奴隷商人ミルハイム
俺達は今ミルハイムさんの屋敷にいる。ミルハイムさんの案内でかなり大きめな応接間に案内されて椅子に座り、ミルハイムさんと話し合う。セレス達は相変わらず俺の後ろで立ったままである。
「奴隷を見たいと言うことですがどういった奴隷をお探しでしょうか?」
「そうですね。まず読み書き出来る事が前提です。後は裏切らない者がいいですね」
秘書を雇いたいのだから読み書きは必要だよなぁ。
「裏切る事はないと思いますので大丈夫かと」
「そうなのですか?」
「はい。奴隷を購入した際に奴隷契約を結んでもらうのですが、奴隷契約と言うのは奴隷が主に逆らわないよう盟約を結んでもらうのです。まぁ主を害する事を禁じるなどですね。なので裏切る事は出来ないのです」
ちなみに買う側も厳守しなければならない盟約はいくつかある。奴隷を使っての殺人や、借金奴隷の場合、過度な労働の強制等。
「そうですか。なら賢い者がいいです」
いやかなり大雑把だがこういう言い方になってしまった。だって仕方ないだろぉー?この世界の住人にもスキルは見えているが、そもそもどういうスキルがあるかなんて分からんし。
だからといって、秘書と言っても通じるか分からん。なんて言えばいいか分からん!賢い文官と言ったとしてもそんな奴いるわけがないだろうし。と考えていると
「賢い者ですか…。そうなると犯罪奴隷や戦争奴隷は当てはまる者は少ないかと」
まぁそれは何となく分かる。スラム街があるんだ。今日食べる物が無ければ盗むしかない。そういった者達が多いのだと思う。そんな者達に読み書きできる者がいるとは思わない。
戦争奴隷は雇われた敗戦国や傭兵等が奴隷になっているのだと思うのだが、そもそもここ最近、国同士が戦争したなんて聞かないし、傭兵などに読み書きなんてほとんど必要ない。ちなみに冒険者もだ。
有名になって貴族とのコネクションができれば学ぶ事もあるのかもしれないが、そこまで名のしれてない傭兵達に読み書きは期待できないだろう。
そもそもこの世界の識字率はかなり低い。貴族なら読み書き出来るだろうが、平民には必要ない。読み書きするぐらいなら少しでも仕事をするだろう。
「確かにな」
「ルーク様。高級奴隷と言う者達がおりましてその者達を連れてきてもよろしいでしょうか?」
「高級奴隷?」
奴隷は3つの奴隷しかいないんじゃなかったのか?
「はい。容姿が良かったり、特殊な魔法の才能やスキルがあったりする者を私が選び育てている奴隷です。そのルーク様が仰る賢い者がいるかは分かりませんが、借金奴隷や犯罪奴隷達よりかは賢いかと」
へぇ。そんな奴隷もいるのか。これは期待だ。
「ミルハイムさん高級奴隷を連れてきてもらえますか?」
「畏まりました」
そう言ってミルハイムさんは一度部屋から退出する。高級奴隷か。一体どんな者達なのかな?と考えているとすぐにミルハイムさんが戻ってきた。やけに早い。まさかここに来る前から高級奴隷を俺に見せようと画策してたのか?そう思っていたならかなりのやり手だぞ。
「お待たせしました。今用意できる高級奴隷は5人しかいません。ですので5人全て連れてきました。…入っていいぞ!」
ミルハイムさんがそう叫ぶと5人の女性が入って来る。5人の女性は確かに容姿が良い。普通に歩いていたら奴隷とは思わない。だが俺が探してるのは可愛い娘ではない。
「では1人ずつ自己紹介などしていきましょうか」
1人ずつ「初めましてルーク様」と自己紹介していく。紹介の際に主なスキルも教えてくれる。まぁ俺は【神眼】を持っているから必要ないのだが。1人ずつ自己紹介していくついでに俺のユニークスキル【神眼】で相手のスキル等を見ていく。こういう時はほんと便利だな。
確かスキルって教会とかで見られるのだったっけ?時間が空いたら言ってみるか?
そんな事を考えながら見ているが、今は4人目だがパッとする様な人物はいない。なんかスキルに【性技】とか持ってる奴隷もいた。
確かに特殊なスキルだが、こんな娘を引取れば確実に女性守護王達から何を言われるか。プリンでさえ引いちゃうよ。いや雇いたいとは思ってないが、もし雇った場合だ。決して俺は雇いたいとは思っていないぞ!それより最後の女性だ。
「では最後の奴隷ですね。自己紹介を」
「……」
ミルハイムさんが自己紹介を。と言ってもその女性は口を開かない。むしろ少し不機嫌そうだ。髪型は赤でロングのストレート。目も赤い。それなりに美人だ。胸はでかくもなければ小さくもないと言ったところか。しかし全然喋らないな。いや喋れないのか?
「ミルハイムさん彼女は?」
「あー申し訳ありません。彼女は喋れない訳ではないのですよ。彼女の名前はアルマ。実は彼女は魔人族でしてね。200百年前、魔王が勇者に討伐された際に魔人族は人間には捕まらないと逃げ出したのです。彼女の家族も逃げ出したのですよ。その時はまだアルマは産まれてなかったのですが、約70年前にアルマを産んだらしいですね。その後も山や森を転々として、人に見つからずの生活は苦しくも幸せだったとか。弟も授かり順風満帆だったのですが、5年前人間に見つかってしまったのです。アルマの父と母は、アルマとアルマの弟を逃がす為に人間と戦いましたが多勢に無勢。戦死しました。アルマと弟は2人で逃げ続けていたのですが、弟は逃げている最中に病に侵され死んでしまったのです。アルマも飲まず食わずでもうダメかと思っていたらしいのですが、その時にちょうど私が通りかかってね。それで連れて帰ったのですよ」
へぇー。そんな過去があったのか。そりゃ人間を恨むわ。不機嫌な理由もそれか?
「私の話はそれぐらいにしてください」
「おや。これはすまないね」
「なるほど。そんな事があったのですか」
魔王を倒したんだろ?なら逃げてる奴を追わなくてもいいと思うんだが。魔人族と言うだけで人間は危険だと思い殺すのか。
まぁ今まで魔人族が何をしたか知らんが、恐らく魔人族は人間にとって魔物と同じ感覚なんだろう。と俺は考える。ステータスも一応見てみるか。と俺は【神眼】で彼女の情報をみる。
・名 前:アルマ・レングラシス
・種 族:魔人族
・年 齢:86
・レベル:172
・称 号:奴隷
・スキル:【闇属性魔法Lv2】【気配感知】【魔力操作】【執筆Lv3】【算術Lv3】
・ユニーク:
ほう、中々いいな。特にスキルの【執筆】と【算術】。【執筆】ってのは恐らく文字を書く事だろう。この世界での識字率はかなり低い。それに元々紙はかなり高級だ。
羊皮紙とかでも練習はできるが、この世界には魔物がいるからな。勉強するよりは冒険者になる者や家の跡継ぎ(農家とか)になる者の方が多いんだろう。なので字を書けなくても問題ないという者が多いか。
羊皮紙も、もっと別の物に使われているのだろう。それに【算術】だ。【算術】は基本商人の人しか覚えない。普通の人間、いや魔人が覚えてるのはラッキーかも。
俺達トワイライト王国の者に【執筆】や【算術】スキルががないのは、恐らく元々、日本のゲーム〈聖戦タクティクスウォー〉のデータを元に器は作られているからだろう。要は書けて当たり前だからこそ無いのだろう。まぁ俺は学校とかである程度は学んでいる。ちなみにこの世界の文字も問題なく書ける。これも女神様のおかけだ。
それと【気配感知】が付いているな。大方、逃げている時に周りの気配を探りながら逃げていたから覚えたのかもな。
あと気になるのは首に付いている首輪だ。鑑定してみると隷属の首輪と書かれていた。やはりこういう装飾品もあるのだな。他の高級奴隷もそうだが、みんな首に首輪をつけている。そういえば街にいた人間と獣人奴隷のパーティがいたがその獣人のにも首輪は付いていた。
恐らくこの隷属の首輪が付いているから裏切れないようになっているのだろう。主人の命令は絶対みたいな?だがアルマは他の高級奴隷よりは良い。
俺が求めていた者よりは少し程遠いが、この5人の中では一番近いだろう。いや俺が求めすぎているのかもしれない。もっと能力が高ければとか奴隷にそこまで期待するのも酷な話だ。ならばアルマを引き取って1から覚えさせればいいか。
「ルーク様。この5人の中で奴隷を買いたいという者がいなければ借金奴隷も幾人か連れてきましょう」
「あぁ。ありがとう。だが既に決まっている」
「おぉ。そうですか!ではどの者に致しましょう?」
「俺はアルマという者を買いたい」
「ほ、本当によろしいのですか?」
「あぁ」
「わ、私をですか?」
「そうだお前だ」
「良かったではないか!」
とミルハイムさんが心から喜んでいるのだが
「…良かった?ふざけないでくださいっ!何故こんな人間共に従わなければいけないのですか!私から父や母を奪っておきながら!マルスの事もそうです!貴方達人間が来なければマルスは病に侵される事は無かったですし、父や母が死ぬことはなかったのです!」
「アルマ…」
マルスと言うのは弟の事か?他の奴隷は買ってもらう為に必死なのだが、アルマは買われることが嫌みたいだ。まぁ俺からすれば駄々をこねる子供だ。
「言いたい事はそれだけか?ミルハイムさん手続きを頼みます」
「ちょ!?聞いているのですか!?」
「アルマの父や母が人間に殺された事や弟が病気で亡くなった事には同情はする…が、その事が俺に何の関係がある?アルマ、お前に拒否権はない」
力が無い者は大切な物を奪われ搾取される。この世界はそういう世界なのだ。
「…くっ!」
「アルマ。ルーク様は他の人よりも良い人だと私は思うのですよ。他の人に買われるぐらいならルーク様に買われた方がいいとおもうんだよ」
「……分かりました。ここを出る準備をしてきます」
そう言ってアルマは渋々部屋から出ていく。
「ルーク様申し訳ありません。教育がなっていなくて」
「そんな事は別に気にしてないですよ」
「アルマはああいう子なので私からもお願いします」
「分かっていますよ。悪い様にはしません。俺も奴隷を物と扱う事は出来ませんからね」
人を殺した事があるとはいえ、なんの罪も無い、俺に危害を加えようとした訳でもない者を物と扱う事は流石の俺も出来ない。
「ありがとうございます」
「で、アルマはいくらなんですか?」
「アルマは金貨20枚です」
金貨20枚か。それは高級奴隷としては高いの低いのかわからん。
「高級奴隷で金貨20枚ってのは高いのですか?」
「いえかなり安いですね」
「そうなのですか?」
「はい。アルマは魔人族なのでアルマを買う人間はほとんどいません。魔人族という希少性からこの金額なのですがね。まぁ魔人国にいけばそれほど珍しくはないですが、人間の国からしたら珍しいですから。ただ、魔人族を嫌う人は多いですし、それにああいう性格だからか買い手もほとんどいないのです」
「なるほど」
俺は懐から金貨20枚を出してミルハイムさんに渡す。
「ありがとうございます」
「こちらこそ良い取引が出来ました。奴隷に希少種とかいたりするのですか?」
「稀にありますね。10年前は植物人族が売りに出てたと聞きましたね」
おぉ!ドライアドもこの世界にいるのか!さすがファンタジー!ちなみにドライアドは限りなく精霊に近い人族らしく、エルフや獣人族には特に敬われている。
「そうですか。もし希少種が手に入ったのなら俺に教えてほしいんですが」
「それは勿論です!あなたに買われる奴隷は幸せになると私は思っているのですよ」
「まぁそれは分からないですが、不便な生活はさせないようにはします」
「それだけで売った私からすれば安心すると言うものです」
そう話しているとアルマが戻ってくる。
「…準備が出来ました」
「そうか。ではルーク様、私が今から隷属魔法を唱えます。いまアルマの主人は私になっていますが、隷属魔法でアルマの主人を私からルーク様に譲渡します」
ミルハイムさんそう言うと隷属魔法〈スレイヴ〉を唱える。痛みはないがアルマと繋がりがあるのを感覚的にわかる。
「これで大丈夫です。アルマはルーク様を害する事は出来ませんし、ルーク様の命令は絶対に聞きます。後はルーク様の不利益になる行動は出来なくなりますね」
「なるほど」
「それとこの隷属の首輪を解除するには奴隷商人に解除してもらうか、この隷属の首輪に掛けられた隷属魔法の術式を解析して解除するか、魔法効果を打ち消す魔法を使用するかのどれかになります」
「そんな事を教えてもいいのですか?」
教えるのはいいがデメリットしかないと思うのだが。術式を解析するのはレイアに頼めばすぐ済むだろうし、魔法効果を打ち消す、これは恐らくだが無属性魔法の解呪が有効なのではないか?使えるぞ?俺。
「えぇ。隷属の首輪とは元々普通の首輪なのですが、その普通の首輪に隷属魔法を組み込んでいるのです。その隷属魔法の術式を解析して解除するのは宮廷魔道士でもかなり難しい話です。それに魔法効果を打ち消す魔法も遠い昔に途絶えたと言いますからね。それに例えルーク様が解除できたとしても、奴隷を悪い様にはしないと思いますからね」
「そうですか。ありがとうございます」
ミルハイムさんは俺の何を見てここまで信用しているか分からないが、ミルハイムさんの信用はありがたい。ミルハイムさんが失望しないようにこれからも付き合っていきたい。
「さて。私はこれから店に戻りますがルーク様は…」
「俺達は一度、中央通り東の物置小屋を見に行きます。見たらまたミルハイムさんの店に寄らせていただいても?」
「それは勿論でございます!今日は特に予定がありませんからね」
「分かりました。では私達はそろそろ行きますね」
「もうですか?少しゆっくりしていけばとと思うのですが」
そうしたいのだがやる事が多すぎてなー。日本にいた時より働いてるような気がする…。まぁ日本いた時よりも楽しんでるのだが。
「すみません。今日はかなり予定が詰まっていて。これからもミルハイムさんの店にはお世話になると思いますので、その時にゆっくりお話しましょう」
「分かりました。では今日はこれで。また後程お待ちしておりますね」
そう言って俺達はミルハイムさんの屋敷から出る。
「アルマ、幸せになってくださいね」
「……努力します」
アルマもミルハイムさんとのお別れの言葉を話したのかこちらに来る。そして俺達はミルハイムさんの店を後にして物置小屋を見に行く。
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俺達はミルハイムさんの屋敷を出てそのまま中央通り東にある物置小屋を目指す。中央通り東と言うが通りにあるのではなく、かなり入り組んだ奥の場所にあるらしい。ミルハイムさんから簡易な地図は貰っているので場所は大体わかる。
中央通り東は市場の様に活気があり、色んな所から声が届く。色んな野菜等が売られていてかなり賑やかだ。だが市場から路地に入り、入り組んだ道を行けば行くほど活気が無くなり街並みもどんどんボロボロになっていく。
家も壁が罅割れたり、屋根が一部無い家もある。中央通り東エリアに入った時は人も賑やかだったのに、今では人が通る事はあまりない。路地には歩けないのか壁に背を預け座って動かない者もいる。
そしてたまにすれ違う人は睨んだり恨めしそうな目をこちらに向けている。アルマもそれが分かっているのか少し怯えている。
「アルマ、あまり俺から離れるなよ?」
「何故私が貴方の指示に従わないといけないのですか?よりにもよって下等しゅ…ひっ!?」
俺の注意にアルマが従わず、あろうことか下等種と言いかけたところ、リルとドラグが指向性の殺気をアルマに向けている。流石に全力の殺気なら失神してしまうので抑えているが。ちなみに指向性ではない殺気なら辺り一面に殺気を放出して周りの人間を怖がらせてしまう。運が悪ければ失神する。
「あんたええ加減にせえや?あんまり煩いと右腕を切り落とすで?」
「あまりわたくし達のご主人様を侮辱しませんように」
「リル、ドラグ、そこまでだ。だがリルとドラグのその忠義は有り難く思う」
俺がそう言うとリルとドラグは殺気を出すのをやめる。アルマも助かったのかホッとしている。
「アルマ、今は俺がいるからこれぐらいで済んでいるが、これからお前が働く場所には俺がいない事が多い。これがどういう意味かはお前でも分かるだろ?くれぐれも口には気を付けろ」
俺が言うと頷きはしないが、理解はした様な顔をしている。まぁ大丈夫とは思うが少し心配だ。俺はそう思いながら物置小屋に目指すのであった。
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奴隷についてもう少し詳しいお話
隷属の首輪は上級貴族と王に認められている奴隷商に管理を任せられている。隷属の首輪を悪事に使われたら面倒くさい事になるからである。まぁ実際、あくどい奴隷商はいる。
奴隷は貴族の中では一種のステータスで、より強く、より美しく、より高い奴隷を買う事で財力を示せる。
奴隷と契約する上で主人となる者が厳守しなければならない盟約もある。
・犯罪奴隷
犯罪奴隷は一生奴隷ではなく、買われた瞬間から最低何年、何十年働けば解放される事になっている。働く年数は犯罪奴隷によって様々で、罪の重さで年数は変わり、特に罪の重い犯罪奴隷は問答無用で鉱山等(一生奴隷)に送られる。
ちなみに、軽い盗みや暴力沙汰は罰金になることが多く、払えなければ犯罪奴隷ではなく借金奴隷になる。
犯罪奴隷、主人が厳守しなければならない盟約
・誰かを殺すや、物を盗む等の命令禁止
・衣食住は主人が提供する。ただし食事は最低1日1回でも良い。
・主人が奴隷を解放したくても奴隷期間が終わるまで解放はされない。
しかも過度な労働を禁止していないので使い潰しても良い。奴隷商では安いが、需要はある。
厳守される盟約は奴隷側にもあり、例えば自殺できないや、主人や他人に危害を加える事が出来ない等、色々ある。
・借金奴隷
借金奴隷は、その奴隷の借金を奴隷商が肩代わりする。借金奴隷の値段は、奴隷の借金の金額で変わるが、奴隷の元あった借金よりも多めの値段で取引される。
借金奴隷の奴隷期間は、取引された金額の値段で変わる。金貨5枚の借金なら約2年。金貨10枚の借金なら約4年と、金貨5枚の借金ならだいたい2年ぐらいその主人の元で働かなければならない。つまり対価は労働力である。
給金ではなく何故労働力なのかは、借金奴隷を買い、働いているにも関わらず給金を渡さない、もしくは給金があまりにも少なすぎて、一生奴隷から開放されない事が昔起きたからだ。
子供が盗みを犯した場合も罰金を払えなければ借金奴隷にされる。親が肩代わりする事も出来るが、肩代わりする親はほとんどいない。何故なら子供の罰金はかなり高いからだ。
子供が盗みで捕まった場合は金貨10枚の罰金である。少し高いがこれには理由がある。
借金奴隷の待遇は悪くないし、4年もすれば子供は働ける年齢になる事が多いからだ。
借金奴隷、主人が厳守しなければならない盟約
・誰かを殺すや、物を盗む等の命令禁止
・衣食住は主人が提供する。ただし食事は最低1日2回以上。
・過度な労働は禁止
・性的な行為は禁止(お互いが了承を得てるなら可)
もちろん買った主人が、お前は充分働いたから解放する。といえば解放される。つまり借金奴隷を買ってすぐに解放させる事も出来る。ちなみに罪のない者が奴隷にさせられる事があるが、その場合は借金奴隷になる事が多い。理由は犯罪奴隷よりも高く買い取られるから。
借金奴隷は、借金していた暮らしよりも良い暮らしが出来る事の方が多いので、借金を返済しても働きたいという者の方が多い。ただ、良い暮らしが出来る方が多いだけで、もちろん良くない暮らしもある。
子供は1人で生きていける能力が無い為、生きる為に盗みを犯す。まだ小さい子供が盗みをするのは、どちらかと言うとスラム街を形成し、放置している国側の問題だ。
とはいえ、王もこの事には頭を抱えており、ギルドの子供でも出来る仕事等はいつも取り合いになって、逆にゴブリン討伐等の簡単だが、子供には厳しい仕事は人気が無いらしい。
ちなみに借金奴隷は、金貨1枚以上の借金がある者が落とされる。金貨1枚は平民にとっては大金なのだ。
・戦争奴隷
戦争奴隷は基本犯罪奴隷と同じ契約内容になる。ただ、戦争奴隷は犯罪奴隷と違って屈強な者が多い為、国が直接買う事が多い。もちろん戦力という形で買うので、軍と同じ扱いをされる方が多いので、待遇はそこまで悪くない。主人が厳守する盟約も同じである。
・高級奴隷
高級奴隷は奴隷商の店主が認めた者しか買う事が出来ない。ルークと初めてあった時にミルハイムは今後も付き合っていくという感だけで高級奴隷を勧めた。
高級奴隷は犯罪奴隷、借金奴隷、戦争奴隷から、剣の才能や魔法の才能等、その者のスキル見て判断したり、希少種等が選ばれて奴隷商の店主が自ら面倒を見て育てる。
高級奴隷の厳守される盟約も借金奴隷とほとんど一緒で、違う所は借金の金額で奴隷期間が変わるところだ。高級奴隷は借金奴隷と違い、奴隷期間は一律10年で、もちろんすぐに解放する事も出来る。
元は犯罪奴隷や戦争奴隷でも、高級奴隷に選ばれれば、厳守される盟約の内容は借金奴隷と似たような盟約になる。
ちなみに高級奴隷として育てる場合はそれなりにお金がかかるので、小さい奴隷商店ならまず出来ない。
・奴隷の値段
奴隷の値段は1人1人金額が違う。
犯罪奴隷は基本的にはかなり安いのだが、たまに魔法の適性が良かったり、剣術スキル等が高かったりすると男でも選ばれる事があるし、値段が跳ね上がる。それは戦争奴隷でも同じである。
ちなみに魔法適性が3つ以上だとか、剣術スキル等が高ければ、どんなに重い罪でも鉱山行きではなく、普通に売られる事の方が多い。犯罪奴隷や戦争奴隷だと値段が跳ね上がるが、魔法適性が多いと、国から買われる事もあるからだ。借金奴隷は魔法適性が多かったり、良いスキルを持ってても値段は変わらない。あくまで借金した金額の値段だ。なので掘り出し者が見つかるかもしれない。
高級奴隷の値段はスキル(魔法の適正や強力なスキル)、容姿、希少性(種族)などで基本決まる。スキルも容姿も希少性もある女なら金貨1000枚超えることもある。
なので、高級奴隷のアルマが如何に安いかが分かる。過去に人間と魔人族の戦争があり、そのせいで魔人族は嫌われているのでどんだけ安くても買わない人が多いのだ。
なんの罪も無い者を攫い、奴隷として売り飛ばす違法奴隷というのもある。能力が高ければ犯罪奴隷に、能力が低ければ借金奴隷として売り飛ばす。
ちなみに借金奴隷には能力が高い者はほとんどいない。何故なら、能力が高ければ冒険者でも稼いでいけるからだ。まだ子供で強力なスキルを持っている者はたまにいるらしいが。
ミルハイムみたいな大きな奴隷商には簡易ステータス版という物がある。かなり高価な物だが、貴族や大商人なら持っている者の方が多い。ちなみに持ち運び可能である。本物のステータス版は王城や教会にある。
本物のステータス版ならユニークスキルまで見れるが、簡易ステータス版ならユニークは見れない。
読んでいただきありがとうございますm(_ _)m




