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素材置き場の地下


俺達は地下10階層まで攻略してテレポストーンで地上に戻ってくる。久しぶりの地上だ!と思っていたが、明らかに冒険者ギルドの奥の転移装置ではない事が分かる。


テレポストーンで移動した場所は少し広めの円形の空間で、その真ん中にギルドの奥にある転移装置と似た物がある。壁というか、周りは洞窟っぽい感じで、その場所に無理やり転移装置を置いてる様な感じだ。


そしてボス部屋にあった大きな扉ほどではないが、そこそこ大きな扉がある。その扉は既に開いていて、そのすぐ先に、かなり広い空間がここからでも見える。


とりあえずその広い空間に出てみるか。しかし、なんか間違えたのか?ちゃんと地上といったはずだがな。


その広い空間は洞窟なのだが、人の手が加わり、洞窟っぽくない洞窟といえばいいだろうか。かなり明るいし、洞窟の壁みたいにゴツゴツしていない。その広い空間には、何人かの人が見える。だがここがどこだか分からない。俺達が辺りをキョロキョロしていると


「おいお前達。ここに来るのは初めてだな?」


1人のガタイが良い男が話しかけてくる。体でけぇ!マッチョだ。


「はい。初めてです」


「お前達は地上に戻ってきたが、間違えたのか?と思ってるだろう?」


「ど、どうしてそれを?」


「がっはっはっ!無理もねぇ!迷宮に行く転移装置はギルドの中にあるが、地上に帰る場合の転移装置はここなんだよ」


そうなのか。いやだが、何故ここに帰還の転移装置が置いているのだ?別に同じ場所でもいいと思うのだが。


「そうだったんですか。で、ここは何処なんですか?」


「ここは冒険者ギルドの横にある建物、素材置き場兼解体屋の地下だ。そしてこの俺が解体長ガロンだ!」


腕を組みながらニカッとしている。漫画とかならガロンさんの後ろにデカデカとドンッ!!って書かれているだろうな。それにしてもここは解体屋なのか。


「ガロンさんですか。俺はルークと言います。でも何故、地上の転移装置がここ何ですか?」


「そりゃおめぇ迷宮に行くんだ。素材をたんまりと持って帰ってくるだろ?ギルドカウンターじゃ置けないぐらいのな。特にアイテムバック(中)以上を持っているベテラン冒険者などはかなり素材を持って帰ってくる。冒険者ギルドに戻されても、いちいちこっちに素材を持ってくるの面倒だろ?だから直接、解体屋の地下の近くに地上転移装置を設けたという訳だな」


そういう事か。確かにそう考えれば不思議ではない。俺もかなり素材を持って帰ってきたしな


「なるほど。便利ですね!」


「だろ?ところでお前ら見た所、素材を持ってないがアイテムバック持ちか?」


「まぁ似たようなもんです。少し多いですが大丈夫ですか?」


本当はアイテムボックスだが、あまりアイテムボックスと言わない方がいいのは大体分かってるからな。それに、ここはガロンさん以外にも人がいる。アイテムボックスを持ってるとあまり知られたくない。


「おういいぞ」


「では…」


俺はアイテムボックスから解体してない魔物を次々だす。いやぁー…かなり溜め込んだな。


「…おいおいちょっと待て!お前は勇者かなんかか?」


「いえ違いますけど」


「解体せずにこんな大量の魔物を出すなんて勇者かSSSランク冒険者ぐらいだぞ?お前アイテムボックス持ちだろ?」


やっぱりバレたか。まぁそうだろうな。そもそもアイテムバックはカバンみたいなものだ。それを持ってなくて、これだけの量の魔物を出すのはアイテムボックスが無いと無理だ。まぁ隠しておきたいが、ガロンさんにはバレるだろうとは思っていたから気にしない。


「まぁそうですが、あまり大きな声で言わないでください」


「あぁ、すまない。アイテムボックスはかなり貴重な古代の遺産(アーティファクト)だからな。とはいっても、SSSランクの冒険者のアイテムボックスは確か、小さな四角の箱のようなもんだったけどな。それに入る量も限度があったな。お前さんのはどこから出したかさえも分からんし、まだまだ入りそうだな」


へぇー、SSSランクの冒険者が使うアイテムボックスには、入る量に限度があるのか。それに四角い箱の様な物だと。それは見てみたいな。


「そうなんですか。まぁ俺のアイテムボックスは親の形見ですが」


「そうなのか。さぞかなり腕の立つ人だったんだろうな。…話を遮って済まない。全部出してくれ」


「分かりました」


適当な嘘をついてやり過ごし、俺は全ての魔物をアイテムボックスから出す。


・ウルフ28匹

・ビックボア8匹

・コボルト22匹

・ソルジャーアント25匹

・オーク18匹

・ジャイアントトード7匹

・ジャイアントマッシュ9匹

・ビックバード12匹

・ナイトバード5匹

・カルウ6匹

・ウルフリーダー1匹


広大な平原エリアにはいろんな魔物がいた。ソルジャーアントは日本で例えるなら、牛ぐらいの大きい蟻だ。ジャイアントトードは湖や川の近くに生息している蛙で、たまに平原に出てくる事がある。


ジャイアントマッシュは俺が森に魔力茸を採取した時に出てきた茸の魔物だ。そしてカルウは見た目が鹿みたいな魔物だ。襲われると基本逃げるが、逃げれないなら突進してくる。


ちなみにゴブリンやスライムが含まれていないのはゴブリンは金にならないから回収はしてない。スライムは倒すと消えてしまうからだ。まぁスライムゼリーという素材もあるらしいのだが。オークも地下9階層から出てきたな。


平原エリアにはもっと色んな魔物がいそうだが、会ったのはこれくらいだ。


「随分出したようだな。これは全て解体でいいのか?」


「はい。魔物から取れる素材は全て冒険者ギルドに売ります。ただ、食べれる食材の半分はこっちに回して欲しいです。残りの半分は冒険者ギルドに売ります」


「こりゃ大仕事だな!久しぶりに忙しくなりそうだ!」


腕を回してやる気に満ち溢れているが、次の俺の言葉でガロンの顔は引き攣った顔になる。例えるならば「ちょっと待てて…って事はまさか…」みたいな顔だ。


「俺達のパーティは以上です」


「俺達のパーティ…?」


「次は私達のパーティが出す分ですね。プリンちゃん、少し離れたところに全て出して」


「はいなのです!」


プリンは俺みたいにアイテムボックスから出す振りをして、異次元から次々と魔物を出す。セレス達のパーティは俺達よりも少し多い。たぶんタナトスが魔物の研究と言って多く狩ってたんだろう。


「お、おめぇら…一体何もんだ…」


「ただの冒険者ですよ」


「抜かせ!まぁいい。これで全てだな?」


「えぇ。私達もルークさんと同じく素材は全て売りますが、食材の半分はこちらで受け取ります。あとの半分は冒険者ギルドに」


「こりゃ忙しいどころじゃないな!稼ぎ時だな!」


引き攣った顔をしていたのだが、だがその顔はすぐにやる気に満ち溢れた顔になる。解体屋というのは冒険者が持ち帰った魔物を冒険者の代わりに解体するから解体屋なのだ。


つまり逆を言えば、冒険者が持ち帰ってくる素材が全て解体されていたら解体屋の出番はないという事だ。解体屋は冒険者の代わりに解体をして、その解体した素材を売った売上の1割を貰って生計を立てている。


ガロンにとってこれ程までの大量の魔物は確かに顔を引き攣るレベルなのだが、逆に言えば稼ぎ時でもある。さらに大量の魔物を持ち込む事はなにも解体屋だけでなく、冒険者ギルドにとってもかなり嬉しい事なのだ。


冒険者が持ってきたいらない素材は全て冒険者ギルドが買い取る。そしてその素材を色々な商会、または鍛冶屋などに卸すのだ。素材を買い取った商会は違う国に持っていって、迷宮産の素材をそこで売り捌く。鍛冶屋は買い取った素材で冒険者の武器や防具を作る。そして冒険者達はより強く、より便利な装備を身に着けて強くなる。


冒険者が強くなるという事は、それ即ち国を外敵(魔物等)から守る屈強な戦士になるという事だ。1人1人の質を高めれば、国にとって脅威になる事があったとしても、冒険者ギルドに難しい依頼があったとしても、対応しやすくなる。冒険者が強くなるという事は国にとっても冒険者ギルドにとってもありがたい事なのだ。


だから冒険者が大量に魔物の素材を持ってくる事は顔が引き攣ってしまうが、全ての過程に対して喜ばしい事なのだ。


「2人共、解体は売上の1割をこちらで頂くが話は聞いてるか?」


「えぇ、聞いてます。それで結構ですよ」


「私達もそれで大丈夫よ」


「了解だ!この量だ。解体には時間がかかるが…そうだな。2日後に来てくれ」


「2日で終わるのですか?」


「お前らみたいに大量で魔物を持ってくる奴がいなければ2日後で十分だ」


「分かりました。2日後に来ます」


「おぅ!また来い!」


魔物を出し過ぎたから少し目立っている。早くここから離れたいんだよ。俺達は足早に地下素材置き場から地上に出て冒険者ギルドに向かう。


ちなみにセレス達がとってきた魔物の素材が売れたお金は、全てセレス達に渡す事になっている。最初は俺に渡すと言ってきたのだが、それは悪いし、何より王都に当分拠点を置くんだ。何かあった為にお金を持ってたほうが良いと言ってある。


なので売れたお金はセレス達皆で、6等分で分けるとの事だ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺達は冒険者ギルドに入り、ミーシャの受付に並ぶ。時間的にはまだお昼にはなってないか?冒険者ギルドにまだちらほらと冒険者達がいる。おっようやく俺達の番か。


「ようこそ冒険者ギルドへ!お久しぶりですルーク様っ!ゴブリンとウルフを狩る為にかなり長い間迷宮に入ってたようで、もう帰ってこないかと思いましたよ!」


少し棘のある言い方だな。ゴブリンとウルフ狩る為に時間かかりすぎじゃね?と聞こえる。いや、このミーシャの笑顔はそんな事は思ってないだろうな。俺が捻くれすぎているからだろう。


「あぁ悪い。少し長居しすぎたようだな」


迷宮に入って約1ヶ月だ。それもゴブリンやウルフの討伐にだ。そりゃ普通ならば心配…と言うかアイツ死んだんじゃね?って思うはずだ。


いやそもそもウルフは5階層から出てくるし、俺達は迷宮初めてだ。かなり迷宮は広いし、1ヶ月掛かるのはなんら不思議ではないか。やはり俺が捻くれていただけだった。


「それで今日は依頼の達成報告ですか?」


「あぁそうだ。セレス達のパーティも一緒に頼む」


「畏まりました!ルーク様のパーティがゴブリン10匹の討伐とウルフ5匹の討伐、セレス様のパーティは銅鉱石5つとランプ草が5本ですね!」


俺はゴブリンとウルフの討伐証明である魔石を渡す。セレスは銅鉱石とランプ草を5つずつを渡す。ちなみに他の魔物の討伐証明の魔石は全て取ってない。魔石が付いたまま解体に出している。


ちなみにウルフ5匹の討伐のクエストで討伐証明を渡して、依頼を完了し、またウルフ5匹の討伐クエストを依頼して、アイテムバックの中にあるウルフの魔石を出して依頼を達成するみたいな、連続で依頼を達成するみたいな事は出来ない。


無期限の依頼は、一度クリアすると15日は同じ依頼を受けられない。これは依頼達成数で冒険者ランクが上がるのだが、依頼達成した直後に同じ依頼を受け、余っていた魔石でまた依頼を達成するという繰り返し行為が昔流行ったので、この様な処置になった。


早くランクを上げたい者からすると、15日は待ってられないから、繰り返し行う者はほとんどいなくなった。


ちなみに、討伐証明の魔石は買い取ってくれないので、基本ギルドで売る方が高い。魔石を持っているなら持ってても仕方ないので、魔石を売る冒険者がほとんどだ。こういった理由からも依頼達成の繰り返しを行う者はほとんどいなくなった。


あと、迷宮外のゴブリン討伐に、迷宮内で仕留めたゴブリンの魔石を持っていくという事例もあるが、そういう不正がバレれば冒険者カードが剥奪される。そんな事で冒険者カードを剥奪されるのはリスクが高いし、何より迷宮内と迷宮外の魔石は見分ける事が出来る。


迷宮外の魔石は球体なのに対して、迷宮内の魔石は多面体の球体っぽい形である。違いがハッキリしている為、そういう不正をする者はほとんどいないということだ。


もう1つ違いがハッキリしている事があり、それは鑑定すると違いが分かる。迷宮外だとゴブリンの魔石となるが、迷宮内だと、迷宮ゴブリンの魔石となる。


ミーシャは魔石を1つずつ、丁寧に鑑定していき、全て終わると


「はい。どちらも規定の数ですね。ゴブリンとウルフの依頼達成報酬は大銅貨8枚になります。セレス様のパーティは銅鉱石とランプ草の依頼達成報酬で金貨1枚になります」


ミーシャがそう言い、報酬が配られる。ゴブリン10匹とウルフ5匹の魔石を、普通にギルドで売れば銀貨になっていたが、やはり依頼達成での討伐証明は買い取りしてくれないので報酬が安い。


セレス達の方が報酬は良いな。まぁランプ草はしらんが、銅鉱石の需要は高そうだから。それにまだEやDランクの依頼なんだ。報酬が少ないのは分かる。


「ありがとう」


「では新たに依頼を受けますか?」


「いや、いまは止めておく」


「畏まりました。ではまたお待ちしております」


俺はミーシャの受付から離れる。ミーシャの受付で迷宮地下10階層を攻略したと言おうかなとおもったが、ここの受付は依頼だからな。サーシャの受付に行くか。


俺達は次にサーシャの受付に並ぶ。そこまで並んでいないので、すぐ俺たちの番になる。


「ようこそ冒険者ギルドへ!あっお久しぶりですね!最近顔を出さないので心配していたのですよ?」


お前もかサーシャ!駆け出し冒険者がゴブリン1ヶ月(以下略)。ミーシャと似たような事を言ってる。だがまぁいい。


「あぁすまないな。今日は地下10階層まで攻略したのでCランクになれるのか聞きに来たんだ」


「はい。地下10階層を攻略したんですね!………えっ?」


「はい……えっ?」


…ん?俺なんか変な事を言ったか?


「今なんて言いましたか?」


「いや地下10階層を攻略したと言ったのだが」


「ははっ…冗談ですよね?」


冗談とは失礼な!


「冗談でこんなところに来るかよ」


「ほ、本当なんですか!?ルーク様は以前冒険者になられたばかりですよ!…そ、そうだ!冒険者カードをお貸しください!セレス様もです!」


俺とセレスは冒険者カードを提示する。


「少しお待ちください!」


そう言って奥に走っていく。一体何なんだ?まぁ確かに迷宮到達階層でランクを上げる冒険者はそこまでいないのだろうが、少ないがいる事はいるんだろう?何も不思議ではないと思うが…。と俺達は数分待っていると戻ってくる。


「お、お待たせしました。ルーク様の言ってる事は本当でした。冒険者カードには地下10階層を攻略されたと出ていました」


あれ?そんなのも調べられるのか?もしかしてどこかと連動しているとか?冒険者カードを作るところも見せてもらってないし、なにか秘密があるのかも。ってか疑ってたのかよ。


「そ、それでこの事を冒険者ギルド長に言うと、執務室に連れてこいとの連絡がありまして」


「俺とセレスだけか?」


「いえ、パーティ全員との事です」


「なんの話ですか?」


「Cランク冒険者についてですね」


えぇー面倒くさいから行きたくねぇー。と思っていたが、それなら言ったほうがいいか?


「分かった。その執務室はどこにある?」


「執務室はこの冒険者ギルドの3階にあります!3階のお部屋は1つしかないのですぐ分かるとおもいますよ!」


「ありがとう」


そう言って俺達は3階に向かう。Cランク冒険者になる為には何か試験とかあるのか?取り敢えず色々やる事があるから早く終わらせたいなと考えながら執務室に向かうのであった。


読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公が同じ人物に対して会話中にいきなり敬語からため口に変えたり戻ったりするため、読んでいると情緒不安定な人間に見えてしまう。
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