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新しい階層


次の日、いつもの様に朝を起きて特に変わらない1日を過ごす。見回りをしたり錬金術の本を読んだり、年少組の頭を撫でたりと。ちなみに昨日の盗賊達の事はやはりルークには知らされない。寧ろそういう盗賊等の問題は守護王達が率先して解決するものだと守護王達は思っている。


俺達は特に変わらない、同じ日々を過ごす事10日。ようやく地下5階の階段まで辿り着く。10日で5階か…。広すぎだろこの迷宮。


10日で5階は一見遅く感じるとは思うが、実際はかなり早いスペースで来ているのだ。一般冒険者なら早くても20日は掛かる。下手をすれば1ヶ月なんて事もある。


ちなみに討伐依頼のウルフはまだ出てきてない。ゴブリンはEランクだが、ウルフはDランクの依頼だからもう少し奥の階に行かないといけないのか?まぁいつかは出てくるか。それよりも…


「流石に次も洞窟だとキツイな」


「そうですね。こう代わり映えしないと飽きてしまいますね。ルーシーは多分もう飽きてると思いますが」


「まぁ仕方ないか。先に進もう」


イーリスと話ながら俺達は階段を降りていく。また同じ洞窟なんだろうなと思いながら降りる。地下5階への入り口が見えて、入り口に入るとそこは…


「ふぁ!?……驚いた」


「…凄いですね」


「…ほう」


「…これは」


「…おぉ」


「ここは洞窟の中ですよね」


みんな驚いている。それも無理はない。何しろ景色はガラッと変わっている。地下4階層から地下5階層への階段を降り、出入り口から外に出るとそこは少し丘になっている場所で、その丘を登ると地下5階層を遠くまで見渡す事ができる。見渡すと緑の絨毯、遠くに森も見えるし川も見える。何より上を見上げると空があるのだ。


俺は疑問に思う前にその場で大きく息を吸って深呼吸していた。洞窟内の空気は悪くなかったとしても、こういう場所に出たなら大きく息を吸いたくなるもんだ。ずっと洞窟の同じ景色だったから空気が美味しく感じる。


「風が気持ちいなぁー…」


俺はそう呟く。丘の上に立っている俺を優しい風が頬を撫でるのだ。そう。優しい風が……風!?いやなんで洞窟に風があるのだ!?いやだが…あの女神様ならこういう事も出来ちゃうのだろうと1人納得して考えをやめる。


地下5階層へ出てきた出入り口の横は壁になっているが、洞窟の様な土色の壁ではなく、青空の様な壁だ。これで空をイメージしているのだろう。


要するにこの地下5階層は巨大な箱庭になっているのだろう。凄いな。


俺は丘から見渡すと、冒険者がちらほら戦闘しているのが見える。やはり洞窟よりこう見渡せる広い場所の方がいいんだろうな。まぁ俺もこういう草原の方がいいんだが。


ちなみにセレス達はまだ地下5階層には辿り着けてない。


「じゃあさっそくだが出発するか」


「そうですね!」


俺達は地下5階層の出入り口の近くにある石碑に触れてから出発する。俺達は馬車だから、冒険者達が遠目に見てくるのが分かるが気にしない。まぁ珍しいのは分かるが。歩くこと数十分、ようやく俺たちの前に魔物が現れる。


「…主よ。…ウルフだ」


「おっ!この階に出てくるのか!」


さぁーてやりますか!と意気揚々にテントから出たのだが、既に戦闘が終わっており、そこにはウルフ10匹の死体があるだけだった。しかも全て頭から上がない。こりゃスサノオがやったのだろう。…倒すのはぇよ。


「…主よ。…浮かない顔だが何かあったのか?」


「いやうん。大丈夫だ」


いや何でもないですとも…。俺は気持ちを切り替えてウルフ5匹分の討伐証明の魔石を取り出す。あとはそのままアイテムボックス行きだ。討伐依頼は5匹なので、魔石も5個だけでいい。あとは解体してくれるだろう。ちなみにウルフと言う魔物とハウンドと言う魔物がいるが同じ魔物だ。地域が違ったりすると呼び方が違う事もあるらしい。


ウルフは単体だとゴブリンと同じEランクの雑魚なのだが、ウルフは常に何匹かの群れで行動する魔物で、仲間とタイミング良く攻撃してくるので、駆け出しの冒険者の最初の鬼門になる。まぁスサノオには手も足も出なかったが。


「主様。この死体はどうしましょうか?」


「どうするとは?」


「解体をするのかしないのかどちらがいいでしょうか?」


「そうだな。まぁしなくていいよ。オークの肉もまだ半分ぐらいは残っているからな」


「オークの肉が残り少なくなってきましたら、わたくしがウルフの肉を解体いたしましょう」


「それで頼む」


オークの肉以外に食料は持ってきているので、食料はまだそれなりに残っている。解体してる時間も勿体ないので先に進む。まぁギルドに戻れば解体屋で解体してもらえる。


それはそうと迷いの森のハウンドは警戒してこちらに近付いて来なかったのに、この迷宮のウルフは近付いて襲ってくる。これは知能が低いというより冒険者を見つければ攻撃するように命令されているのか?その様な動きに見える。


レイアとルーシーはテントの中にいる。レイアは娯楽の道具を作ろうとしてたけど、拠点宝珠に追加された為、違う研究をするとの事だ。ルーシーは…まぁ何時ものぐうたらしてる。


まぁそれがルーシーの性格だから仕方ない。というか俺が設定した影響を受けているから、俺が設定しておいて働けと言うのは気が引ける。みんなルーシーの性格は分かっているから何も言わないんだが。


俺達はウルフの死体10体をアイテムボックスに入れてまた出発する。


出発して数時間。俺が外で散歩をしていると


「主よ。今何してるのだ?」


「ん?あぁレイアか。まぁ外の空気が美味しいからな。ほんと迷宮を攻略してるんじゃなくて旅をしてるみたいだな。レイアはどうした?」


「そうじゃな。妾は息抜きに来たのじゃ」


「そうか」


レイアが話しかけてくる。初めて一緒に寝た次の日とかはよそよそしかったのに、今ではだいぶ慣れたみたいだ。俺の顔を見て話しているが問題なさそうだ。


レイアは話す時、基本相手の目を見る。だがここでまた俺が変な言葉をかけると恥ずかしがって目を合わせてくれないから何も言わないが。


「主は錬金術の練習をしなくてよいのか?」


「したいんだが材料がないからな」


「何を言うとる、そこら辺にあるじゃろ」


下の雑草に指をさす。なんだと!?そこには薬草が生えていた。灯台下暗し!


「本当だ!全然気付かなかった!ありがとうなレイア!」


俺はレイアを撫でる。久しぶりの空だったので上しか見てなかった。しかし迷宮に薬草が生えてるという事は他にもいろんな素材がありそうだ。ちなみに薬草の見た目は雫型の葉を2枚つけた葉で、桐の葉みたいに大きい葉だ。


俺は〈探索(サーチ)〉の魔法を使い、そこら辺に生えている薬草を根こそぎアイテムボックスに入れていく。馬ゴーレムが進む道の近くに生えているから進む道にある薬草は全て俺のアイテムボックスに収納だ!すべて刈り取ってやるよ!まぁどれだけ薬草を採取しても勝手に生成される。


調子に乗って取りすぎたか?薬草の個数がアイテムボックスだと×500になっていた。このアイテムボックスの指輪だが、どれだけ入るのだろうか?大きさはもちろん、数もそうだ。×999がカンストなのかそれ以上入るのか。それもいつか確認が必要だな。後はどれぐらい大きい物が入るかもだな。


まぁそれはいいとして、錬金術の練習がいっぱい出来るんだ。いや練習と言うよりポーションが大量に欲しいだけだが。あとは魔力茸も欲しい。


「少し森によっていいか?」


「大丈夫ですよ?」


「何か取りに行くのですか?」


「あぁ。魔力茸をいくつか欲しくてな」


「ではわたくしもお手伝い致します」


ドラグも手伝ってくれる。少し遠くにあった森に入り〈探索(サーチ)〉を使い探索すると至る所に魔力茸がある。それをドラグが凄い勢いで取ってくる。魔物もいたのだが、ドラグが一掃していく。俺のやる事なにもねぇ…。そしていつの間にかアイテムボックスの中には魔力茸が300個溜まっていた。ちなみにゴーレム馬は近くで待たせてある。


「ドラグもういいよ」


「畏まりました」


俺達はゴーレム馬に戻る。ゴーレム馬に戻った俺は錬金術でポーションを作ろうとイーリスに手伝ってもらう。


「イーリス、少しお願いがあるんだが、木魔法で大樽をいくつか作ってくれ」


「分かりました!」


イーリスは元気良く返事する。イーリスは普段黄色の尻尾しか出してないのだが、イーリスのお尻から深緑のフワフワな尻尾が生えてくる。尻尾の色に対応した魔法が使えるのだが、尻尾を出さないと使えないみたいだ。ちなみに深緑は木魔法で、黄緑は風魔法だ。


イーリスにレナルドさんの店に置いてある大樽ぐらいの大きさの樽を木魔法でいくつか作ってもらう。その大樽に薬草を100束を入れて


「イーリス、次は水魔法で水をいっぱいまで入れてくれ」


イーリスはすぐに水色の尻尾を出して


「これぐらいでいいですか?」


「十分だ」


イーリスに頼み大樽に大量の水を入れてもらう。そして


「さぁていくぜっ!〈練成〉……おぉ!出来たな。1つずつしか出来ないならどうしようかと思っていたが、一気に作ることが出来たな」


しかし、やはりあっけないものだ。魔法を使っているというのは理解できるが、一瞬で出来てしまう為に味気ない。だが、さすがに300本分のポーションはかなり魔力を消費したな。


余分な水は消えて300本分の下級ポーションの出来上がりだ。鑑定しても最高品質の下級ポーションになってるので大丈夫そうだ。薬草1束に対して、3本分出来る。これを繰り返して薬草500束が1500本分の下級ポーション、魔力茸300個が下級魔力ポーション900本分に変わった。作りすぎた。まぁいい。これも売れると思うし、どれも最高品質だから買い手ならいくらでも見つかるだろう。


もちろん、一気に作ると魔力切れを起こしてしまうから、体がダルくなったら休憩して、また作っての繰り返しだ。魔力は使えば使うほど、魔力の総量が増えるから、これも俺の糧になっているだろう。


それに着実に進んでいる。俺のまったりスローライフが!何もしてなくても現金収入が入れば楽できる!まぁ戦争を止めるという事が終わってからになるが。


そう言えばまた、神聖ルナミール皇国が勇者召喚を行おうとしてると女神様が言ってた。まぁもし勇者召喚しても勇者を育成しないといけないからまだ時間はあると思うが…。


俺はポーションの大樽をアイテムストレージに入れる。今日は色々ビックリした事があったが、久しぶりにいい刺激になった1日である。ポーション等を作っているといつの間にか夕食の時間になっていた。ちなみに大樽1つでポーション300本分入っている。


今日の夕食はなんちゃって豚の生姜焼きだ。生姜のすりおろしがない為、調味料で代用してるらしい。レシピはゲームのデータの中にいくつか入ってるみたいだ。


「うん!美味しいな!この野菜はキャベツか?」


「恐らくは。迷宮出発する前に市場を見たのですがグリーンボールという野菜で売られてましたよ」


グリーンボール…。見た目をそのまま名前にしたと言う事か。全くどうなってるんだ?この世界のネーミングセンスは。キャベツにグリーンボールとか付けた奴に文句を言ってやりたいよ。


さて夕食を食べて寝る時間になったので寝る準備をする。今日はルーシーの番だった。


「ルーシーねるよ?」


「ん」


ルーシーは俺の布団に潜り込んでくる。そして腕に抱きついてくる。相変わらず可愛いなと俺は撫でてやる。ルーシーは頭を撫でてやるとすぐに寝てしまう。なんか動物みたいだ。まぁ明日も頑張るかと俺も深い眠りにつく。



読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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