫になっている。
俺達はマリナと倉庫に続くドアを開ける。マリナの店の倉庫はドアを開けると、すぐに階段になっている。マリナの倉庫は地下にあるみたいだ。
俺とマリナは階段を降りる。とまたすぐにドアがあり、そのドアを開くと…
「真っ暗だなぁ…」
文字通りの真っ暗だ。何処に明かりがあるか分からない。本当に目の前には闇だけが広がっている。
トワイライト王国の地下に配下達の家があり、住んでるのだが、レイアが作った灯りの魔道具でかなり明るく、住みやすい。何もなかったら真っ暗だが。マリナも怖いのか、俺の腕も強く握っている。こんな所でドキドキシチュエーションイベントかよ!すげぇドキドキしてるわぁ。あれだ、従妹に手を繋がれても全然ドキドキしないのだが、異性だとドキドキしてしまう。俺だけか?いやそんなのはどうでもよくてどうすっかなぁ…
「まいったなぁ…」
「松明を持ってきましょうか?」
「わたくしの火魔法でも大丈夫ですが、いかが致しましょう」
「それもいいんだが…一度上に戻ろうか」
「はい」
俺達は一度、上の店に戻る。戻るついでに念話をレイアに飛ばす。困った事があったらのレイアちゃんだ!
『レイア聞こえるか?』
『聞こえておるぞ?なんじゃ?』
『ちょっと灯りの魔道具が欲しくてな。余ってるか?』
『あるぞ?空気中の魔素を吸い取って、半永久的に使える物が』
それはかなりこの世界では高価な物になるだろう。まぁだが使うのはマリナの道具屋の地下だ。そうそうに誰かに見られたりはしないだろう。見られたりしても貰い物とか適当にいっとけばいいし。
『ならそれでいい。ヴィーナの部下にテイエイという者がいる。ヴィーナに頼んで、その者がマリナの店に持ってくるようにしてくれ』
『分かったのじゃ』
『助かったよ』
俺は念話を切る。やはり困った時のレイアちゃんは頼りになる。地下から戻ってきて
「ルークさんどうしますか?」
「もう少しでテイエイが来ると思うから待ってよう」
「テイエイさんが?」
「そうだ。便利な物を持ってくる」
俺達は少し待ってると、店にテイエイが入ってくる。
「ルーク様、お待たせしました」
「あぁ。悪いな」
「いえ。こちらをどうぞ」
魔道具を渡された。何故か3つもある。
「3つあるのか?」
「はい。レイア様が何かあった時用にと」
「なるほど。それはありがたい」
よくできた配下だ!ありがとうレイア!
「ルークさん、これは何でしょうか?」
マリナが聞いてくる。まぁ何か?って気になるのは仕方ないだろう。形は地球にある電球だ。この電球、ガラスの中に〈灯〉の術式が書かれており、スイッチ1つでオンオフ切り替える事が出来る。そして凄いのだが、点いてる時に電球に触れても全く熱くはない!
「これはまぁ灯りの魔道具だな」
「えぇ!?そ、そんな物を私の倉庫に使ってもいいのでしょうか!」
「いいんだよ。行くぞ?」
俺達はまた倉庫に向かう。倉庫のドアを開け電球魔道具を起動させる。懐中電灯みたいにも使えるのでかなり便利なのだが
「うおっ!?明るいな!」
「す、凄いです…」
めちゃくちゃ明るいのだ。ここの倉庫、電球魔道具1つで補える明るさがある。だが明るすぎる…でも大丈夫!そんな時はこの明かりを調整できる!なんて便利な魔道具なんだ!俺は電球魔道具の明かりを調整して辺りを見渡す。そこそこ広い倉庫だな。
「ドラグ。この電球魔道具を倉庫の真ん中の上に付けてほしい。土魔法で上から固定できるか?」
「畏まりました。やってみましょう」
ドラグがフワッと宙に浮く。これは重力魔法だ。ドラグがドラゴンの姿に戻って飛ぶ時に使う魔法だ。戦いでも使うが。
重力魔法を使いながら、土魔法を駆使している。何気に難しい事をしている。多重魔法とは同時に2つの魔法、3つ魔法を使う事だ。
守護王達の中で多属性を持っている者なら誰でも使える。ドラグは重力魔法の他に火、水、土、風が使える。
なのでドラグもレイアが使う炎嵐の魔法みたいな事も出来る。だが、似てるだけであって威力などはレイアが使う炎嵐とは比べ物にならない。
ドラグの場合は右に火魔法、左に風魔法で魔法を発動させてから炎嵐を作るのだ。それはかなり繊細な魔力コントロールが必要とし、かなり難しい。それに炎嵐を作れたとしても、確かに威力は上がるが効率が悪すぎる。
レイアのユニーク【多重複合魔法】は右手で火と風の魔法を発生させる。それは溶け合うように融合し、まるで1つの魔法だったかのような火嵐に生まれ変わる。だからレイアの複合魔法は新しい魔法を作ったりもする事ができる。
2つの魔法を掛け合わせるのは、どちらも同じ力で掛け合わせるわけではない。火魔法がどれぐらいの魔力ならば、風魔法を活かせるか、その逆も然り。それにはかなりの微調整がいり、流石のドラグもそこまでは出来ない。
だからレイアの複合魔法は特別なんだよなぁ。と考えていると
「ご主人様、出来ました」
「ありがとう。いいじゃない!かなり明るくなったな」
「凄いですね!この魔道具の魔力補充はどうすればいいのですか?」
「必要ないぞ?これはそこら辺に漂っている魔素を集めるから半永久的に点いてるよ」
「そ、それはかなり高価な物ではないでしょうか…?」
うん。この世界ではかなり高価な物だとおもうよ?売れば金貨100枚はかるくするだろう。
「俺の知り合いに天才がいてな、そいつが作ったんだ。世にまだ出回ってない。まぁ誰もこの倉庫には入らんだろうから気にするな」
俺はアイテムボックスから持ってきた、マッチが詰まった木箱を出していく。
マッチの木箱は全部で20箱あるが、全て倉庫に入った。
「マリナ見てくれ」
「なんでしょうか?」
「こっちの木箱の中は10本入りで、こっちの木箱は100本入りに分けている。どちらも1万本入っている」
「なるほど。それが10箱ずつあるという事は…20万本持ってきたのですか!?」
「まぁこれだけ多かったら当分は大丈夫じゃないか?」
「まぁそうですが、多い気がしますが…」
「いいんだよ。それにマッチはかなり売れると見ている。多めで大丈夫だろう。じゃあ次に、こっちに置くのが…」
最初は様子見として買う者が多いと思うからあれだが、このマッチの有用性を分かったら爆発的に売れるだろ。それに貴族でなくても買える商品だ。20万本なんてあっという間になくなりそうだが。と俺は大樽を4つアイテムボックスから出して、マッチとは別のところに置く。
「マリナ、こっちに置いたのが下級ポーションと下級魔力ポーションだ。どっちがどっちかは開けてみればわかる」
下級ポーションは緑みたいな色だが、下級魔力ポーションは紫色をしている。
「この大樽1つで300本分のポーションが入っている」
「でもポーションと魔力ポーションは500本ずつ売るので、どちらも100本分余りますね」
「余ったら置いといてくれ。腐らないからな。それとこれが…」
俺はボトルクレートの木箱に入ったポーション瓶をアイテムボックスからだす。
「1000本分のポーション瓶だな」
「少し入れるのが大変そうですね」
大樽とはいえ、俺の身長の半分ぐらいの大きさだ。なのでマリナでも大丈夫そうだが、確かに大樽だと入れにくそうだ。
「マリナは前の店だとどうしてたんだ?」
「私は既にポーション瓶の中に、ポーションが入っている物を仕入れてましたからね。仕入れてるポーションの品質が並で銅貨2枚かかるんですよ」
「ん?でもマリナは品質並のポーション銅貨2枚で売ってなかったか?」
「はい。それは最初にお会いした時も言いましたが、迷宮から遠い私の店までわざわざ来てくれる事が嬉しいので、儲かりはしませんが、その値段で売ってました。あっでも、勿論、他の松明とかはちゃんと仕入れより高い値段で売ってましたからね!」
とことんお人好しだ。いや、優しいのだろう。だが尚更それは俺からすれば好感なんだよ。そんなんで儲かる事は出来ないと自分で気付いていながら、客の笑顔を優先したか?人の笑顔を見るのが好きとかいってたし。なんにせよ商売好きなんだな…。いや笑顔を見るのが好きで、笑顔が見れる商売が好きなのか。
「…そうか。取り敢えずポーション瓶などは一旦ここにおいて上に行こうか」
「はい!」
俺達は一旦店に戻る。とそこにリリナとエリナちゃんがいた。
「ママ!ママがいないから探してたのよ!」
「ごめんなさいね。ルークさんと地下に行ってたの。この店で売る商品を持ってきてくれたのよ」
「あっ!ルークさん!」
抱き着いてくる。最初はツンツンしてたが気を許すとリリナはかなり甘えてくる。どうやったらお兄さんに気に入られるか分かっているな?リリナできる!だが可愛いからいいのだが。俺は頭を撫でてやる。
「いつも元気だな!」
「うん!」
エリナちゃんも近付いて両手を前に出してくる。分かっていますよ?抱っこですね。
「エリナちゃんも元気にしてたか?」
「うん。スサノオは?」
「悪いな。今日は忙しくてスサノオは来れないんだ」
頭を撫でてやる。エリナちゃんはちょっと落ち込んでるなぁ。流石に純粋無垢な幼女の落ち込んだ顔は堪えるな…。
「でも明日は来れると思うぞ?」
「ほんと!?」
「あぁ。エリナちゃんが良い子にしてたら連れてくる」
「エリナいいこにしてる!」
「ならきっとスサノオは来てくれるな」
俺は抱っこ降ろす。おっと忘れるところだった。俺はアイテムボックスから女神像を取り出す。
「マリナ、あとこれを店の奥でもいいから飾っててくれ」
「これは?女神像ですか?」
「ただの女神像ではないぞ?」
「この両手に持ってる水晶の球?すごく綺麗」
「リリナも気に入ってくれたか?これはちょっとした魔道具でな。この店を守ってくれる。置いとくだけでいいからな」
「またこんな高価そうな物を…。私は一体どうすれば…。やはりルークさんは私の体目当て?こんな高価な物を押し付けて、払えないなら体で払えと言うのじゃないかしら。私には夫がいるのにといってもルークさんはそんなの関係ないと押し倒して…。あぁだめ!でもここまでしてくれているルークさんになら…。ルークさんは私の身も心も全て奪うのだわ。駄目なのに…ルークさんになら奪われてもいいと思っている私がいる。禁断の恋だわ!」
うーむ。たまにマリナがおかしくなるんだよ。まぁ今まで不安とか溜まっていたから仕方ないとはおもう。まぁそれでも不安ではなく良い方向に考えてくれているならこのままでもいいのだが。
「おーい?マリナ?何も奪わないから現実に戻ってこい!」
俺はマリナの肩を掴み軽く揺らそうとしたら
「こんな所で押し倒すのですか…。恥ずかしいですが、優しくしてください…」
「押し倒さねぇよ!つか子供の前だからやめなさい!」
「えっ…?やだ!私ったら何を!?」
ほんと大丈夫か?さすがに俺も男だから可愛いマリナに誘われたらな…。人妻だし…。燃えるが子供の前だぞ!って俺は何を考えてるんだ!?
「ママはいつも独り言でルークさんって言ってるよ?」
「ちょ!?リリナ、何を言ってるの?」
「ルークさん。ママはちょっと前から独り言をよく言うようになったの。でも最近の独り言はルークさんの事ばかりだけど、いつも楽しそうなんだよ!」
ちょっと前という事は、本当に経営が危なくなってきた頃かな?経営が危ない時は本当に、精神的に危なかったのかもしれない。恐らく暗い事ばかり呟いていたのだろう。だが今は楽しそうらしい。ならそれでもいいか。
「ちょっとリリナ!変な事言わないの!ルークさんこれは違いますからね?」
「まぁでも楽しそうならいいんじゃないか?マリナは可愛いから俺もそう言われて悪い気はしないよ」
「えっ!?可愛い?やだっ…ルークさんったら」
顔を赤くして恥ずかしがっている。まぁ色々溜まってる物があるんだろう。色々と吐き出していった方がいいだろう。むしろこれが本当のマリナかもしれない。
今まで経営が上手くいかず、この先不安しかないのに子供の前では強がって我慢し続けたのだろう。
でも今はマリナを縛る鎖はもう何もない。だから本来のマリナに戻ってきているのかもしれない。まぁこれが本来のマリナかは分からんが。
「取り敢えずこの女神像を飾っててくれ。俺は今からレナルドの店に行くから」
「ありがとうございます。また何時でも来てくださいね?」
「またね!ルークさん!」
「ばいばい」
「また来るよ」
俺はマリナ一家に言葉をかけてからマリナの店を後にする。
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