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集会とクインについて


「さぁ出来ましたよ!」


「これは…ステーキか?」


「はい!ルークさんからもらった魔物の食材の中にジャイアントマッシュという魔物がいましたので作ってみました!」


俺はてっきり何かのステーキだと思っていた。いやステーキなのだが、肉ではないステーキだ。ジャイアントマッシュのステーキらしいのだが、ぱっと見はステーキだ。だがステーキにしては香りが良いなぁ!うまそうだ!


「ジャイアントマッシュですか!」


「美味しそうですね!」


「じゃあ食べようか」


「そうですね!」


レナルドもミルハイムさんも興奮しているなぁ。ジャイアントマッシュは迷宮の階層が浅い場所に出てくるから普通に市場とかでも出回っている。高級食材でもないのでそこまで高くはない。オークの肉と同じ、そこまで高くはないが美味しい食材の1つだ。まぁそんな事は今はどうでもよくて


みんなで「いただきます」といって食べ始める。


ちなみにこの異世界でも、食事をする前にいただきますと言うのは常識らしく、これも恐らく勇者が広めたのだろう。


俺は食事用のナイフと木のフォークでキノコのステーキを切る。そして口の中へ。


…うむ。独特の食感だが、噛めば噛むほど味が出てくる。噛めば噛むほどキノコのエキスが出てくるといえばいいだろうか?そして何より香りが凄い。噛んだらキノコの香りが鼻を突き抜けてくる。味だけではなく香りまで楽しませてくれる。んー…


「美味いっ!」


「塩は合わないと思いましたので、何もつけてません。食材の本来の味を楽しもうかと」


そうなのか!確かに塩は合わなさそうだな。しかし食材の本来の味を楽しむとか元居た世界での高級レストランしか聞いた事のないセリフだ。まぁマリナも主婦だ。料理は良くするのだろう。


「えぇ。ちゃんとジャイアントマッシュ本来の味が出てると思いますよ!」


「そうですね。誰かに作ってもらう食事はやはり美味しい物ですね」


レナルドやミルハイムさんにも好評みたいだ。


「それにみんなと一緒だから美味しく感じるのだと思いますよ?」


「確かにそうだな」


マリナ良いこと言うじゃないか!そんな事を思いながら、俺達は食事を楽しむ。もちろん守護王達の分もある。セレスやリルもマリナと話したり、ドラグはミルハイムさんやレナルドと話している。


プリンもリリナと仲良くなって仲良く話しているし、スサノオは…相変わらずエリナちゃんに懐かれてる。


食事は終始楽しく終わり、俺達はトワイライト王国に戻ろうと思う。色々とやりたい事があるのだ。


「俺はまだ用事があるからまた明日くるよ」


「分かりました。お待ちしておりますね!」


「私もそろそろ店に戻らないといけませんね」


「同じく私もだ」


俺の他にミルハイムさんとレナルドも店に戻るそうだ。まぁ2人とも忙しいから長い間、店を空けれないのだろう。レナルドは今日はまだ開店してないみたいだが。


「皆さん忙しそうで心配です」


「何を言う。マリナさんだって店を開けば忙しくなりますよ?」


「そうかもしれませんね。でも少し、いえ凄く楽しみです」


ほう。楽しみか。それは良かった。


「皆さんが忙しくなればあまり会うことは出来なさそうですね」


「まぁ定期的に集会とか開きたいな。店はもう少し大きくなれば誰か雇う事もあるだろうし、その雇った者に店を任せられるなら任せて、みんなで集まりたいな。売上とか、何が売れて何が売れてないかの報告とかも聞きたいしな」


俺が拠点宝珠で仕入れた物は全く売れないと言う事はないだろう。その集会に参加した俺はただ話を聞いてるだけになるかもしれないが…。


「その集会は楽しそうですね!」


「本当ですね!」


「集会をやるならまだ先になると思う。レナルドも1人で店を回しているが、1人では手が回らなくなると思うからな」


「そうですね。塩と砂糖の対応なら1人でも何とかなりそうですが、最高級紙を売るとなると手が回らなくなるかもしれません」


「私の所は頼りになる助っ人がいますからね」


マリナはニコッとしてリリナに顔を向ける。


「ママの手伝いをいっぱいして、私も商人になるんだから!」


「ふふっ。えぇ、期待しているわ」


微笑ましい。ここにいたらずっと入れそうだが、さてそろそろ行くか。


「じゃあそろそろ行く。また明日くるよ」


「分かりました」


「ルークさんまた来てね!」


「あぁ。また来るよ」


俺はリリナの頭を撫でてあげる。頭を撫でてもらったリリナは抱き着いてくる。いつの間にこんなに懐かれたものやら。


「…スサノオ行くの?いやっ!」


「…また来る」


「いやだ!」


エリナちゃんは必至でスサノオの足にしがみついている。その行動に対して腕を組み、仁王立ちして下を見ているスサノオ。子供の扱い方下手くそかっ!だが見てて面白い。


「エリナ、わがままいっちゃ駄目よ?スサノオさんも忙しいのだから」


「そうよエリナ?私もルークさんと離れるの嫌なんだから我慢しなさい」


「…分かった」


「…偉いぞ?…次来た時はまた肩に乗せてやる」


スサノオはお風呂以外では絶対に外す事はない自分の籠手を外してエリナちゃんを撫でる。なっ…なに!?あのスサノオが…!いや…スサノオも成長するか。今は人間だし。もちろん人化してるから手は肌色だ。いやすこし日焼けしている色っぽい。ちなみにスサノオの般若のお面だけはお風呂でも絶対に外さない。


その行動にスサノオ以外の守護王達もビックリしていたが、みんな微笑ましいなと見ているだけだ。


「約束だよ!」


「…あぁ」


スサノオはゆっくり立ち上がり、俺の近くに来る。ふっ…かっこいい奴よ…。


「もういいのか?」


「…うむ。…主を待たせてすまない」


「気にするな。あとは頼んだぞマリナ?」


「はい」


俺達はマリナの道具屋から出てトワイライト王国に戻る。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺達は特に寄り道をせずにトワイライト王国に戻って来る。やはり戻ってくると


「「「「「お帰りなさいませご主人様!」」」」」


「「「お帰りなさいませルーク様!」」」


「ただいま。お前達」


メイド達とメイド長達、そしてエールの全員でお迎えをしてくる。毎回全員でお迎えしなくてもいいんだけど。まぁそれは絶対に口には出さない。これが彼女たちの仕事だからだ。


「さて、守護王達は自由行動でいいぞ。俺は執務室に行ってくる」


俺はそういうと守護王達は頷く。俺はいつもの様にエール、ルビー、シーナを連れて執務室に行く。俺の苦手な執務の仕事だが疎かにする事はできないから仕方ない。


執務室に着いて中に入るとイーリスとアルマが仕事をしていた。


「お帰りなさい主様!」


「お帰りなさいませご主人様」 


「ただいま。イーリス、アルマ」


俺は執務室の椅子に座る。


「仕事を始める前に少し話を聞きたい。ルビー、シーナ拠点宝珠には慣れたか?」


「はい。拠点宝珠で何かを買う時は慎重を心掛けています」


「拠点宝珠は国に関わる事ですから、軽い気持ちでは望めませんわ!」


いや気楽でいいんだがなぁー。まぁ少しミスしたところで、すぐにポイントは取り戻せると思う。だがエールだけは何かとんでもない事をやらかしそうだから、任せてはいない。エールの事が嫌いではない。むしろ好きだ!そこは誤解しないでくれ!


「そうか。分かった。アルマもどうだ?」


「はい。私も誇りを持って書類の仕分け等をやらせてもらってます」


そこまで誇りを持つ事か?仕事なんて誇りなどを持つより、楽しいと感じてくれた方が俺も嬉しいのだが…。俺はそこまで細かい上司じゃない。そんな小さなミスでグチグチ言わないぞ?


いや待て…。俺は王だ。俺の前だからそういう心にもない発言をしてるのかも知れない。今度誰かに頼んで聞いてみるか?王の前だと言いたい事も言えないのかもしれないし。いや流石にそれはマズいか?嫌だが配下達がどう思ってるか知りたいし…。まぁこれはいつか考えるか。


「それは俺としても嬉しいな。エールもトワイライト王国の報告をいつもありがとうな」


「いえ、それが私の仕事ですので!」


「イーリスも助かっているぞ」


「私は主様の側近ですから当然の事です」


当然の事のようにいうが尻尾はゆらゆらと揺れている。そう言われて嬉しいのだろう。尻尾は正直だ。


「さて書類を片付けるか」


「少なくとも王都から森に出掛けられて5日も経っていますから、5日分はありますよ」


「嫌な事を言わないでくれ」


「どれぐらいあるかを教えただけです。さぁやりましょう」


重い腰を上げて書類を片付ける。イーリスにこの前3分の1をやってくれとお願いした手前だ。サボる訳にはいかないんだよ。やりますかぁ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


迷宮を攻略した時と違い、5日分だけだから全て終わらす事ができた。それでも夜になってしまったが。


迷宮を攻略した時は急ぎの書類だけ終わらせたのだが、今回は本当に全て書類を片付ける事が出来た。あぁ…疲れた。俺の口から魂出てないか?


だがまたイーリスやエール達にアルマにも手伝ってもらった。時間はもう夕食を食べる時間だ。お腹もすいたし。


「終わったぁー…。やっぱり書類を溜めるのは駄目だな」


「お疲れ様です。主様」


「そうだ。この後の食事だが守護王達とみんなで夕食を食べたいのだが呼べるか?」


「大丈夫とは思いますが」


守護王達とみんなで食事するのも久しぶりな気がするし伝えたい事もあるし。


「じゃあ呼んでくれ。あとエール達やアルマも一緒にな」


「私達もですか?」


「そうだ。俺は先に風呂に行ってくる」


「お供します!」


俺は食事を食べる前にエールを連れて風呂に行く。


風呂に着いて体を洗ってからお風呂に浸かる。


「ふぅー。今日も疲れたなー」


ゆっくり風呂を楽しんでるといきなり空間が割れる。んっ!?なんだ!?…なんだクインか。ビックリした…。そしてクインが出て来て、クインの手には俺があげた掛け布団を持っている。どうしたんだ?その掛け布団をお風呂の床に敷いて、その後に異次元から白くて細長い物を持ってくる。


その白くて細長い物はクインの3分の2ぐらいの大きさで、それを平然とクインは持っている。その白くて細長い物体を掛け布団に3つ並べる。


「クイン何してるんだ?」


「ギチチ!」


「おぉ!これ卵なのか。大きいな」


タナトスがもし俺の今の言葉を聞いたら意気揚々と風呂に入ってくるだろう。


「ギチ!ギチチチ!」


「いやそれ本当に効果あるのか?」


クインが何を言ったかというと、まずこの白くて細長い物体は卵らしい。120センチぐらいはありそうだ。意外に大きい。


クインは異次元の中にいても外がどんな風景なのか把握できるらしく、凄い事に外が暑いか寒いかまで分かるのだとか。


それでこのお風呂が普段よりも暖かい場所だから卵を温めるには良い場所と思って、外に卵を出して温めようとしている。いやマジでそれ意味あるの?だがせっせとお風呂に持ってきては卵を温めるクインさん可愛いわぁ!俺が蜂に萌える時がこようとは…。


クインが言うには明日には産まれるそうだ。


俺は1時間ぐらいゆっくりしてお風呂を出る。これ以上風呂にいると上せる。


「クインもう行くぞ?」


「ギチ!」


クインはせっせと異次元に卵を戻している。俺は暑いので先に出る。俺が少し離れても、半径2キロ以内なら空間を開け閉めできるので問題ない。


俺はそのまま食堂に向かう。ちなみに俺や守護王達が食事する食堂とメイド達が食事する食堂はまた違う場所にある。俺達が食事する場所は大食堂、メイド達が食事する場所は食堂だ。


ただメイド達が食事する場所の方が大きくて、俺達が食事する場所は小さい。だが大食堂なんだよなぁ。まぁ別にどっちでもいいが。


俺とエールは大食堂に着き、中に入る。すると守護王達やルビー達も既に集まっている。


「待たせたな」


「久しぶりじゃな。我が主よ」


「…寂しかった」


「ルーシー、お前さんはぐうたらしてただけじゃろ」


「まぁでも本当に寂しかったでありんすぇ」


「俺も寂しかったぞ?」


俺は席に着く。家族サービスをしてやりたいがその前に


「取り敢えずみんな座ってくれ」


みんな席に着く。


「今日集まったのは、まぁ久しぶりだからってのもあるが、紹介したい家族がいてな」


「それはセレス達から少し聞いたのじゃ。何でもテイムしたとか」


「ワシもだ。見てみたいのう」


「私も」


「凄く珍しいと種族と聞いたでありんすぇ」


「流石は主様です!」


「あぁ、珍しい種族らしいな。クインおいで」


呼ぶとクインが出てくる。


「クイン。ここにいる者は俺と同じ家族だからな。仲良くしてくれ」


「ギチチ!」


クインは挨拶してる。やっぱ賢いよなクインって。頭を下げるなんてどこで覚えたのやら。


「ほう。これがクインか。なかなか賢そうじゃな」


「うむ。ルークの旦那の言葉を理解しておるようだ」


「凄いでありんすぇ。本当に異次元の空間から出て来なんし!暗殺の才能がありそうでありんすぇ!」


「いきなり後ろに現れると逃げようがありませんね。頼もしい家族です」


「仲良くして」


「ギチチ!」


クインを知らない守護王組がクインを見て感想を言っている。確かにクインは暗殺向きだろう。子供が生まれたらとんでもない事になりそうだ。


「大っきい蜂さんですね!」


「蜂蜜は取れるのでしょうか?」


「もし取れるなら作れる物のレパートリーが増えそうですね」


「蜂蜜はかなり高価ですからね」


最古参のメイド達とアルマが話している。話の内容は主に蜂蜜をを使った料理の事でだ。俺はそこまで考えてなかったが、確かに蜂蜜を分けてくれるのだろうか?クインが落ち着いたら聞いてみよう。拠点宝珠には蜂蜜はないから貴重なんだよ。


そしてクインの紹介が終わって、みんなで楽しく食事を始めるのであった。



読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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