ボス部屋の前で
セレス達と合流した次の日から一緒に行動するする事になった。セレスやトール、タナトスには悪いが、迷宮地図を開いて階段一直線に向けて歩を進める。
そして歩く事5日(まぁセレス達にもレイアがゴーレム馬を作って動かしてたが)でようやく地下9階層のボス前に辿り着く。やはり歩くだけならかなり時間がかかる。ちなみに出会った魔物は全て狩っている。全て解体せずにアイテムストレージに入れてたから少し量が多くなった。
ビックバードは大きい鶏みたいな見た目なのだが、食べてみると味も鶏肉とあまり変わらなかったが、最近豚肉が多かったので俺は満足した。12人分の食事なので、食料も減るのは早いから多めに狩ってる方がいい。
ちなみに、敵のレベルは150前後の敵しか出てこなった。まぁ10階層以下だからこんなもんか。駆け出し冒険者からすれば、丁度良いぐらいなのではないか?
地下9階層のボス前には大きな扉がある。その大きな扉の近くに何組かの冒険者パーティがいる。ボス待ちなのか?よく分からないから俺達はボスの扉の前まで進む。すると
「ちょっと待ちな。あんた新人の冒険者か?」
ボス前の扉を近くで待機しているパーティの男の冒険者が声をかけてくる。
「そうですが。何か?」
「そうか。じゃあボスに挑む前のルールは知らないな?」
ボスに挑む前のルールってなんだ?そんな面倒くさいルールがあるのか。
「ルールですか?そんなのがあるんですか」
「あぁ。まぁ新人なら知らなくても不思議じゃないか。周りを見て分かる通り、何組かの冒険者が待機しているな?」
「はい」
「この冒険者達は皆ボス待ちか休憩中だ。冒険者ギルドから聞いてるとは思うが、ボスに挑むのは6人までだ。それは知ってるな?」
「それは教えてもらえました」
「ギルドは大まかな事しか教えてくれないから俺が教えてやる。まず最初に教えるのはボスの大きな扉の近くに丸い台座みたいなのがあるだろ?その台座の上に石版みたいなのが見えるか?」
確かにな丸い台座みたいなのがある。6人乗っても余裕があるほど大きい。その台座の上に石版みたいなのが置かれてるのが見えるのだが…何だあれ?
「あの石版はボストーンと言う」
「…ボストーン?」
「そうだ。ボストーンだ」
いや至って真面目なトーンで真剣に言われても…何そのネーミング。真面目なトーンでボストーン。いや、これはないな。しかし、ボスとストーンをくっつけてボストーンか?誰だよこんなダサい名前つけたのは。女神様ではないと思うが…
「誰がこの名前をつけたんですか?」
「初代勇者って聞いたことはあるが、俺も詳しくは知らん」
初代勇者…。俺よりネーミングセンスが無い。
「……で、あのボストーンは何ですか?」
「ボス部屋に入る前にあの石版、ボストーンに手を触れるんだ。もちろんパーティ全員でだ。お前たちは6人パーティだよな?」
「はい」
「じゃあ6人全員でボストーンに触れろ。そうするとボスの大きな扉が開かれる」
「なるほど。…ん?じゃあ何故、今は誰も触れないんですか?みんなボス待ちでしたら触れれば良くないですか?」
「それはな、ボスが倒されると、次の者達がすぐに挑戦できるわけじゃねぇ。一度ボスを倒すと、また挑戦するには少し時間が掛かるんだ」
なるほど。つまりはボスに復活時間があると言う事だ。まぁすぐに復活してしまうと何回でも宝箱を回収できてしまう。宝箱の価値が下がると言う事だろう。
「それに周回はパーティが1組じゃ出来ないんだよ」
「どういう事ですか?」
「さっきも言ったが、ボスが倒されても少し待てばまた挑戦できるようになる。だが同じパーティは挑戦できないんだ」
「ん?」
「例えば俺のパーティがボスを倒したとする。そしてもう一度ボス前に来て、再挑戦出来るのを待つ…がその場合は再挑戦出来ない。つまり同じパーティは2度続けて挑戦できないんだ」
これも同じパーティが宝箱を独占できない様に女神様が作ったシステムか?全く日本好き、いやゲーム好き?の女神様は伊達じゃない。
「そういうシステムがあるのか」
「ただし俺のパーティの後に違うパーティが挑戦したとする。その次の挑戦は俺のパーティでも受けれるという事だ」
つまり周回は出来ないシステムになってるようだ。俺のパーティがボスを倒したとしても、続けてボスを倒すのは無理。誰か違うパーティが挑戦したら俺のパーティは再度挑戦券を貰えるという事だ。
「ちなみに俺のパーティがボスを倒して、違うパーティがボスを攻略するか中で死ぬか、そのパーティが撤退したとする。その場合も俺のパーティは再度挑戦できる。もちろんボスはダメージ1つ負わず全回復してるがな」
この冒険者の話からするとボス部屋の中に撤退する装置?があるのだろう。その撤退の場合と全滅の場合でも再度挑戦券は得られるわけだ。
「なるほど。分かりました。ボスが復活した際ですが、合図というかサイン的なのはあるのですが?」
「あぁ、あるぞ。ボスが復活するとあの丸い台座が光るんだ。…おっ話していると丁度ボスに挑戦できるようになったな」
そう冒険者が言ったので、丸い台座を見てみる。すると本当に台座が光っている。眩しい光ではなく少し暗い光り方をしているようなので全然眩しくない。
「あの状態の時にボストーンにパーティ全員で触れるんだ」
台座の上にいるパーティ全員がボストーンに触れた瞬間ボスの大扉が開かれる。
「ちなみにボストーンに触れずに扉の中に入ろうとすると、触れてない者だけが大扉の前に転移させられるんだ」
なるほど。どう足掻いても6人までしか入れないのか。石版で人数を記録してるのだろうか?中々に良くできたシステムだ。
「とまぁこんなところか。あんた達は周回目的ではないんだろ?」
「はい。俺達は地下10階層を目指してますので」
「だったら次の順番を変わってやるよ。幸い次は俺達の番であっちのパーティは休憩中だ。挑戦する冒険者パーティは俺たち以外に今はいないからな」
「いいんですか?」
「あぁ。ここで会ったのもなにかの縁だ」
「ありがとうございます」
次の順番を俺達に譲ってくれた。ボスが再度挑戦できるまでこの冒険者とお話した。
「周回って何を目的としてしてるんですか?」
「ん?そりゃお金目当てだ。地下10階層以降で魔物を狩るより、ここでお宝に期待したほうがいいだろ?」
「儲けになるんですね」
「まぁハズレもあるがな。特に道具のポーション系はハズレだな。下級ポーションの最高品質が出たりするがそこまでは高くないからな」
ふむ。やはり最高品質のポーションが迷宮で出るのか。ってか最高品質のポーションってハズレなのか。
「では何が高いんですか?」
「やはり魔道具や魔法装備とかかな?特に耐性のついた指輪とかはかなり高く売れるな」
「そうなんですか」
「ボスの宝箱からは必ず俺達パーティの職業に適した装備が1人1つ入ってるんだ。つまり俺のパーティで例えると戦士、武闘家、僧侶、魔法使いなんだが、それぞれに適した武器が宝箱に入ってる。俺は戦士だから魔法の剣か盾かだな。もちろん6人パーティなら6つ入っている」
「なるほどな」
迷宮ボスの宝箱はランダムだと思っていたが、そうではないみたいだ。つまり戦士が仲間にいたら確実に戦士の装備がドロップするらしい。
かなりためになる話だ。だが俺はモンスターテイマーだ。何の装備が入ってるか気になる。早く確かめたいところだ。と喋っているとボス部屋の大きな扉が開かれる。
「おっ、さっき入っていった奴らが帰ってきたな。あいつらも周回組だ。俺達周回組はまずこのボス部屋の前に冒険者が何組いるかを確認する。あーこれは周回組じゃなくてもしないといけないんだがな。あいつのパーティは4番手になるって事だな。まずボス部屋についたら自分が挑戦をできる順番を覚えるんだ。これは誰が決めたとかではなく、冒険者達の中では暗黙のルールだからな」
そうなのか。まぁ自分の方が到着するの早かったのに後から来たやつが先に入るなんて納得いかない。
俺なら文句言っちゃうわ。行列が出来てる中で途中から来たのに友達だからといって割り込みする奴はもっと許さん!
「ちなみにあいつらが今出てきたが、再挑戦できる時間は今出てきた時からカウントされる。ボスに挑戦してすぐではなく、恐らくボスを倒して扉が開かれた時からだろうな。その復活する時間をある冒険者が砂とけいを使って調べたらしいから間違いないとおもう」
なるほど。ボスは倒してから復活する時間がカウントされる。俺はこの冒険者と喋りながら大体の時間を測る。この冒険者といろんな話をしながらまた台座が光るのを待つ。
そして冒険者と話していると台座が光る。大体の感覚で30分ぐらいってとこか。ちなみに30分ずっと中に居座ると、強制的に外に出されるらしい。
「あーそうだ、地下20階層のボスの復活する時間は、この地下10階層のボスより長くなっているからな。さぁお前達の番だ」
「はい。最後に、もし順番を抜かそうとした奴がいた場合はどうしたらいいですか?」
「んーそもそもそんな事をすると待っている冒険者全て敵に回す事になるからそういう事をする奴がほとんどいない。だが、もし順番を抜かそうとしたら文句を言ってもいい。最悪殺したって言うケースもあるからな」
順番抜かししただけで殺したって…。冒険者殺意高すぎだろ。
「な、なるほど。ありがとうございました。貴方の名前を教えてもらってもいいですか?」
「あぁ、いいぜ。俺の名前はガイン。Bランク冒険者パーティでパーティリーダーをしている。パーティ名は【不屈の心】だ」
「ガインさんですね。俺は【王の盾】のパーティリーダーでルークと言います」
「ルークか。覚えておくぜ。王都ファルシオンで見かける事があれば気軽に話しかけてくれ。分からない事があれば色々教えてやるからな」
「ありがとうございます!ではそろそろ行きます」
なんて親切な冒険者なのだろうか。もし王都で見かけたら声をかけるか。俺達のパーティは台座の上に乗る。さていよいよボスに挑戦か。とは言っても守護王達からしたら弱いんだろう。まぁそこはいいや。
「じゃあ触れるか」
俺達のパーティは頷いてから皆でボストーンに触れる。するとボス前の大きな扉が開かれる。おぉすごい。と扉の先に皆で進む。
ちなみに後から分かったのだが、6パーティでボストーンを触れるとすぐに扉が開かれるが、4人パーティだと20秒ぐらい経ってから扉が開く。
これは最大6人パーティで挑むのだが、空きが2人いるから待っているという迷宮の親切心らしい。迷宮に親切心があるか知らんが。4人パーティと2人パーティが同意の上でなら6人で挑む事も出来るらしい。そうでない場合は少し時間が空いて扉が開くと。
要するに何人で挑むか受付中の待ち時間みたいなのだろう。20秒ぐらい経って、扉が開くと受付完了で、それ以降ボストーンに触れても途中参加は無理という事だ。
ボス部屋の大きな扉を進むと、そこは大きな広い円形エリアになっていた。既にボスは配置されていて、ボスの取り巻き等もいるようだ。ボスはCランクのウルフリーダーだ。レベルは253か。その取り巻きに普通のウルフやオークもいて数はそこそこ多い。6人だからか?いや確か1人でも数は変わらないとか言ってたような…
ボス部屋の大きな扉の近くに、また石碑みたいなのが置いてある。恐らくこれが撤退できる装置?なんだろうか?まぁ触れないでおこう。
そして守護王達は誰が倒すか話し合っていて、今回はレイアが倒すということだ。あっはい。そうですか。誰が倒すかに俺は含まれていませんか。そうですよね。遠回しの戦力外通告あざまーす…。
まぁいい。そんなに時間は掛かる事はないだろうとレイアの戦いを見る。まぁ一方的な戦闘になると思うが。と俺はのんびり見ているのであった。
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