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レイアの怒りと涙


夜光石を何個か拾ってテントの中に置き、俺も見回りという散歩をしている。この地下1階に出てくる魔物はゴブリン、スライムだけだ。俺も何度かゴブリンは倒してるがスライムは倒してない。何故ならスライムを見つけると逃している。いや仕方ないだろ。


だって…必死に攻撃してくるが、シールドを張らなくても俺にダメージを与えられない。なのに健気に攻撃してくるスライムが可愛いすぎて。なので毎回逃している。


ここは迷宮なのだが、少し言い方を変えると大きな洞窟だ。壁は土色で触ってみた感触は土ではなく岩だ。横幅の広さなのだが、日本にあったトンネルを少し大きくしたぐらいの広さがある。つまり超デカイ洞窟だ!


ただ広い洞窟と言えど、やはり窮屈で圧迫感があるから開けたところに出たいんだが。俺は他にも何かないかなと探索(サーチ)を使ってみる。


「おっ?迷宮に植物があるのか」


探索(サーチ)は俺から半径3キロまで感知するようだ。半径3キロ内に入る素材は、俺の視界から見て色で判別される。草や植物は緑、鉱石は茶色、魔物の素材などは白。色が濃いとレア度が高く、薄いとレア度が低い。


今見えてる緑は色が薄いのでレア度はさほど高くはない素材だという事だ。ちなみに俺の無属性レベルが10だから半径3キロなのだが、無属性レベルが低いと感知する範囲距離が狭くなる。


俺はその植物の方へ歩いていく。


「あれかな?」


俺はその植物を見つけた。見た目は猫じゃらしみたいな形だが、オレンジ色に光っている。俺は〈鑑定〉を使ってみた。


・名 前:ランプ草(並)

・レア度:E

・備 考:迷宮内で生成されている植物。花を咲かせると仄かに光る。枯れるまで光り続ける。


これがランプ草か。思ったより眩しくなくて綺麗だ。せっかくだから少し摘んでいこう。と積んでいると


「主様。夕食ができましたよ」


「あぁ、分かった。すぐ行くよ」


ゴーレム馬の荷馬車に戻る。夕食の時はゴーレム馬は停止させている。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


荷馬車に戻ると既に夕食の準備は整っている。夕食はテントの中ではなく基本外で皆で食べる。今日の夕食はオークの肉と野菜のバーベキューだ。野菜はマギという名のネギっぽい野菜、ニジンと言う名の人参っぽい野菜。異世界の野菜ってどこか日本の野菜の名前と少し似てるのだが、これも勇者が名前をつけてたりして。


串にオークの肉とマギを交互に刺して焼いている。もう美味しそうだ。オークの肉がまだ大量にあるから消費しないといけないんだよ。まぁオーク肉は美味しいし、皆も気に入っているからどれだけあっても困らないのだが。と焼き上がったので手に取って食べる。


「いただきます」


うむ。やはりオークの肉は美味い。マギだが、やはり日本のネギと少し似てる。美味しいんだが、めちゃくちゃうまいという程ではない。普通に食べれる美味しさだ。もう1本。オークキングの肉みたいに、野菜にもめちゃくちゃうまい野菜ってのはあるのかな?あるなら食べてみたい。そんなことを考えながら食べていると誰かが袖を引っ張ってくる。


「ルーク様」


「どうしたルーシー?」


そう俺が聞くと無言で口を大きく開ける。……これはあれか?食べさせてと言う事か?まぁ年少組だから別にいいけど。というか口に食べ物に入るまでずっと開けているルーシーが可愛い。意地でも閉じないんだろう。と俺の食べかけの串についたマギを食べさせてやる。


「…ん。おいしい」


「そうだな」


言いながら撫でてやる。くぅー…。俺の事を見上げながら、そして見つめながら、モグモグして美味しいは反則の可愛さ!もっと撫でたくなる!


モグモグしてる時もルーシーはずっと顔を見上げて、俺の顔を見ながら食べるんだよ。癖なのか?どっちにしろ可愛いなぁ。俺の身長は168なのだが、ルーシーは150だ。ほんと子供みたいなんだよ。と俺も食べようとしたらレイアとイーリスからめっちゃ見られている。あーなるほど。


俺はまずイーリスの方に行く。まぁイーリスも一番産まれは早いが、子供のところがある。イーリスもどっちかと言うと年少組なのだが、一番のお姉さんでしっかり者ってとこか?ちなみに身長は153と年少組の中では一番高い。


「イーリスもいるか?」


「はい!」


イーリスは口を開けて耳を立て、尻尾をゆらゆらと揺らしている。いつかこの尻尾を抱き枕として寝たい。イーリスの尻尾はリルの狼みたいなシュッとした尻尾ではなく、ふっくらした尻尾なのだ。そこに拘った俺。


イーリスは口を開けているので撫でながら食べさせてあげる。


「幸せですぅ!」


「なら良かった」


俺も可愛いイーリスの顔を見れて満足する。イーリスの可愛い耳もピクピクと動いている。最後にレイアの所に行ってみよう。レイアは俺がこっちに来ると分かった瞬間、慌てて顔を違う方向に向けている。ここでやっぱ行かないでおこうと足を止めると、また拗ねて長いのでそれはしない。俺はレイアに近付き、


「レイアも食べるか?」


「わ、妾は別に……」


「そうか?食べさせてやるぞ?」


「し、仕方ないから食べてやるのじゃ!」


レイアは腕を組み、上を向きながら口を開けている。目は瞑っている。ちょっとエラそうな所が可愛い。レイアの身長は140なのでこちらが膝をついて食べさせてやる。ちなみにプリンの身長は145である。肉を口に含んだレイアはすぐ顔を横に向ける。


「わ、悪くないのじゃ…」


「なら良かった」


撫でてやる。いつもなら「やめるのじゃー!」とか言うのだが、今日は大人しくされるがままになっている。レイアが大人しいのは珍しい。あまり撫ですぎると「いつまで撫でてるのじゃ」と言われそうなので、言われない内にやめておく。レイアはかなり満足な顔をしている顔になっている。


さて俺も続きを食べようと思ったが、ここで何を血迷ったか、俺はドラグやスサノオにもしてみようと思ってしまった。実際は少しどういう反応をするのか気になってしまったんだよなぁ。まぁこういう無茶振りも、もっと守護王達と親睦を深めるにはいいかなって思うんだ。と俺はドラグに近付いていき


「ドラグも食べるか?」


俺はそう聞く。女性組もドラグが何て言うか気になっているのかドラグを見ている。ドラグは少し考えてから


「失礼ですがご主人様。わたくしは女性ではありません」


「いや知ってるよ!知ってて聞いたんだよ!」


失礼だな!女性じゃないとわかってて聞いたんだよ!


「ではご主人様は本当に、わたくしに食べてもらいたいと思っていますか?」


「いや少し反応が気になって」


「わたくしドラグは心から安心しました。ご主人様がおかしくなられたのではないかと」


「失礼だな!」


「おや。これは失礼。ですがお気持ちだけ頂いて遠慮させていだだきます」


丁重に断られた。まぁそうだよなぁ。でも守護王達は俺に完璧すぎるんだよ。それは良い事なんだが、もっと冗談を言い合える仲でも良いと俺は思うんだよ。


まぁそれは守護王達には難しいかもしれないが。だが最近は、非公式の場でなら結構ラフに話しかけてくれるから俺も嬉しい。そんな事を考えながらとスサノオに近付いて


「スサノオは食うか?」


俺はそう聞く。スサノオも数秒固まる。言葉を選んでいるんだろう。女ならまだしも男に食わせてもらうってないもんなぁー。と呑気に考えていると


「…主はそっちの趣味があるのか?」


「ち、ちょっ!?何言ってるんだ!スサノオさん!イーリス達が誤解するだろ!そんな趣味ないから!というか慎重に選んだ言葉がそれかよっ!」


突っ込んでしまった。いやまぁ確かに俺が悪い!俺が悪いんだが、なんだその返しは。そっちの趣味ってなんだよ!どっちだよ!いや分かるけどな!


「…すまない。…なんて返したらいいか分からなくてな」


「…あぁ。いや俺がまぁ悪いからな。別にただ軽い気持ちで聞いただけだから深く考えるなよ?あと俺はそっちの趣味はないからな?」


「…そうか。…では我も遠慮しておく」


そう言って断られた。危うくトワイライト王国に変な噂が流れるところであったが、まぁなんとか誤解は解けただろう。危ない危ない。するとイーリスが近付いてくる。


「主様は…そっちの趣味があるのですか?」


「イーリス!?ないからな!」


「本当ですか?」


「俺は女が好きだから!」


「でしたら安心しました!」


イーリスは笑顔になる。ふぅ。よかった。これで大丈夫だろう。もしここにセレスやヴィーナ、リルがいたら大変だったなと安堵する。俺はまだ食べたりてなかったので、バーベキューを楽しむのであった。


だがこの時俺はまだ気付いていなかった。この話は既にセレス達の耳に入って女性陣だけで会議を始めるまでの大事になっていく事を。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


さて夕食を食べて俺達は寝る準備をする。その前に皆を呼ぶ。


「このゴーレム馬の荷車にテントは1つしか置けないよな。でも夜は距離を稼ぎたいと思う。だから女性陣も男性テントで寝てほしいのだが皆どうだろう?」


「ん。いい」


「私も大丈夫ですよ」


「妾も問題はないのじゃ」


「…我も特に問題はない」


「わたくしもどちらでも」


女性は男性の部屋で寝るのに少し抵抗があるのではないのか?と思っていたが、イーリスや守護王達は大丈夫みたいだ。いや待てよ?女性からしたら男性のテントに入るより女性テントの方が良いかもしれない。


「みんなありがとう。では男性テントではなく女性テントを置く事にする。ベットは女性陣だけで使っていい。俺達はテーブルをのけて床で寝る」


「主様ダメです!私が床で寝ます!」


イーリスが言ってくる。優しいなイーリスは。だが例えイーリスの優しさでも俺は譲ることはできん!ちなみにテーブルは背が低いテーブルで、テーブルの下に絨毯みたいなフワフワな布が敷かれている。コタツみたいな低い長方形のテーブルだ。


「それはダメだ」


「何故ですか!」


「イーリス。お前の体が大事だからな」


「主様…!!」


頬を赤くして両手で顔を覆い、さらに尻尾で顔を隠すという動きをしている。照れているのだろうが、両手で顔を隠してるんだから尻尾で隠す必要なくね?と心の中で言う。


「これはご主人様の勝ちですね」


「じゃのう」


結局男たちは女性陣テントの床で寝る。スサノオは床というより壁にもたれて寝ているが。ちなみにこのテントには壁がある。


俺は床と言うより絨毯で横になって寝る。横にはドラグが寝ているが、窮屈ではなく、それなりに広いので狭くはない。俺は夜光石やランプ草が光っている中深い眠りにつくのであった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺は何故か息苦しいと思って目を覚ましてしまった。何故息苦しいかと言うのは、いつの間にか俺の横で寝ている者達が原因だ。俺の右にイーリス、左にルーシーが抱きついて寝ている。何故ここにいるんだ?と思ったが、まぁ年少組だからなぁ。と1人納得した。


「んー……!」


俺は起き上がり背を伸ばした。夜光石を見てみると、既に光っていないのでもう朝という事だ。便利だなあの石。スサノオやドラグはすでに起きていて、テントの中にいない。見回りでもしてるのか? 


俺は起きて少しのんびりしたいなと思いながら、イーリスとルーシーの頭を撫でる。全く自分のベットがあるのに何でこっちに来るのかなと思いながら撫でる。撫でられて寝ているイーリスとルーシーは幸せそうに気持ちよく寝ている。と、ここで珍しくレイアが起きる。


「おはようなのじゃ…」


「レイアおはよう」


朝の挨拶をする。レイアは起きて挨拶をするが、イーリスとルーシーの事は何も言ってこない。俺はてっきり何か言ってくると思ったんだが。だが、レイアは起きたばかりなのでうまく頭が回らなかっただけで、今は正常に頭が回ってきて、俺の方を見て驚愕してレイアは叫んだ。


「な、何をしておるのじゃー!」


「お、落ち着けレイア!」


今回のレイアの叫びはいつもより何というか……そう、心の叫びみたいな、いつもより本気で叫んでるように聞こえた。レイアがここまで怒る事はあまりない。とにかく今までこんなレイアは見たことがない!と慌てて俺はレイアを落ち着かせる。


「何でイーリスとルーシーがそこで寝ているのじゃ!」


「俺もわからん。起きたらいたんだ」


「今、妾の主は2人の頭を撫でておったのじゃ…!妾は…!妾はっ…!」


レイアはぷるぷる震えだし涙目になっている。まずい!と思っていたらドラグとスサノオがテントに入ってくる。


「どうなさいましたか?何か大きい声が聞こえたのですが?」


「…何かあったか?」


ドラグとスサノオが入ってくるが、今2人の目には俺の横にイーリスとルーシーが寝ており、レイアがぷるぷると震えて涙目になっている光景が見えてるだろう。レイア以外の女を抱いたか、レイアを仲間はずれをして泣いているという構図だ。勘違いされても困るので俺は慌てて説明に入る。


はぁー…。浮気現場を結婚した妻に見られた気分だ。いや、俺結婚したことないからそんな気持ち分からんが、たぶんこんな気持ちなのではないのか?とそんな事はどうでもいい!


「いや実は……」


俺は事の経緯を話す。


「…なるほど」


「それは何とかしないとなりませんね」


理解してくれた。するとイーリスとルーシーが起きる。


「…主様おはようございます」


「…おはよ」


「あぁ。おはよう。だが2人とも何で俺の横で寝ていたんだ?」


「横が空いてましたので…」


「…ん」


「まぁそれは俺も怒ってないんだが…。それじゃあレイアが納得しないぞ?」


俺がそう言うと、イーリスとルーシーはレイアの方を見る。そこには今にも泣きそうなレイアがぷるぷる震えて立っている。イーリスとルーシーはすぐに理解し、レイアに駆け寄り慰めている。


「ごめんね?レイア」


「ん。レイアごめん」


「う、うるさいのじゃ…」


あーこれは完全に拗ねた。まぁ無理もない。レイアは性格的に一緒に寝よとは言えないし、それこそ俺の布団に潜る事なんて出来ない。それを平然と出来ちゃうイーリスとルーシーだから、私は平然と出来ないのにと言う自分に対しての怒りと、このままだとイーリスとルーシーにずっと取られてしまうという焦り。


そこに俺が2人を撫でてるから私は仲間はずれなのか?と考えて拗ねていると言う事だ。レイアはまだ子供だ。プリンはレイアの事を姉と呼んでいるが、俺は年少組の一番下はプリンとレイアだと思っている。そりゃ泣くか。俺はレイアに近付き、レイアを持ち上げ抱っこする。


「な、なにをするのじゃぁ…」


「レイアそう怒るな?」


「怒ってないのじゃ…」


「俺はレイアの親でもあるんだぞ?怒ってるか怒ってないかは分かるし、拗ねてるか拗ねてないかも分かる。だが俺もイーリスとルーシーだけを撫でてしまった。仲間はずれにする気はなかったが、レイアにそう感じさせてしまった。ごめんな?」


「うぅ…」


レイアは遂に泣いてしまった。いや泣かせてしまったか。あー駄目な親だなぁ。と俺はつくづく思った。


「今日は俺と一緒に寝ようか」


「うむ…」


いつもの覇気がないレイアだが、少し元気になるレイア。とここでドラグは口を開く。


「ご主人様。1つ提案なのですが、順番に寝てはどうでしょうか?」


「順番に?」


「はい。今日はレイア、明日はイーリス、明後日はルーシー。そして次はレイアという形で順番に寝る」


「…それはいい考えだ」


確かに良い考えだな。2人ローテーションなら、誰か1人が寂しい思いをしないといけないから敢えて1人で回していく。


「なるほどな。レイアやイーリス、ルーシーはこの案どうだ?」


「わ、妾はそれでいいのじゃ…」


「私はそれで大丈夫ですよ。私も年少組の一番の姉としては良くない行動でした。可愛い妹の気持ちを理解していませんでした」


「ん。私も」


イーリスもルーシーもレイアを仲間外れにしようと思ってやった事じゃないのは分かる。嫌いではなく、むしろ好きで、イーリスやルーシーはレイアの事を大事な妹として可愛がっている。


レイアとルーシーにはどちらが姉というのは無かったのだが、やはりルーシーの方が少し姉だ。よくルーシーがレイアを可愛がっている姿を見てたしそういう事なのだろう。


「分かった。今日はレイアと寝る。でもルールを破るとまた誰かが怒るかもしれないから皆平等にな?」


「「「はい。ん。うむ…」」」


話が纏まった。俺はレイアを降ろしてやる。泣き止んではいるが、まだ少し拗ねてるんだろうが、その内普通のレイアに戻るだろう。イーリスとルーシーも降ろされたレイアにごめんねと言って抱きついている。


「じゃあ朝ごはん作ろうか!」


「それはわたくしが。イーリスとルーシーはレイアの側にいてあげなさい」


「分かったわドラグ。ありがとう」


「ん」


「では我は見回りを」


各々が動き出す。一応俺もレイアの近くにいるか。俺と女性組の4人で朝食が出来るまで雑談するのであった。



読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

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