メイド達の観光2
side:リシア
「ここから北西エリアになっています。北西エリアは主に雑貨等の店が建ち並ぶエリアになっています」
凄いですね!色んな店があります!見た事も聞いた事もない物も売られていたりしますね!
「こ、これ凄いですよ!」
「わ、私達の顔が分かるのですか!」
「それは手鏡です。いつでも自分の身だしなみを確認出来る便利な道具です」
ルビー様は私達が気になった商品を丁寧に教えてくれる。見た事もなく、これほど便利な道具ですから、私以外のメイド達もかなり興奮しています!もちろん私もですが!
「この四角くて良い匂いがする物はなんですか?」
「それは石鹸です」
「石鹸ですか!?王都にもありますが、高いですよ!このトワイライト王国では金貨何枚で買えるのでしょうか?」
それは気になりますね。このトワイライト王国のお金は金貨ではないのですよね。ルビー様がいうには【円】と言うのですが、やはり値段が分かりません。200円と書いてますが、幾らぐらいなんでしょうか?
「そうですねー。王都の硬貨で表すなら石鹸1個、銅貨2枚ぐらいですね」
「銅貨2枚ですか!?安すぎませんか!?」
「石鹸なんてお金持ちの人しか使わないと思っていたのですが…」
「この国では、石鹸は日用品なのですよ」
「石鹸が日用品…」
他のメイド達も驚いていますが、私も驚いています!石鹸は、王都では1個金貨3枚ですよ!それがこの国では銅貨2枚!しかも石鹸が日用品ですよ!この魔物の国は王都よりも良い暮らしをしているのではないでしょうか?そんな事よりも私も欲しいです!
「ちなみにこちらの瓶に入った液体があるのですが、これもお風呂に入る際に使う物です」
「これは何なのでしょうか?」
「これはシャンプーと言います。こちらはリンスと言います」
しゃんぷー?りんす?やはりこれも聞いた事がありません。ですがルビー様がお勧めするという事は便利な物なのでしょう!
「どういった物なのでしょうか?」
「これは髪の毛を洗う際に使う物です。シャンプーは髪の毛や頭皮の汚れを落としてくれます。リンスは髪の毛や頭皮の汚れを落とした後に使う物で、髪のパサつき等を抑える役割があります。このリンスを使う事によって、髪が艶やかになりますよ。女性ならば使ってても損はない物ですね。…いえ、女性ならば必需品かもしれません」
そ、そんな便利な物があるのですか!私はメイドですが、これでも女性です!女性であるならば、いつまでも可愛く、そして美しくありたいものです!それに、しゃんぷーとりんすは王都には無い物です!恐らく他の国にも売ってないでしょう。もし売っているなら、それこそ有名になっていますからね!つまりしゃんぷーとりんすはこの国にしか売ってないという事です!
そういえば、先程から気になっていたのですが、この国の女性は髪が綺麗なんですよね!ルビー様もそうですが、先程の天使族の女性も。そういえばルーク様も髪が綺麗というか艶やかだったような…。もしかすればこのしゃんぷーとりんすを使っているかもしれません。
「もちろんシャンプーとリンスもこの国では日用品なので値段は安いですよ」
「欲しいです!今すぐ欲しいです!」
「わ、私もです!」
「そう焦らずに。ルーク様のメイドになればいくらでも買いに来る事が出来ますよ?」
ふふっ。とルビー様は笑う。このしゃんぷーとりんすに、ご主人様のメイドにはなりたくない者でも抗えないかもしれません!まぁ私はもう決まっていますのでどうでもいい事ですが。
「冗談ですよ。例えメイドにならなかったとしても、シャンプーとリンスを買えるようにはしますよ。まぁ、買いたい者がいればですが」
そんな物みんな買いたいに決まっています!他のメイド達も欲しそうに見ていますからね!正直、これだけでご主人様に選ばれて良かったと思えます!
「では次に行きましょう。次はもう少し北西エリアの奥にいきます。シャンプーとリンスはいつでも買えますので、今は案内を優先いたします」
「「「「「はいっ!」」」」」
いつでも買えますと言われて、メイド達は嬉しいのかいつもより返事が大きい。私もですが。私達は次の場所に向かう。次の場所は同じ北西エリアなのですぐに着きました。そこは大きな大木がそびえ立っており、ある意味トワイライト王国の王城よりも目立っているかもしれない。というより違うエリアに行っても、遠目からこの大木が見えていたので少し気になっていた。
「ここは妖精達の家です。もちろん妖精女王であらせられる、フリージア様も住んでいますよ」
ここに妖精族が住んでいるのですか!しかも家が大木とは…。それにこの大木にはあの、よ、妖精女王が住んでいらっしゃるのですか…。なんとも恐れ多いです…。
「この大木の中には妖精達が住んでいるのですが、実はこの大木の一番上、枝の部分に家を作る計画が進んでいます。天使達は、今は下に暮らしているのですが、それだとあまり羽を使わなくなり、退化して飛べなくなる者が出てくるかもしれません」
「な、なるほど。下にいる生活だとあまり羽を使わないかもしれませんね」
「もちろん退化などしないかもしれませんが、それは分かりません。なので大木の枝に、天使や堕天使達の家を作る計画が進んでいます。全ての天使達の家が作れないなら、また新たな大木を生やすかもしれません。セレス様1人では流石に無理ですが、木魔法が使える魔道士が何人も集まれば生やせるかもしれません」
この大きさの大木を生やすって…。本気で言ってるんでしょうね…。それにしてもセレス様か。恐らく守護王様なのでしょう。
「ルーク様曰く、空中に浮かぶ島をゆくゆくは作りたいとか」
「そ、それも本気なのでしょうか…?」
「ルーク様は本気ですよ?ルーク様は仰っていました。昔、天空の城に憧れていたと。まぁ城でなくても村でも街でもルーク様はいいそうですが。ちょうど天使達もいるのでゆくゆくですが、天空の島に住まわせるかもしれません。もちろん飛べない者も行ける島ですが」
「壮大な計画ですが、実現はするのでしょうか…?」
他のメイド達も私の言葉に頷いています。確かにこの国は凄い魔道具とかもあります。ですが、流石に空中に浮かぶ島を作るとなると想像出来ないと言いますか…。あの魔導大国エクセリオンでも無理だと思います。ですがルビー様は
「実現の目処は立っていますよ?イーリス様やドラグ様、レイア様が使える重力魔法を駆使して、重力の魔道具を作るらしいです。それに最近レイア様が発見した、重力結晶なる物を見つけたから計画は一気に進んだとか。島は、この世界の人が住んでない島を拝借するか、島を1から作るか悩んでいるらしいですが」
わ、私はルビー様が何を言ってるのかよく分からないです。島を拝借する?島を作る?あ、頭が痛くなってきました…。他のメイド達もかなり困惑している顔になっています。
「まぁルーク様のやりたい事の1つですし、天使達も空の生活の方が、のびのび暮らせるのではないでしょうか?」
「そ、そうですね…。私もそう思います…」
もう受け答えも疲れてきました…。ですが、本当に空中に浮かぶ村や街など作れたら凄いですよね!それに飛べない者も行けてしまうのですから、一度は行ってみたいですよね!
「では最後に北東エリアに向かいましょう」
ルビー様は何もなかったかのように北東エリアに向かう。私達もルビー様の後に続く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここから北東エリアになります。ここは北西エリアと同じ商業エリアですが、主に食材や食事処、あとは宿屋などが建ち並んでいます。屋台などもあります。このエリアを最後に案内したのは、食べ歩きでもしようかなと思いましたので、このエリアを最後にしました」
「で、ですが私達お金が…」
「ルーク様からお金は貰っています。今日はルーク様が出してくれますので、存分に食べてもらっても大丈夫です。ただし、食べ過ぎには注意してくださいね」
ルビー様の言葉に私含めてメイド達は花を咲かせたような笑顔になる。無理もないです!既に良い匂いがそこかしこから漂っているのですから!ですが…
「い、いいのですか?」
「はい。トワイライト王国ならではの料理などをお楽しみください。では行きましょう」
私達は歩くのですが、そこら中から呼び込みが聞こえてきて、かなり賑わっているのが分かる。しかも聞いた事がない料理ばかりで前に全然進まないのです!1つ1つ見て味わってみたいのです!
「なんちゃってたこ焼きは如何ですかー?」
「こっちはお好み焼きだよー!」
「焼き鳥が出来上がったよー!食べていく者はいるかい?」
どれもこれも美味しそうですが、どんな食べ物か分からないので悩みます!魔物の国などで本当に食べても大丈夫なのかわかりません。ですが、この匂いには抗えないのです!
「大丈夫ですよ。私達もまともな食事を食べています。毒などありません」
「そ、そうですよね!それなら私はあれがいいです!良い匂いがするんですよ!」
1人のメイドが店に走っていくのでみんなで付いていく。
「らっしゃい!ここはなんちゃってたこ焼きだよ!食べていくかい?」
「なんちゃってですか?」
「あぁ、悪いな。いまタコを仕入れる事が出来なくてな、タコ抜きになってしまうがうまいぞ?」
「で、では1つください!」
「あいよ!1つというか8個入りなんだがな。300円だよ」
「では、私が払いますね」
ルビー様が払ってくれる。なんちゃってたこ焼きを受け取ったメイドの顔は凄く嬉しそうで、良い笑顔をしている。この子はよっぽど食べるのが好きなんだろうなぁ。
「まいど!熱いから気を付けるんだぞ?」
「ありがとうございます!」
なんちゃってたこ焼きをメイドは目をキラキラしながら食べ物を見つめている。
「はしたないですが、ここで食べちゃってもいいのでしょうか?」
「えぇ、いいですよ。屋台とはそういうものですからね」
「で、ではいただきます…あーん…あふっ!あふっ!」
メイドが熱がっている姿を見てなんちゃってたこ焼きの店主が笑う。
「はっはっはっ!嬢ちゃん、たこ焼き食べるの初めてだろ?初めての奴は熱いから気を付けろと言っても聞かねぇからな!舌の上で転がして冷ましてから食べな?」
「あふっ…!……んっ!ん~~~!!何ですかこれは!!おいしすぎます!外はカリッとして中はとろとろ!それにこのなんちゃってたこ焼きに掛かっている茶色?と黄色?のやつが美味しくてもう最高です!こんなに美味しい食べ物は食べた事がありません!」
食べたメイドはそう言っている。確かに美味しそうですが、こんなに美味しい食べ物を食べた事が無いは言い過ぎではないでしょうか?
「そこまで褒めてくれると嬉しいね!その茶色いのはソースという調味料で、黄色はマヨネーズという調味料だ。うめぇだろ?」
「はいっ!いくらでも食べてしまいます!」
「舌を火傷したのではないですか?」
ルビー様がメイドに聞いている。
「は、はい…。少しですが。でも美味しいので大丈夫です!」
「なんですかその理由は…。いいから舌を見せなさい?」
「はいっ…」
「これぐらいなら大丈夫ですね。じっとしてなさい。<回癒>。これで大丈夫なはずです」
「ルビー様は回復魔法を使えるのですか!?」
「使えるといってもほんの基本程度ですよ」
基本程度でも回復魔法を使える事は凄い事です!メイドというのは魔法適正があったとしても、魔法の練習をする事は少ないです。魔法を覚えたとしても、全く使わないからです。何かあった時に覚えるのもいいかもしれませんが、魔法を覚える為に時間を使うなら、家事や掃除等を覚える方が先ですから。なので魔法を覚えているメイドはほんの一握りだと思います。
「凄いですね!」
「それよりも皆さんもなんちゃってたこ焼きを食べてください!どうぞ!」
なんちゃってたこ焼きを買ったメイドがみんなに配っている。
「ありがとう。じゃあ私もいただきますね!」
確かに匂いは良い匂いで美味しそうです!さっきこのメイドが火傷していたので、私はちゃんと冷ましてから食べる事にする。…もういいかな?私はなんちゃってたこ焼きを食べる。
「…んっ!本当です!こんなに美味しいのですか!」
さっきのメイドが言った通り、外はカリカリで中はトロリとしている。それにこのそーす?と、まよねーず?という調味料が、かなりいい味を出しています!こんな調味料は王都にはありません!美味しすぎます!確かにこんな美味しい物は食べた事がありません!私達はなんちゃってたこ焼きを堪能していると
「あぁ、ここにいましたのね」
「シーナ早かったね。では皆さんここからはみんなで行動しますので、食べたい物があれば私達に言ってくださいね」
シーナ様と、シーナ様に案内されていたメイド達と合流する。ルビー様が言った通りここからはみんなで行動するようだ。
「「「「「はいっ!」」」」」
その後、私達は色々な屋台などを食べ歩きました。お好み焼きや焼き鳥、おでんという食べ物も食べました!それでもまだまだ食べてない物が、まだ知らない料理がいっぱいあります!いつか制覇してみたいです!
「では皆さんもお腹が膨れた事だと思いますので城に戻りましょうか」
「トワイライト王国の観光はここまでですわ。今日はこの城で泊っていってください。部屋も用意していますので、ご安心くださいませ。夕食の時間になればお呼びしますので、その時までお寛ぎください」
なんと至れり尽くせりな事でしょう!自分がお姫様になったかのような感覚です。それに、もしメイドになるのであればルビー様やシーナ様は当然、私達の上に立つ者になると思うのです。ですが、ルビー様やシーナ様は私達に偉そうにせず、まるで私達が貴族様方のように振舞ってくれます。
ルビー様達は最初にも言いましたが、私達をこの国に招かれたお客様として扱うと言っていました。つまり、この国の王のお客様という事です。マナリア様も言ってましたが、メイドとは主様に全力で尽くしてこそ本物のメイドだと。
そして私は理解しました。これが本物のメイドの姿だと。私達がルビー様達の部下になるかもしれませんが、今はご主人様のお客様です。なので失礼のないように立ち振る舞っているのでしょう。恐らくここに連れてこられたメイド達は私と同じ事を思っているのでしょう。
この国はもちろん良い国でした。私がご主人様のメイドになりたいと思ったのは、ご主人様が私を選んでくださったから、この方のメイドになりたいと思いました。
もちろん今もそう思っていますが、もう1つご主人様のメイドになりたい理由が増えました。ご主人様のメイドには本物のメイドがいます。私はこの方達の側にいて、もっと勉強したいなと思いました。私はまだまだです。なのでこの方達の下で働きたいです。この方達の様なメイドになりたいです。
私は新たな目標を持ってご主人様のメイドになる事を決意するのであった。
読んでいただきありがとうございますm(_ _)m




