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マリナとレナルドにお裾分け


「ルーク様!朝ですよー!」


俺はその声で起きる。誰の声かは分かる。エールだろう。そんな事を考えながら起き上がる。日本に居た時は、目覚まし時計で起こされるとかなり不快だった。


心の中で俺の睡眠を邪魔するなと思っていたが、仕事にはいかないといけない訳で。だがどうだ?こんな美女に起こされると不快とは思わないのだ。


いや、俺がこの異世界を充実しているからか?確かに日本に居た時より昨日は間違いなく働いたが、自分のやりたい事をやっているのだ。だからこんな美女に起こされてもスッと起きるのか?エールはドジだがかなりの美女だ。いや美女ではないが可愛い女の子だ。


王都でも道行く女性を見たりするのだが、こちらの世界の女性はレベルが高いが、エールの可愛さはそんな女性達よりも可愛いだろう。なによりこの体型、ボンキュッボンだ。男好きする体型だ。


顔はどちらかというと幼い顔をしているが胸はでかい。お腹も出てないし足は程よい肉付き。ムチっとしている。だからこんなかわいい娘に起こされたら不快もなく起きちゃうのだろう。


「おはようございますぅ!」


「あぁおはよう」


いつも元気な返事だ。俺は朝の挨拶をして、エールを侍らせてお風呂に入り、朝食を食べて、出かける準備をする。今日中にはランスホーネットの調査に出掛けたいなぁ。というより今日中にはランスホーネットの調査に向かう予定だ。


今回、王都についてくる者はスサノオ、リル、セレス、タナトス、プリン、ドラグだ。


タナトスはランスホーネットの魔物に興味があるとついてくるそうだ。リルとセレスは暇つぶしで、プリンは単純に俺といたいからだそうだ。ほんと可愛いやつだな!なでなでしちゃうよー!と撫でてたらリルとセレスにも催促されてしまう。


ルーシーもついてくるかな?と思ったけど、やはり歩くのが面倒くさいようだ。俺の所に来たかと思えば、なでなでをして貰い、満足したら去っていた。猫みたいだ。今回はレイアが来ない為、ゴーレム馬は使えない。馬車を買えばいいが、買っても自分の家などないし、馬小屋に預けても忘れそうだから買わない。


ドラグはいつもの理由でついてくるそうだ。スサノオはエリナちゃんとの約束があるから来ると。ちなみにララはフリージアさんに捕まって来れないそうだ。


俺は王都に行く前に念話をヴィーナに飛ばす。


『ヴィーナ聞こえるか?』


『なんでありんすかぇ?』


『またヴィーナの配下の偵察部隊を何人か送ってくれ。マリナ一家を守ってやってくれ』


『了解でありんす。わっちの部下に伝えておきんしょう』


ほんとヴィーナの配下は使いやすくて頼りになる。さてトワイライト王国でのやる事はもうないので俺達は王都へ向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


王都へ着いてまず向かうのは解体屋だ。解体長のガロンさんが言うには俺達みたいに、大量に魔物を持ってくる奴がいないなら今日には解体は終わってるだったかな?俺のアイテムボックスは恐らく無限に入るからな。プリンもそうだが。まぁとりあえず行けばわかるか。


俺達はいつも通り、外に誰かいないかを確認して物置小屋から出て、解体屋を目指す。


解体屋は王都の中央広場にあるのでそこまで遠くない。解体屋に着き、中に入るがパッと見た感じガロンさんがいないので近くの従業員?に聞く。あの人はガタイがごついからいないとすぐ分かるんだよ。


「すいません。ガロンさんは何処にいるのでしょうか?」


「解体長ならいつも地下にいるよ」


「ありがとうございます」


いつも地下にいるんだ。つまりずっと解体しているという事か。まぁ俺だけではなく、他の冒険者もアイテムバックに魔物を入れて持ってくるのだ。もちろんガロンさん以外にも解体員はいる。まぁ恐らくガロンさんは俺達の解体で手一杯だろうが。と考えながら俺達は解体屋の地下に行く。


やはり解体屋の地下はかなり広い。だが、だだっ広いわけではない。そこまで大きくない部屋から、日本の野球スタジアムよりも大きな部屋。そしてどの部屋にもには解体に使う道具なども結構置かれている。大きい魔物を吊るす、金属で出来た大きなフックや、俺の腕ぐらいある鎖の様な物まである。ちなみに俺やセレス達が持ってきた魔物は一番大きい部屋にある。


一番大きい部屋に着いて見渡すと解体屋の人達が何人もいるのだが、その中でも一際目立つ男がいる。いた!ガロンさんだ。俺はガロンさんの近くまで歩いて行き、ガロンさんを呼ぶ。


「ガロンさん!」


「ん?おぉルークか。待ってたぜ!既に解体は終わらせている。そっちのセレスちゃんの魔物達もな」


おぉ!本当に終わってるとは!流石はガロンさんだ。仕事が早いな!


「ありがとうございます!半分の肉を回収しに来ました」


「あぁ出来てるぜ!ついてきな」


俺達はガロンさんについていく。何処に行くんだろうか?ガロンさんが向かったのはこの一番大きい部屋の端にある扉だ。


こんな所に扉があったのか。何の部屋だろうか?


「すまんがここで待ってくれ」


ガロンさんが扉の中に入っていく。そして1分も経たないうちに帰ってくる。


「ガロンさん、この扉の中は何があるんですか?」


「ん?あぁ、ここは食材保管庫だ。魔物を解体して放って置くと味や品質が落ち、腐っちまうからな。ここの中には大量のアイテムバックがある。アイテムバックに入れると食材は腐らないから、解体したらすぐにこのアイテムバックに入れる。冒険者が迷宮で手に入れたアイテムバックとか売られる事があるんだが、それを買ってここで使ってる訳だ」


「なるほど」


「ちなみにお前達の魔物達はアイテムバック大に入っている。ルークのから出してやる」


俺は解体した魔物の素材等は全て冒険者ギルドに売り、食べられる食材は半分売って半分こちらで受け取る手筈になっている。ガロンはアイテムバック大から次々と肉を出してくる。半分と言ったがかなり量がある。


ちなみにアイテムバック大の口はかなり大きい。口の大きさは3メートルぐらいあるか?そのアイテムバックの中から、牛ぐらいの大きさの肉の塊も出てくる。ちなみに素材も劣化する事があるので、アイテムバックに入れるらしい。今回俺は、素材は全てギルドに売っているから無いが。


「これで全部だ。セレスちゃん達の魔物の食材も出すぞ」


ガロンさんは次々と出していく。少しだがセレス達の方が多いな。セレス達も俺達と同じで、半分の魔物の食材だけ受け取るようだ。次々と出していく食材をプリンがアイテムバックに入れる振りをしながらスライムの異次元の中に入れていく。


「こんなもんだな。しかしお前らのアイテムボックスはかなりの大きさだな!」


「まぁそれなりに大きいとは思ってます」


「ガハハ!そうか!それじゃ次は買取の金額だが…ルークの内訳はウルフの毛皮と爪、ビックボアの牙、コボルトの毛皮、ソルジャーアントの顎と甲殻、オークの牙、ジャイアントトードの舌と皮、ジャイアントマッシュの笠、ビックバードの爪と羽、ナイトバードの羽、カルウの角、ウルフリーダーの爪、牙、毛皮の数分、錬金術で使える部位等も買い取ってる。それにこれらの魔石と肉の半分だな。全て合わせて金貨500枚だが、解体の1割を引かせてもらって金貨450枚だ」


おぉ!それなりの金額になったぜ!迷宮1階から10階でこの金額なら俺は文句ないかな?いや稼げるねぇ!


「意外に高いな」


「まぁあまり出回らない魔物もいたからな」


「そうなのですか?」


「あぁ。カルウは足が早くて、中々駆け出しの冒険者では仕留められない。遠くから魔法を撃っても避けられるからな。あとはナイトバード。基本的に昼間は木の高い所で寝ている。夜になるとナイトバードが活発に動き出すが、冒険者は寝るからあまり狩られないんだよ。なのであまり出回らないから少し高めだな」


「そうですか。分かりました。その金額でいいです」


「おぅありがとうよ」


俺に金貨450枚の入った麻袋を渡してくる。重い。次にセレスにも内訳を聞かされ金貨を受け取っている。セレス達の金貨は500枚ぐらいだった。


「ガロンさんありがとうございます」


「良いって事よ。久しぶりに俺達解体屋も冒険者ギルドも稼ぎ時だとはしゃいでいたからよ。だからまた大量に持ってこいよ」


「はい!」


俺達は解体屋から出る。今の俺の手持ちの金額は金貨1350枚ぐらいあるが、1300枚は使わずにいよう。使えるのは金貨57枚、銀貨34枚、大銅貨28枚、銅貨22枚。なんか既に銀貨より下の硬貨はあまり使わない。だが俺の国もこちらの世界の通貨に合わせたいから銀貨や銅貨もある程度欲しいんだが。


未だ俺の国は円だから、こちらの通貨にしたいが、ある程度硬化を持ってないと民達が持ってるお金を全て交換するのは無理だ。


最低でも金貨は5万枚。銀貨以下の硬貨はそれ以上集めないといけないだろう。まぁ俺の国がこの世界と同じ通貨になるのはまだまだ先のようだ。俺は考えるのをやめてマリナの店に向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺達はマリナの店について中に入る。


「こんにちは」


「あらルークさん、いらっしゃい」


「あっ!ルークさん!」


リリナが走ってきて俺に抱きついてくる。あれ?客じゃない人には礼儀正しくないリリナが甘えてきただと?昨日はこんなんじゃ無かったよな?まぁ可愛いのだがいつの間に懐かれたのだ?


「リリナに何かあったのか?」


「えぇ。昨日、ルークさんは私達の上に立つ人だから迷惑かけちゃいけないわよ?とリリナとエリナに教えてたのですが、迷惑かけたら店を追い出されると思っちゃって。それにリリナが大きくなって、もしこの店を継ぐならルークさんはリリナの上になる人よ?と教えたんです」


「そういう事か」


「トワイライト商会の一番偉い人がルークさんよと言ったらこの変わりようで…」


「ルークさん、私も商人になりたい!」


そうか。リリナの態度が変わったのは、俺の機嫌を損なえば店を追い出されると思ったからと、リリナの将来は商人になりたいらしく、もし商人になれば俺が上司になると分かったから態度が変わったのだろう。子供にしては良く分かっていると言うか…。まぁ俺はそこまできにしてないのだが。俺はリリナの頭を撫でながら言う。


「そうか。いいんじゃないか?でも商人は簡単になれるもんじゃないぞ?お母さんの商人のお手伝いをして、お母さんに認められたらなってもいいんじゃないかな?」


「うん!ママの手伝いをいっぱいしてママに認めてもらう!」


「良い子だな。あとレナルドも商人だから、レナルドにも色んな話を聞くといい」


「分かった!」


日本で言えばまだ1年生ぐらいの歳だろうか?2代目マリナの道具屋の店主か。まだまだ商人としては駆け出しだが成長するのが楽しみだ。


「マリナ、お裾分けがあるぞ」


「お裾分け?」


「あぁ」


俺は解体屋で受け取った魔物の食材を渡す。食材はアイテムバックに入れれる様に細かく分けられているが、そこそこ大きい。マリナはいきなり次々と出される食材に目を大きくしている。


「えぇ!こんなにですか!?」


「まぁ食費などを援助をすると言ったからな。あとこれも」


そして俺が出したのは迷宮で出たアイテムバック(小)だ。俺は次々に出した魔物の肉を今度はアイテムバック(小)に入りきらなくなるまで収納する。


「普通に置いてたら腐るからこのアイテムバックに入れておくよ。これに入れておけば腐らないからな。まぁアイテムバック小だからそこまで入らないのだが」


正直俺が解体屋で受け取った食材は俺達のパーティ6人で食べるなら2ヶ月分の食料は普通にあるだろうという量だ。6人でそれだから、いまアイテムバック(小)に限界まで詰め込んだ食材なら、マリナ達3人家族で約1ヶ月は持つと思う。女性3人だけだからそこまで胃も大きくないだろうし。ビックバードなんて大きいのにほとんどの部位が食べれるぞ!


「な、何から何までありがとうございます…!本当にありがとうございます…!」


マリナが泣いてしまった。ちょっ!何で泣くんだよ!女性に泣かれるのは慣れてないんだよ!


「な、何で泣くんだよ!泣かないでくれ!」


「私達はこの先どうすればいいのか分からなったのに、ルークさんは私達にここまでしてくれて…」


「…だったら店を任せるぞ?俺はマリナを信じて誘ったんだからな」


「はい!任せてください!」


「私も頑張る!」


ここで2階からエリナちゃんが降りてくる。少し歩くのがまだたどたどしいが、そこがまた可愛い!


「あースサノオ!来てくれた!」


「…約束したからな」


「ありがとう!スサノオすきー!」


どうやらエリナのお気に入りになったようだ。おめでとうスサノオ。


「スサノオ、俺達はこのあとランスホーネットを退治しに行くがどうする?」


「ルークさんは冒険者なのですか?」


「そうだが言ってなかったっけ?」


「言ってないです!驚きました!」


「まぁそういう事だから、色々とやる事があるんだよ」


「我も行きたいとこだが…」


マリナは驚いて、スサノオはチラッとエリナちゃんを見ると涙目になっている。あー…こりゃ拗ねたら長いぞ?まぁランスホーネットはスサノオがいなくても何とかなるだろう。


「スサノオ、一緒にいてやれ」


「…むぅ。…そうするとしよう」


スサノオにしては珍しい反応だ!あのスサノオが押し負けているとは…!スサノオも子供が可愛いと分かったか?俺がいつもプリン達を撫でている気持ちが分かる時が来るかもしれないな!スサノオがプリン達を撫でる姿を想像したら面白いな。


「スサノオありがとうー!」


「すいません、エリナが」


「いいんだよ。じゃあ俺達は行くわ。スサノオ頼んだぞ」


俺達はマリナの道具屋から出る。レナルドの店にも立ち寄っていく。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


レナルドの店に入りレナルドを呼ぶとすぐに出てきてくれた。


「どうしたんですか?」


「レナルド、アイテムバックって持ってたか?」


「それなら最近、小ですが買いましたよ!商人には何かと必須ですからね」


「それは良かった。お裾分けだ」


ほぅ!やるではないか!レナルドにも魔物の食材を分ける。まぁレナルドは1人だからマリナ達よりも少し少なめだが全然足りるだろう。


「こんなにいいのですか!?」


「あぁ。迷宮で狩って来た魔物だ」


「ありがとうございます!」


「あとこれをマリナに渡してやってくれ」


俺は塩と砂糖1キロずつとレナルドに上げた物と同じ性能の念話の指輪をレナルドに渡す。


「はぁ。分かりましたが、何故ルークさんから渡さないのでしょうか?」


「いやさぁー…さっき魔物の食材を渡したら泣かれてさー。魔物の食材だけで泣くぐらいだから、これを渡したらどうなるかと思ってな…」


「それで私からと。まぁいいですがルークさんからと伝えますよ?」


「あぁ、それはいいよ。俺も今日から依頼で3日ぐらいは王都にいないと思うからな」


マリナの奴、塩と砂糖と念輪の指輪を渡したら直接俺にお礼を言いに来るだろなぁ。だからレナルドに渡してもらって俺はその間に王都から経つ!完璧だ!


「そうなのですか」


「あぁ。何かあったら連絡してくれ。あとマリナに念話の指輪の使い方を教えてやってくれ」


「分かりました」


「じゃ俺はもう行くわ!」


「帰ってくるのを待ってますね!」


俺達はレナルドの店から出る。さて、ようやくランスホーネットの討伐というより調査に迎えるな!話によるとランスホーネットが出た森は王都からそこまで遠くない森らしいので歩きで行く事にする。少し楽しみだ。



読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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