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従魔登録と依頼の報酬


メルトリアが部屋を出てから数分で戻ってくる。


「お待たせしました」


「先に従魔の登録を済ませよう。メルトリア」


「はい」


メルトリアが1枚の書類を渡してくる。


「この書類に自分の名前と従魔の種族をお書きください」


「分かりました」


メルトリアから受け取った書類に俺の名前とクインの種族を書く。ふむ、なるほど。この紙に書いてある事を簡単に説明すると、俺がテイムしているクインという魔物は冒険者ギルドが従魔として認めていますよ。なのでもし冒険者がクインに攻撃を加えようするような事があれば冒険者ギルドが直接手を下すよ?


でもそのかわりに、クインが人間を襲ったら最悪クインを処分するからな?肝に銘じておけよ?だ。まぁクインなら大丈夫だろう。


「出来ましたよ」


「あとは俺がサインをする。まぁサインは普通、従魔登録所の者がするんだが、特別に俺がしてやる」


マグナスさんは書類にサインをする。あざまーすっ!


「これでよしっと。ルーク、この書類を無くすなよ?従魔を登録してる証明書みたいなもんだ」


「はい」


マリナの道具屋を買った時もそうなのだが、何かを証明する時に証明書を使う事は、この世界では非常に多い。こういう証明書を2枚書いて、お互いが厳重に保管しておくこと。それが証明の仕方なのだが…すこし証明するには心許ないというか。不正しそうな奴はいそうだな。いつか改善してほしいものだ。


「まぁだが街の中にいる魔物を攻撃する者はほとんどいないがな」


「そうなんですか?」


「あぁ。街にいる魔物はモンスターテイマーの魔物だと分かっているからな。それにテイマーの魔物を攻撃したり、殺したりすると多額の罰金があるからな。もちろんテイマーの魔物が一般人や冒険者を攻撃したり、殺したりした場合はテイマーが多額の罰金あるいは、死すらあるから気を付けろ?」


テイマーの魔物もそうだが俺自身の死があるのか!それは気を付けないとな。


「分かりました」


「次にルーク、お前と従魔に付ける装飾品だ。この装飾品を付けているならルークがモンスターテイマーだとすぐに認識される。ルークの従魔も、従魔だとすぐ認識されるだろう」


目の前に装飾品が置かれた。俺がつける装飾品は金の腕輪だ。ふむー。俺はこういうのあまり付けたくないのだが、致し方無い。ちなみに錆びない。


「その金の腕輪はモンスターテイマーの証だ。それを外に出る時はいつも付けておけ。宿にいる時は付けなくてもいいがな」


「分かりました」


「こちらが従魔用の装飾品になります」


次にメルトリアさんが持ってきたのは従魔用の装飾品だ。従魔用の装飾品は金の指輪、金の腕輪、金の首輪だ。多くないか?従魔ってこんなに身に付けないと駄目なのか?


「こんなにあるんですか?」


「これは色んな魔物がいる為、腕輪が合わなかったりするのです」


あっそういうこと。腕輪がぶかぶかだったり、逆に腕がでか過ぎて入らない魔物もいるだろう。なのでこれだけの装飾品があるみたいだ。


「そうですか。この中から選べばいいのですね?」


「はい。もしこの中から合うものがなければ、少し特殊な装飾品もあります。その特殊な装飾品も入らない場合は特注になります」


ふむ、なるほど。ちなみに特注しなければならない魔物代表はスライムだ。身に付けなければいけないのだが、確かにスライムには装飾品は無理そうだ。ならどうしているのか?聞いてみたところ帽子や仮面などで代用するらしい。もうオシャレだが、想像してみたら可愛いな。


っと、話は逸れたがクインはこの3つの装飾品でも大丈夫そうだ。んー…この中から選ぶとしたらやはり腕輪か?クインの6本ある内の前脚に付けることになるだろう。クインの前脚は人間の腕と同じぐらいの大きさだ。


「では従魔も腕輪でお願いします」


「分かりました」


「そういえばお金とか掛かるんですか?」


「いえ、お金は掛かりませんよ。ちなみに特注する場合もお金は掛かりません」


そうなのか。それは有難い事だ。俺は念の為、俺と従魔の金の腕輪を鑑定してみたが、名前はモンスターテイマーの証、従魔の腕輪と書いてたのだが、説明を見ると金で作られた腕輪とだけ書いていた。


特におかしな魔法は付与されていない。金で作られたのならお金掛かってそうだが。


「気になるか?なぜ金が掛からないのか」


「まぁ少しは」


「そうだな。簡単に言えばモンスターテイマーをやる奴なんて少ないからな。この装飾品の在庫はあるが、モンスターテイマー自体が少ないから一向に無くならなくてな」


「在庫処分みたいな事ですか?」


「そうだな。作りすぎてしまってな」


「そういう事ですか」


俺が付ける腕輪と従魔用の腕輪を受け取る。ちなみに特注にお金が掛からないのは、特注するような魔物自体少ないし、そもそも特注するような魔物ばかり従魔にする奴はいないらしい。テイマーは3匹以上テイムしている者が多く、もし従魔が死んでもいくらでも補充が出来る。だからといってスライムばかりテイムする奴はいないらしい。


スライムは戦闘面では最弱といっていいほど弱い。そんなスライムを何体もテイムしたとしても冒険者としてやっていけない。ちなみにテイムできる数は人によって変わるらしい。俺は何匹までテイムできるのだろう?これ以上テイム出来ないってのは直感で分かるらしい。俺はまだまだいけそうなのだが。


「次にランスホーネットの巣の調査と破壊だが、報酬はルークとセレスちゃんのパーティに金貨100枚ずつだ」


「Cランクの依頼にしては多すぎませんか?」


「まぁそうなんだが、巣の破壊は実質Sランク相当の依頼だからな。これぐらいは出す」


まぁ1万匹ぐらいはいたからな。そんなもんか?確かにあれがCランクの依頼だとしたら理不尽だ!って言いたくなる。金貨100枚は有難く貰っておこう。


「ありがとうございます」


「さて依頼の報告と報酬、従魔の登録は終わったな。俺の用はもうない」


「分かりました。では俺達もこれで失礼します」


「また何かあったら依頼をお願いするかもしれん」


「頻繁じゃなければ受けますよ」


「それは助かるな」


「では俺達はこれで」


頻繁ではないなら受けても良いと俺は本当に思っている。本来試験があるはずなのだが、それをギルドマスターの権限で無しにしてくれるのだ。正直試験なんて面倒くさいと思っていたからそれは助かった。俺達はギルドマスターの部屋から出て、冒険者ギルドを後にする。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺達は冒険者ギルドから出て、その足で解体屋に行く。解体屋に入って一応周りを見渡してみるが、ガロンさんはいないか。やはりあの人はいつも地下にいるのかな?と解体屋の地下に降りる。


あっいたいた。ガタイが良いからすぐわかる。俺は近付いてガロンさんに声をかける。


「ガロンさんこんにちは」


「おっ?ルークじゃねぇか!また魔物を持ってきてくれたのか?」


「はい。少し多いですが…」


「気にするな。あそこの広い場所を使っていいから出してみろ」


俺はガロンさんに言われた場所でランスホーネットの死体を出す。適当に回収してたが213匹もいる。前の迷宮攻略での魔物の数より断然多い。だがこれで偵察していた蜂だけだ。改めて数が多かったのだなと思う。欲を言えばクイーンの死体も欲しかったが、ドラグが消し炭にしたからなぁ。それに対して怒りはしないが。


「お、おいおい…こりゃランスホーネットだろ?何匹いるんだ?」


「213匹みたいですね」


「こりゃまた大仕事だな!…で?こいつの素材はどうする?」


「全て買い取ってくれませんか?」


「それはいいが…恐らくだが相場は落ちるぞ?」


まぁ分かってはいた。こんなけもってくりゃランスホーネットの素材は当分いらんだろって思うわ。ちなみに大量に蜂を出し過ぎて周りの解体屋の人達や冒険者がちらちらと見てくる。居心地わりぃー。早く解体屋から出たい。


「構いませんよ」


「ガッハッハ!分かった!引き受けた!また買取の1割をもらうがそれもいいな?」


「お願いします」


「よし分かった。数が多いからな…5日後に来い。それなら終わってるだろうな」


「分かりました。ではまた5日後に来ますね」


俺達はそう言って解体屋を後にする。さて、ようやくする事が終わったからマリナの道具屋に行ける。俺達は足早に解体屋から出てマリナの道具屋を目指す。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺達はマリナの道具屋に着いてそのまま中にはいる。久しぶりに帰って来たか。するとすぐに


「…主、待っていたぞ」


「ただいまスサノオ。どうだった?」


「…ふむ。…少し疲れたな」


鍛錬の修行で疲れる事がないあのスサノオが疲れたのか!恐るべしエリナちゃん!やはり子供は寝るまでずっと元気なのだろう。スサノオも疲れるわけだ。すると奥からマリナが出てくる。


「まぁ!ルークさん待っていましたよ!おかえりなさい!」


「あぁ。ただいまマリナ。悪いな少し遅くなってしまって」


「いいのですよ!」


挨拶をして、その次に奥から出て来たのはリリナだ。


「ママどうしたの?…あっ!ルークさん!」


走ってきて抱き着いてくる。相変わらず子供は可愛いなぁと思いながら抱っこする。初めて会った時とは態度が変わったが、ここまで甘えられるとなぁ。


「リリナ寂しくなかったか?」


「寂しくなかったよ!私はもうお姉ちゃんなんだから!」


「あらあら〜。ルークさんがいない時はいつ帰ってくるの?まだ帰ってこないの?って言ってたのにね」


「ママ!そんな事私は言ってないからね!」


意地になって言うリリナを見てみんなで笑う。最後に奥から出て来たのはエリナちゃんだ。エリナちゃんは無言で俺に近付いて来て、俺の目の前で両手を前に突き出している。ん?抱っこかな?


俺はリリナを降ろしてからエリナちゃんを抱っこする。リリナはムスッとしてもうちょっとして欲しいと顔で訴えているが、求められているならエリナちゃんにもしてやらないと。しかしスサノオに懐いてるが俺にも懐いてるのか?


「エリナちゃんも元気にしてたか?」


「うん!スサノオがいたから寂しくなかったよ!」


「それは良かったな!」


俺はそう言いながら撫でる。それを見ているプリンが少し不服そうな顔をしているので、エリナちゃんをスサノオに預けて、プリンも抱っこしてやるとプリンも満面の笑みになる。ここは平等だ。リルとセレスよ。そんな顔しても抱っこはしてやらんぞ?抱っこは子供だけだ!


さて、マリナの道具屋に来る前だがレナルドも呼んでいる。そしてレナルドにミルハイムさんを連れてこれるなら連れてきてほしいと言ってるんだよ。だからもう少しで来るはずだ。来るまでみんなと話して時間を潰しておくか。


みんなで色々と話していると、レナルドとミルハイムさんが来る。


「おかえりなさいルークさん」


「ただいまレナルド。店はどうだ?」


「問題なく順調ですよ」


「お久しぶりですルーク様」


「お久しぶりですミルハイムさん。今回呼んだのはマリナ道具屋を近々開店するのでその宣伝をしてほしいのと、ミルハイムさんも新しい商品を見たいかな?と思ったので呼びました」


「いよいよですか!新商品!?それは是非見たいですね!」


まぁそう言うと思って声をかけたのだが、正解だったな。それにミルハイムさんには宣伝もしてもらうのだ。新商品を見せてどんな物なのか詳しく見てもらって、新商品の便利さも宣伝してほしいのだ。だから声を掛けるのは決めていた。


「まずレナルドの店には最高級紙を新たに新商品として置くからな」


「分かりました」


「ミルハイムさんには宣伝してもらうお礼として塩と砂糖に加えて最高級紙も付けます」


「宣伝は頑張らせて頂きますよ」


「次にマリナ。仕入れはある程度出来たか?」


「はい!前と同じ店の商品をそれなりに仕入れてます!店の大きさの割に品数は少ないのですが大丈夫なんでしょうか?」


まぁ心配するのも無理はないが、だが客は来ると思う。いや、来ないわけがないね!


「大丈夫だと思うぞ?それと新商品だがまず1つ目はこれだ」


俺はアイテムボックスから大樽を取り出す。


「これは?中を見てもいいでしょうか?」


「あぁいいぞ」


マリナは大樽の蓋を開ける。ミルハイムさんも覗き込む。レナルドはある程度予想が出来ているから覗いてはいない。まぁレナルドには一度見せた事がある。


大樽の中は緑色の液体がキラキラと輝いている。


「これはポーション?」


「そうだ。これは下級ポーションだ。だが、ただの下級ポーションではないぞ?」


「ま、まさか…」


おっ。ミルハイムさん気付いちゃったかなぁ?そうこれは…


「そのまさかです。これは下級ポーションの最高品質です。並の品質はポーションが1週間で駄目になってしまう。品質が良質ならば1ヶ月、だが最高品質は腐らない。偽物を売ってるんじゃないのか?と鑑定されても問題ない」


「こ、これは凄いですねぇ…!」


「はい!最高品質のポーションは迷宮でしか手に入らないとされてます!ですがそれをこんなに…、それも私の店で…!」


そう言う事だマリナ!こんなの売り出したら冒険者はこぞって来るだろう?もちろん最高品質のポーションを売り出す店もあるが、何百と売り出す道具屋なんてないだろう。それに最高品質を売り出したとしても何ヶ月に一度だけだ。こちらは数日毎に売り出す予定だ。だが、これだけは言っておかないと


「内緒にしてほしいのだが、俺は最高品質を作れる。まぁこの情報は遅かれ早かれバレてしまうからいま言うがな」


「そうですね。最高品質をこんなに売り出すって事はトワイライト商会に最高品質を作れる者がいると言ってるようなものですからね。ですがルークさんが作ってるという事は墓まで持っていきましょう」


「私も同じです!」


レナルドとマリナがそう言ってくれる。やはりこの人達は信頼できる。ありがたい事だ。そしてもう1つ俺は大樽を出す。最高品質ポーションを作れると言う事は!


「…で!こっちが下級魔力ポーションだ!」


「やはりそちらもありますか!」


「私の店でこんな凄い物を扱えるのですか…!」


「この2つを置いておけば、ポーションのついでに松明や魔除けの結界等を買っていく者もいるだろう」


「そうですね。まぁポーションが無くても迷宮に近いので買いに来る者はいると思います」


俺もそう思う。だが毎日は売らない。いや売れない。


「このポーションは限定商品として売る。この商品をずっと売っていたら他の店のポーションが売れなくなるからな」


「しかも良質より最高品質は少し高いだけですからね。なら少し高くても腐らなく、良質よりも性能が良い最高品質のポーションを買いますから尚更、良質と並のポーション売れなくなってしまいます」


「だな。一応500個限定で売り出した5日後に仕入れる感じで売ろうかなって。あと、1人五個までとか」


1ヶ月が30日しかないので、1ヶ月で6回に分けて売る。1ヶ月で売るポーションは3000個だ。


1人の客が独占して買わないようにする為に、1人5個までにする。完璧だ!まぁ最初の内はもっと売ってくれとクレームが多そうだが、その内なくなるだろう。


「最初はそれでいいのではないでしょうか?」


「そうですね。もう少し仕入れを早くできそうならその都度変えていけばいいですしね」


マリナとレナルドも納得しているのか頷いている。まぁこの2人が良いと判断するなら俺はもう何も言うまい。


「まぁポーションの話はこれぐらいにして、あと1つ新商品がある。というかこれが本命だな」


「まだあるのですか!」


「楽しみですね!」


「えぇ。この年になってワクワクが止まりませんよ!」


みんな楽しみにしている。ふふ。驚くぞぉ?俺は新商品をだす。


読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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