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レナルドのお店の状況


俺はゆっくり目を覚ます。最近ずっと洞窟だったから、朝起きても日差しを拝めなかったが、今日はちゃんと日差しが見える。こういう日は久しぶりだなと体を起こす。俺の右腕にはしっかりルーシーが抱きついている。


だが俺も朝の日差しを浴びたかったので外に出ようとゆっくり絡まっているルーシーの腕を外すがルーシーが途中で起きてしまった。


「…や」


俺が絡んでる腕を外そうとしたら起きるとか…どんなセンサーしてるんだ?まぁでも日差しを浴びたいから仕方なく抱っこして外に行くか。


「よいしょ」


「…ん」


俺はルーシーを抱っこしながら外に出た。もちろんスサノオとドラグは既に起きている。相変わらず2人は早起きだな。


外に出ると日差しが眩しい。だがポカポカして気持ちいい。迷宮の中だと言うのに暖かい。ルーシーは眩しいのか俺の胸に顔を埋めている。ルーシーはあまり喋らないが、結構甘えたなところがある。というか自分で甘えてくるし。そう考えていると


「…我が主、おはようございます」


「ご主人様、おはようございます」


「スサノオ、ドラグおはよう」


「なぜルーシーを抱っこしながら?」


「外に出たかったけど離れなかったんだよ。それで仕方なく」


「…まぁルーシーらしいな」


「ですね。ルーシーはどれだけ恥ずかしい言葉でも無表情で言いますからね」


そうなんだよ。年少組のルーシー以外は撫でてと俺に言う時は恥ずかしがってるんだが、ルーシーだけは特に恥ずかしがってないんだよ。だからこうやって皆の前で抱っこされても特に恥ずかしがらない。


「間違いないな」


そんな事を喋っていると、イーリスとレイアがテントから出てくる。


「主様、おはようございます」


「妾の主よおはようなのじゃ」


「イーリス、レイアおはよう」


挨拶をする。やはり一番起きるのが遅いのはルーシーだ。さっきは少し起きたが、抱っこしたらもう寝てる。そんな事を考えてると


「あぁ!ルーシーだけずるいです!」


「そ、そうじゃ!妾もその…」


「いや離れなかっただけだからな。ルーシーが起きた後してやろうか?」


「皆の前で…ですか?」


「まぁ…見られてしまうかもな」


「うぅ〜…」


「そ、それは流石に恥ずかしいのじゃ…」


2人とも違う反応を見せている。イーリスはしてもらいたいのだろうが、みんなの前でというのが恥ずかしいのか、かなり迷って狐耳をペタンとして考えている。レイアは皆の前で抱っこは流石に恥ずかしいから拒否している。ルーシーの強みがここで光っている。


「まぁ周りに誰もいない時にしてやるからそう残念そうな顔をするな」


まぁそんな時はあるか知らないが約束はする。皆平等だ。


「分かりました!約束ですよ!」


「わ、妾もそれでよいぞ?」


「んじゃ約束な」


俺は約束をする。空には雲一つなく晴天でこんな天気がいいのだ。たまには外でお茶を飲もうとドラグにテーブルと椅子を用意してもらう。俺は椅子に座る。ルーシーを抱っこしながら。お茶を飲んでいると


「…ん。おはよ」


「おっ?やっと起きたか?」


「ん」


ルーシーが起きる。


「もうすぐ朝食だから顔を洗ってきな?」


「ん」


ルーシーは抱っこからおりて、俺の飲んでいたお茶を少し飲んでから顔を洗いに行く。今のをイーリスとレイアが見ていたらかなり文句を言いそうだ。見てなくてよかったよ。


ルーシーが顔を洗ってきたので皆で朝食をすませる。朝食後は各々がやりたいことをやっている。俺ものんびりしている。とそこに


『ルークさん聞こえますでしょうか?』


レナルドさんから念話が飛んでくる。


『どうした?レナルドさん』


『ようやく店が軌道に乗ってきましてね。それを報告をと』


『そうなのか?売れているのか?』


『はい!それはもうおかげさまで!』


ほう。それはよかった。実は塩や砂糖の値段も全てレナルドさんに任せているから、いくらで売っているか俺は全く知らない。本当に大丈夫なのか?と思うがまぁ信頼してるから気にしてない。


『しかし本当に塩や砂糖の値段も聞いてこられない。私が売上を横領する場合もありますし、偽の値段をルークさんに言うかもしれませんよ?』


『俺はそんな奴を信じた訳じゃない。レナルドさんはそんな事はしないし、何より商売が第一の人だ。そんな者が自分の立場を悪くするようなマネはしないだろ。要は全面的に信頼してると言う事だな』


『…そうですか。申し訳ありません。無粋な質問でしたね』


『いやいい。確かに上に立つ者が売られている商品の値段も分からないとか心配するのも当たり前だよな』


『いえ私もまだルークさんの事を信じきれて無かったんでしょう。なので不安になっていました…がそれはもうやめましょう。私は全力でルークさんの事を信じる事にします』


『ありがとう。レナルドさん』


俺達はお互いの絆や信頼を確かめ合う。これをセレス達がみたら冷たい目で見られているのだろう…。まぁそれよりも


『レナルドさん何か報告があったんじゃ?』


『そうでした!先程も言いましたが、ようやく店が軌道に乗ってきましてね』


『意外に早かったですね』


『はい。実はとある人に宣伝をしてもらったのですよ』


『とある人?』


『はい。それはミルハイムさんです』


ほう。ミルハイム大商会に宣伝してもらったのか。ミルハイム大商会の店は貴婦人の服など取り扱ってる。よく貴族の客が来るのだろう。だからミルハイム大商会に宣伝してもらったのか?まぁタダではないだろうが。


『そうなのか』


『はい。実はミルハイム大商会と契約をしましてね』


『どんな契約だ?』

『毎月、塩壺大と砂糖壺大を3つ分送るので、貴族に塩と砂糖を宣伝してほしいと言ったのです。最初は悩んでたのですが塩と砂糖の味を知れば軽く引き受けてくれました』


『ミルハイムさんもグルメなんだな』


まぁでも仕方ないか?この世界に娯楽はほとんど無いんだ。娯楽がないならせめて美味しい物を食べたいものだ。


『そのようですね。しかし、やはり大商会の影響力というのは凄いですね。10日もしない内にお客様が噂を聞きつけ買いに来るのですから』


『塩と砂糖はもう何キロ…いや何壺分売れたんだ?』


『はい。壺大で計算しますと塩が約70杯分。砂糖が約40杯とかなり売れています』


ほう。かなり売れている。約がついてるのは壺小も売れているからである。だが10日でこれとはかなり好調の滑り出しだ。


『いくらで売っているんだ?』


『普通に売られている塩は、塩壺小が大銅貨5枚、塩壺大が銀貨5枚なのですが、ルークさんが持ってくる塩は、塩壺小が銀貨2枚、塩壺大が金貨2枚です。4倍の値段で取引をさせてもらってます』


『凄いな4倍か』


まぁ庶民ではなく貴族に向けた商品だからこれぐらい取ってもいいか。実際買ってくれる人はいる。


『それだけ品質が良く美味しいと言う事ですね。砂糖ですが、普通に売られている砂糖は、壺小が金貨1枚銀貨5枚、壺大が金貨5枚のところ、ルークさんの砂糖は壺小が金貨3枚、壺大が金貨10枚で取引させてもらってます。倍の値段ですが、これ以上値段を上げてしまうと渋って買わなくなる者も出てきますので』


砂糖は2倍の値段だが、レナルドさんの言う通りだ。2倍でも金貨10枚なのだ。砂糖壺を1杯分ならまだしも2杯、3杯とは中々買えないだろうな。ここら辺から渋ってくる貴族はいそうだ。


塩壺大を約70杯分と言うことは金貨140枚分。砂糖壺大が40杯分なので、金貨400枚分売り上げたのだ。だがまだ塩と砂糖はあるからな。このスピードで行くと一月(ひとつき)も経たないうちに全て売れそうだ。


『なるほど。レナルドさん1人で大丈夫か?』


『えぇ。まだ大丈夫ですが、何れ雇わないといけなさそうですがね』


『そうか。実は下級ポーションも売ろうかと思うんだがどう思う?』


『あの最高品質のですか!?』


『あぁ。売れると思うか?』


『そうですね。出す値段にもよりますが、売れると思いますよ。しかし…1つ問題が』


『問題?』


『はい。その最高品質の下級ポーションの値段によってはルークさんのポーションを売ってる店に客が殺到しますよ』


『つまり?』


『つまり他の道具屋さんの客を奪い、他の道具屋さんが稼げなくなってしまいます。もちろん商売はどれだけ安く売るかや、他の店よりも品揃え、品質を良くするために日々競っています。それで潰れる店なら仕方ありませんが、他の店からかなり目をつけられますよ』


この世界でのポーションは道具屋さんに売られている。もちろん商人ギルドにも売られているが、基本道具屋さんで売られているのだ。ちなみに他にも松明や冒険者の疾風の牙が使っていた魔除けの結界クリスタルみたいなやつも売られている。


『なるほどな。値段にもよるが、俺がポーションを際限なく売れば他の道具屋さんの客足が減り恨みを買われると』


『はい。まぁ恨みを買われたところでルークさんなら大丈夫と思いますが、流石に全ての道具屋さんから恨みを買うのは面倒くさい事になりますので』


『確かにそうだな』


おれはうーん…。と考える。要は俺のポーションも売れて、他の道具屋さんも売れればいい訳だ。おれは考えて1つのアイデアを出す。


『ならば限定品として出すか』


『…限定品と申しますと?』


『そうだな。例えば100個限定として売りだす。その100個のポーションを売れば、次入荷するまでは買えない。そして次の入荷は何日後に入荷すると決めて、来た客に伝える。そうだな例えば5日後に入荷するならそんなに冒険者は待てないだろ?だから他の道具屋に仕方なくポーションを買いに行くと言う訳だ』


『なるほど!敢えて何個かに限定すれば客も諦めて他の道具屋さんに買いに行きますか。それに最高品質なんてそうそう作れないと思うでしょう。何より今まで最高品質のポーションなんてほとんど出回らなかったですからね。ですから限定品にしても何も不思議ではない』


俺はポーションで多少利益を出せばいいだけだ。ポーション=俺の店という認識になれば他の道具屋が潰れて、俺がその分売らなければならない。俺もずっと暇ではない。そうするとポーションが入荷できない日も出てくるわけだ。


それだと冒険者が困ってしまう。なら他の道具屋がポーションを売ればいい。となるが俺のポーションは最高品質だ。恐らく俺のポーションが良いと他の道具屋ではポーションがあまり売れなくなり結局俺が頑張る羽目になる。


これは俺のポーションが売れればの話である。もし際限なく売ってしまえばこういう事になりかねない。俺はずっとポーションを作る人生は嫌だ。だから限定すれば問題ないだろう。


ちなみに最高品質のポーションはほとんど出回らないという事は、過去に少しだけ出回ったという事だ。これは誰かが作ったわけではなく、迷宮の宝箱から出てくる事がある。宝箱は何もボスだけでは無く、普通の階層にも置かれている。ただし10階以上から出現するらしい。


『まぁそういう事だな』


流石は商人だ。理解が早くて助かる。俺はこの後もう少しだけポーションをどうやって売るかの話を詰める。



読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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