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魔素溜まりと魔力結晶について




「…ーク様!ルーク様!」


「…ん」


誰かが呼ぶ声で起きた。俺を呼んでいたのはエールだ。昨日寝るのが遅かったので、まだ寝たいのだが起きるか。正直、俺が今日1日寝たいと言ったら、みんな許してくれるだろう。


イーリスは少し手ごわいが、俺の得意な頭を撫でる攻撃でイチコロだろう。つまり俺がその気になれば何でも許されるという事なんだが、だからこそ俺が怠惰になってしまえば、誰も手を付けられない事が分っているからやる事はやる。


「やっと起きましたかぁ?今日は朝から王都に行くんですよね?」


「ふぁ〜…もうそんな時間か。…そうだったな。お風呂に行く」


「はい!お供しますぅ!」


俺は眠い目をを擦ってお風呂に行く。昨日は入らずに寝てしまった。1日程度ではさほど気持ち悪くないのだが、王都に行くから体は綺麗にしておきたい。


トワイライト城の大浴場に着く。エールが近くにいるが、気にせず服を脱いで裸になり大浴場に入る。エールはちらちらと見ているが、まぁいつもの事だしあまり気にしてない。なれって怖いよねぇ。


大浴場に入り、体を洗い、ようやくお風呂に浸かる事が出来た。


「あぁ〜生き返る」


ようやく頭が働くようになってきた。確か、この後はレナルドさんに会いに行かなければならないんだよ。塩と砂糖もついでに持っていくか。


迷宮攻略中に一度、塩と砂糖が少なくなってきてるからと連絡が来た。なのでヴィーナの配下に頼んで、持っていって貰ったのだが、恐らくその分がまだ残っているだろう。だがまぁ多いに越した事はないだろう。俺は念話を使ってイーリスに繋げる。


『イーリス聞こえるか?』


『はい、何でしょうか?』


『あとでレナルドさんの所に行く。塩と砂糖を150キロずつ用意して、それを大樽に入れてくれ。大樽がないならまた作ってほしいんだが』


『分かりました。用意しときます』


イーリスって疑問を持たない完璧主義なんだよ。いや完璧主義ではなくて完璧か。大樽の大きさも特に聞かないし。出来る側近だ。あと可愛い。俺は次に守護王達全員に念話を繋げる。


『あとでレナルドさんのお店に行く。ついてきたい者は俺に言ってくれ。ちなみに冒険ではなくお話するだけだからな』


そう言うとすぐに念話が返ってくる。なるほど。この人数か。まぁ大丈夫だろう。俺は風呂から出て、朝食を食べてからレイアに会いに行く。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


朝食を食べ終わったのでレイアに会いに行く。レイアは北西エリアにある、研究所にいるらしいので、そこまで時間は掛からないから歩いていく。ちなみにエールは執務室で待っていてもらう。


おっとここだ。外見はタナトスの大きな家と違ってかなり小さい。いや家じゃないな。周りの家と比べてかなり異様な形。それは搭の様な形をしている家?だが、大きく聳え立つ搭ではなく、物置小屋みたいな小さな搭だ。それが2つ並んでいる。もちろん扉もある。ここがレイアの研究所の入り口なのだ。


俺も場所や家?の形は知っていたのだが、実際研究所に入るのは初めてだ。俺は左右にある塔の内、左の小さな搭の中に入る。搭の中は外見通り円形の部屋?みたいだが、何もない空間が広がっている。何だここは?窓もなければ、地下に行く階段もない。上に魔法の明かりが取り付けられているだけだ。


レイアの研究所はタナトスの研究所と同じく地下にあるはずなんだが、何処から行けばいいのやら。というかなぜ研究所って地下に作りたいのだろう?まぁ危険な研究があるから事故が起こった時、周りに被害が及ばないように地下に作っているのかもしれないが。取り敢えず部屋の真ん中まで行ってみるか。俺は部屋の真ん中まで歩いてみる。


ふむ。部屋の真ん中あたりの地面は灰色っぽいのだが、その地面に黒で何かの模様が描かれている。俺は歩きながらその模様を観察する。うーむ…模様というか何かのシルエット?ここの黒い線がこうきて、この黒い線がこうなって、この黒い線は光って。……光って?えっ!?さっきまで光ってなかったのに急に?俺は周りを見てみるといつの間にか、その部屋の真ん中に来ていた。


「真ん中に来ると発動するギミックか!」


なんか変なトラップを踏んでしまったか?俺は急いでその場を離れようとしたが、次の瞬間地面が揺れる。


「うおっ!?」


地震か?いや違うここだけ揺れているのだ!大きな揺れではない。少し揺れている程度だが、早めにここから離れよう、と思っていたのだが、また一歩遅かった。周りの景色が急に真っ暗になる。そして転移装置ほどではないが、浮遊感が。俺はこの感覚を知っている!俺は上を見上げた。


「やっぱり。これはエレベーターだ!あの黒い模様の場所は地面ではなく台座だったのか!ははっ…レイアはなんて物を作っているんだ?」


レイアの奴、魔法でエレベーターを再現しやがった。しかし一体どうやっているんだ?と考えていたら地下?研究所?に着いたようだ。俺は台座から降りると、その台座は上に戻っていく。しかしここが研究所だったらレイアはどこにいるのだろうか?


研究所の中を歩いていると研究員らしきレイアの部下が俺を見つけて頭を下げてくる。


「これはルーク陛下!どうしてこのような場所に!?」


「すまない。レイアに用事があってこちらから出向いたのだが」


「そうでしたか!私がレイア様の下まで案内いたします」


研究所の中を案内される。研究所の中は魔道具開発所と錬金術研究所、魔法・魔術・複合魔法研究所に分かれてる。今レイアは錬金術研究所にいるらしい。錬金術研究所の前に着くと


「少し待ってはいただけませんか?レイア様が研究に集中していると声が届かない場合があります。この前は声をかけすぎて怒られましたからねー」


アハハと笑うレイアの部下。レイアにはそういう一面があるのか。少し意外だ。


「分かった」


「ありがとうございます。では少しお待ちを」


レイアの部下は錬金術研究所の中に入っていく。少し待つと研究所が中から出てくる。


「いま、中に入っても大丈夫そうですのでどうぞ」


俺は中に入る。錬金術研究所の中は錬金釜とか色が付いた薬などが置かれている。少し散らかっているその部屋にレイアはいて、こちらに気が付いて寄ってくる。


「主よ!すまぬなぁ。ここまで来てもらって。声をかけてくれれば妾から出向いたものを」


「いやいいんだよ。それよりあの勝手に動く台座はなんだ?どうやって動いているんだ?」


「あぁあれか。すごいじゃろ!天使達の為に、空に島を作る計画なんじゃが、だいぶ目処がってたってきてのぅ!それがあの浮く台座じゃ!あの浮く台座に使われている鉱石が肝なんじゃが」


「あぁ!すごいなぁ!…で、結局あれは何の鉱石が使われているんだ?」


「それはのぅ…ずばり重力結晶じゃ!」


重力結晶?聞いた事がない結晶だが、名前からして重力の力が結晶の中に入っているのではないか?しかしこの世界に来てそこまで時間が経っていない。レイアも一緒に迷宮を攻略していたし、迷宮でそんな石を見つけたらすぐに俺に言ってくるだろう。つまり迷宮で見つけた物ではないのこ。


「重力結晶?迷宮で見つけた物ではないのだろう?効果とかも教えてもらえると助かるんだが」


鑑定を使ったら効果とか見れそうだが、レイアに教えてもらう方が詳しそうだ。


「いいじゃろう!これは迷宮で見つけた物ではない。これは妾が作った結晶じゃな!魔力結晶と言う」


この世界には魔素が濃い場所、魔素溜まりという場所がある。なぜその場所だけ魔素が濃いのか、濃くなるのかは、いまだに判明していない。魔素がだんだん濃くなっていくと、その魔素の濃い中心に結晶が生まれてしまう。これを魔力結晶というのだが、この魔力結晶は成長する事が出来る。では何を糧に成長するかと言うと、それは濃密な魔力だ。


魔素というのは魔力をさらに細かく原子化した物質だ。人間や魔物には産まれながら魔力を持っている。まぁ簡単に言えば、魔素をいっぱい固めた物を魔力と考えていい。魔法で魔力を消費したとしても時間が経てば魔力が回復しているのは、空気中の魔素を取り込んで魔力を回復しているからである。


魔素が濃い場所では、強力な魔物が縄張りにする事がある。その強力な魔物や濃い魔素につられてやってくる魔物の魔力を、少しずつ魔力結晶は吸い取って成長しているのだ。だが先程も言った通り、魔力が少し無くなったとしても空気中の魔素を取り込めば魔力は回復するのだ。それも魔力結晶の近くの場所では、濃い魔素が漂う場所なので普通よりも魔力の回復スピードが早い。


しかも、強力な魔物や近寄ってくる魔物の魔力を吸って成長していると言ったが、どういう訳か、吸収しすぎた余剰分の魔力を魔素に変換して、魔力結晶が濃い魔素を垂れ流し続けている状態になっている。


魔力を吸う量は魔物に害が及ばないギリギリの量を吸い、吸いすぎた余剰分の魔力を魔素に変換して、魔素を垂れ流す量は魔力結晶の成長の妨げにならない量を変換している。まるでそれを本能的に理解しているかの様に。


つまり濃い魔素の場所では魔力結晶が生成され、濃い魔素のせいで強力な魔物を呼び寄せ、その強力な魔物の魔力を、魔力結晶が吸い取り成長、魔物から魔力を吸い取ったとしても、その場所は濃い魔素で普通よりも早いスピードで魔力を回復する魔物、魔力結晶が魔力を吸い取りすぎた余剰分を魔素に変換して、魔物を引き寄せると悪循環が出来上がっているのだ。


ちなみに魔物の魔力を吸い取る範囲は結構広いので、魔力を吸い取る範囲内ならば問答無用で魔力を吸い取られる。


そんな魔力結晶を自ら作ったとレイアは言うのだ。ちなみにフリージアさんと会った時に魔法の事などを教えてもらったのだが、その話をレイアにもしているから魔素溜まりの事も知っている。その上で考察した結果が今の話で、その考察を実際に実験してみて出来たのが、人工的に作った魔力結晶なのだ。


「いや難しすぎて分からん!つまりなんだ、濃い魔力があれば魔力結晶が作れるって事か?」


「簡単に言ってしまえばそう言う事じゃ!魔素が一定量集まれば魔力なるのじゃが、そこで疑問が生じたのじゃ。魔素が一定量集まって魔力になるのは人間や魔物での話じゃ。魔力を消費した人間や魔物が空気中の魔素を取り込み、体内で一定量集まるから魔力になるのじゃ。だとしたら濃い魔素が発生している場所で、魔物などが一切いなかった場合はどうじゃ?」


魔素が一定量集まれば魔力なるが、それは人間や魔物での話だ。もし人間や魔物がいない場所で魔素が一定量集まれば…まさか


「それってまさか…」


「そうじゃ。それが魔力結晶となるのじゃ!と妾は思っている。じゃがなぜ急に魔素が濃くなるのかは、妾にもまだ分かっておらぬ。いきなり魔素溜まりが出来るなんてそんな事はありえんからのぅ。まぁそれは良いとしてじゃ。人間や魔物がいない場所で魔素が固まれば魔力結晶になるのじゃが、その逆はどうなのじゃ?と思ったのじゃ」


「逆?」


「うむ。魔素から魔力結晶が出来るのであれば、魔力から魔力結晶が作れるのかと思ったのじゃ。そうして出来た技が<魔力分解>じゃ。まぁこれはスキルじゃないのじゃ。そこまで難しい事でもない。魔力操作をしながら魔力を放出する。その時に、魔力を原子レベルぐらいに小さくするイメージをするのじゃ。魔力や魔法はイメージが大事じゃ。魔力と言うのは手足みたいなもんじゃからのぅ」


レイアはさらっとそんな事を言っているが、実際簡単なわけがない。原子レベルぐらいに小さくするって言葉では分かるよ?だがそんなのイメージ出来るわけがねぇよ!恐らく魔法の神であり、魔神王であるレイアだからこそ簡単なのだろう。魔力を原子レベルに小さくするってレイア以外にどれだけの者が出来るだろうか?イーリスや守護王達の中でもできない者もいると思う。


「ちなみにこれは密閉空間の部屋でやっているのじゃ。息を吸わなければ魔素を吸う事はない。魔力を原子レベルの魔素にしながら放出して、一応息を止めて風魔法で魔力を分解した魔素を1カ所に纏めて、魔力結晶が出来るスピードを上げる。正直息を止めなくても風魔法で何とかなったかもしれんが。とまぁこんなやり方で魔素を放出し続けた結果、魔力結晶が出来たというわけじゃ」


いやだからそうやってさらっと説明しているけどめちゃくちゃ難しい事をやっている!正直全て理解は出来てないと思う俺。流石天才。


「1つ気になるのだが、魔力結晶ってのは、周りの魔力を吸い取り成長するのだろう?そんなの作って大丈夫なのか?」


「その事なんじゃが、どうもよく分からないのじゃ。妾が作った魔力結晶は魔力を蓄える事は出来るが、魔力を吸収なんてせんのじゃ。人工的に作ったからなのか、それともまた別のなにかの要因なのか…。寧ろ妾が作った魔力結晶こそが、本来の魔力結晶の役割なのではないか?」


つまりフリージアさんから聞かされた魔力結晶とは似ても似つかない性能の魔力結晶だという事だ。レイアは自分が作った魔力結晶こそ本来の魔力結晶の在り方ではないか?と言っている。もしかしたら、これは魔力結晶ではないのかもしれないが…。いやレイアが言うのだから、これは魔力結晶なのだろう。


「まぁそれは後々調べるとして、この魔力結晶を使って色々実験したら分かった事もあったのじゃ」


「分かった事って?」


「迷宮でトールから水結晶の欠片となる物を受け取ったじゃろ?」


「あぁ、あったなぁそんな物。確か水の力を少し含んだ結晶だったか?」


「そうじゃ。あれは水結晶と書いてるが、実際は魔力結晶の欠片じゃ」


えっ!?まじかよ!確かに結晶同士だと思っていたが、ここで繋がるのか。


「まじかよ…」


「マジじゃ。妾が作った魔力結晶は魔力を蓄え、貯蓄するだけかとおもったのじゃ。魔力結晶には魔力を蓄える量には限度があり、それ以上の魔力を注ぎ続けると、余剰分の魔力は魔素に変換されているのじゃ」


なるほど。余剰分の魔力は魔素に変換されるところは、フリージアさんから聞いた魔力結晶の特徴と一致しているな。


「逆に、この魔力結晶を手に取り、魔力を吸い取るイメージをすれば魔力が回復出来るのじゃ!要は蓄えた魔力を自分に還元できるのじゃ!逆に流し込むイメージならこの魔力結晶に魔力を流し込む事ができるのじゃ!」


「なるほど」


それはそれで便利なのではないか?魔力を使い過ぎた時の緊急用とかに?


「とまぁ、妾が作った魔力結晶はこの様な性質なのじゃ。…で、あの水結晶の欠片なのじゃが、あれは魔力結晶が水の近く、または水の中で魔素に触れてたか、無意識に水の近くで魔素を蓄え続けた結果、水の力を含んだ魔力結晶、水結晶になったのではないか。そしてトールが持ってきたのはその水結晶の欠片じゃと思うがのぅ」


魔力というのは属性変換できる。例えば火の魔法を唱える時、魔力を火の魔力に変換しなければならない。つまり魔素も属性変換されているというか、火の性質が強い魔素があるのではないか?という事かな?


「じゃあ火の近くで魔力結晶の欠片が魔素を蓄え続ければ火結晶になるのか?」


「火の近くで魔素を蓄え続ければ火結晶になるというのはまだ妾には分からん。火や水の魔力は属性変換しなければならない。この考えでいくと魔素も同じじゃろ。つまり魔素や魔力に水の力が含まれているのではなく、()()()()()()が水の力の性質を持ったと言ったほうがいいかのぉ?」


ふむ。難しいな。この世界に火の魔素や水の魔素があるか分からない。火の魔法を使う時に、人や魔物は産まれながら魔力の性質変化を持っている。その性質変化を利用して魔力を火にしたり水にしたり出来るのだ。


故に人はどの属性も使えることが出来る。ただ、得意不得意というものは誰しもがあり、それを分かりやすく例えたのが適性なのだ。つまり火の魔素や水の魔素なんてもの恐らくないし、天然の火の魔力や水の魔力なんてものも恐らくない。断言できないのは俺がまだこの世界について知らない事が多すぎるからだ。


だから魔力結晶が火や水の結晶に変わっているのは、火の魔素が〜とか、水の魔力が〜とかではなく、魔力結晶自体が火や水の性質を持ったからではないのかという事だ。


「そしてその結論に至った妾は、魔力結晶に重力の性質を含ませて作ったのが重力結晶じゃ!重力の魔力を魔力結晶に蓄え続けたり、重力空間に魔力結晶を置いてみたりと色々と実験してたら出来たのじゃ!」


やはり天才だった。まぁ何となくだが理解したが、全部は理解できてない。


「なるほど。だがあの台座に使われている重力結晶ってかなりでかくないか?」


「そうじゃ。あの大きさを作るのは苦労したが、作ってから気付いたのじゃ。もっと簡単に、あの大きさの重力結晶を作れる事にじゃ!くぅー…もっと早く気付けば時間が無駄にならなかったのに…」


そんな方法があるのか…。魔素が濃い場所で生成される魔力結晶は小粒程度だ。大きくても拳ぐらいなのだが、あの台座に使われている重力結晶は文字通り大量だ。人が10人軽く乗れる台座が動いているのだ。


「あんだけの重力結晶はどうしたんだ?」


「量産したんじゃよ。作り方が分かれば簡単じゃ。妾の配下にも【魔力自動回復】を持っている者がいるからのぅ。そしてその量産した結晶をトールの金魔法で1つにしたのじゃ!結晶じゃが鉱石と同じ扱いじゃったな。それとあの台座の重力結晶じゃが、妾の魔力を全て注げるぐらいには蓄える事が出来る。それだけで30年ぐらいは、あの台座は動き続けるぞ?あれに魔力を入れるのもそこまで時間は掛からなかったしのぅ。ちなみにあの重力結晶に術式を刻んでおるのじゃ。説明は面倒くさいから省くのじゃが台座の真ん中に乗れば「上昇」や「下降」、あとは「魔力放出」みたいなのを刻んでおるのじゃ」


なるほど。だから俺が台座の真ん中に立つとあれが起動したのか。しっかしあれだけで30年は勝手に動き続けるのか。エレベーターよりこっちのが凄くね?…いや、エレベーターを見慣れてしまったからそう言えるのか?もしエレベーターを知らない人からすればどちらもすごいと絶賛するだろう。


あと魔力放出の術式だが一気に放出するのではなく、放出する量は調整されている。放出する量を多すぎるとエレベーターのスピードは立ってられないぐらいのスピードになるとか。なので、放出する量を少なくして、ゆっくり動かしているのだとか。


その上であの重力結晶は30年動くのだ。魔力結晶は魔力を蓄える機能があるから、放出の術式で魔力垂れ流しているという事だ。「上昇」「下降」「魔力放出」と3つの術式しかレイアは言ってないが、実際はもっと細かい術式を刻んでいるのだとか。


ちなみに「魔力放出」だけの術式を組むと、重力結晶に魔力が入っていれば空気中に浮いて漂う結晶になるらしい。そこら辺に結晶が漂っているので非常に邪魔だとの事だ。いややったのかよ。


俺は改めてレイアの偉大さを知ったのだった。



実はまだ魔力結晶の半分ぐらいは謎に包まれた状態。魔力結晶と言われているが根本的から違う事があるのだが、それを理解する時はもう少し先になる。


魔力結晶と魔石の違い


・魔力結晶


濃い魔素が集まって出来るのが魔力結晶。魔物から魔力を吸い取り、余剰分の魔力は魔素に変換し成長し続ける。魔力結晶が壊されたりすると魔力吸収、成長の機能は失い、魔力を蓄え続けるとだけの結晶になる。魔力を限界以上に注ぐと魔力は魔素に変換されて放出されている。その溜め込んだ魔力は人間へと還元する事が出来る。魔力が無くなった時は手っ取り早く魔力補給できる。これが冒険者や、魔力結晶を研究している者達の一般的な考え方である。


魔素溜まりの魔力結晶を壊すと、そういう機能になると言われているが、レイアが作った魔力結晶は、魔物等周りから魔力吸収する事はなく、元から魔力結晶が壊された時と同じ性質の結晶だ。また、火や水の近くにいたからなのか、火や水の近くで魔素を無意識に取り込んでいたからなのか分からないが、魔力結晶が火や水の性質をもったの結晶になるとレイアは考えている。


ちなみに魔力を使っても放って置けば回復するのは、人間が呼吸と同時に魔素を取り込み、魔力に変換しているからである。これは人間全て(獣人等などの異種族も含む)に与えられた機能。


・魔石


魔物の体内に必ずある石。魔石は人間で言う心臓と同じ役割をしている。そして空気中の魔素を取り込み魔力に変換する役割も持っている。人間みたいに魔素を取り込み魔力に変換出来ないので魔石という物で補っている。見た目は丸くて赤黒い形をしている。魔石には1つ1つ名前がある。ゴブリンならゴブリンの魔石、ウルフならウルフの魔石、ホブゴブリンならホブゴブリンの魔石みたいに。ちなみに迷宮の魔石は多面体の球体っぽい魔石である。迷宮の魔石なら、ゴブリンなら迷宮ゴブリンの魔石、迷宮ウルフの魔石となる。


弱い魔物の魔石は名前は違えど、大きさはほとんど一緒なので魔石(小)と纒められている。それは強い魔物も一緒で、魔石(中)魔石(大)魔石(特大)と別けられている。中には火の力を強く持った強力な魔物や、水の力を強く持った強力な魔物が落とす属性の魔石もありかなり高価だ。


属性魔石は主に○魔石と言われている。


属性の魔石は強力な魔物しか持ってないので魔石(大)以上しかない。ちなみにその属性魔石を粉末状にして武器を作る時に一緒に使うとその武器に属性が付与される。普通の魔石(特大)を丸々使った杖も、その魔石を触媒にして魔法の威力をかなり高める事が出来るので貴重だ。また、魔力操作等も補助してくれるので魔道士には必須だとか。魔石というのはかなり用途があるので小さくても売れる。


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― 新着の感想 ―
[一言] ここまで読んだ感想。説明がこの後の伏線になるならまだしも、なんの回収もされないのに説明が長い。まあ伏線回収だとしても長すぎるが、ここは説明を簡略化させて伏線回収時に説明加えれば読者も読むのを…
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