未だに誰も住んでない屋敷
さて、まずは王都に行って、ミルハイムさんの店に行くとするか。そうそうこの2ヶ月で変わったというよりも、気づいた事がある。スキルの【剣術】が上がっていたな。あとは、新しい称号が追加されてたな。俺もちょくちょく狩っていたからな。
まぁちょくちょく狩っていたが、周りの敵はほとんどクイン達が狩り尽くしていた。クイン達は雑食なので肉も食べる。なので迷宮では俺が指示しなくてもDビーが、俺から半径2キロ内はもちろん、半径2キロ外まで勝手に狩りに出て行ってる。
クインの子供達も、この2ヶ月でかなり大所帯になった。今は300匹はいるだろう。なので自分達のエサは自分達で狩らせている。迷宮はクイン達のエサを稼ぐにはかなり相性がいい。倒しても倒しても勝手に湧いてくるからな。
クインの子供達の狩りを何度か見る事ができたのだが、なぜか可愛く見えるんだよな。クインの子供達は俺の家族でもあるからか?
何が可愛いって?迷宮10階層以降ではオークなどが普通に出てくるようになるんだが、オークの真後ろの空間が割れ、そこからDビーの針だけが出て、オークを刺し、オークが振り返れば空間の中に逃げるというヒット&アウェイ戦法で戦っている。
しかも3匹ぐらいで狩りをしているので、オークはあちこちから出てくる針に対応できなく、あっけなく狩られていた。倒したオークは異次元空間の中にある巣に運ぶのだが、その運ぶ姿もまた可愛らしい。
1匹ではオークを持てないので4匹で運んでいる姿は、某有名ゲームに出てくる、人参をモチーフにした生物、ピ○ミンに似ている。
また、クイン達は狩りをしながら花の蜜を集めている。10階層以降の迷宮も5~10階層と同じ、草原エリアなので、そこら辺に花が咲いている。どうやら狩りをする子供達と花の蜜を集める子供達、クインを世話する子供達に分かれているようだ。
狩りをする子供達もそれなりに多いので、俺の周りにいる敵が瞬く間に消えていく。
・名 前:ルーク・シルバ・トワイライト
・種 族:ホムンクルス
・年 齢:31
・レベル:261
・称 号:黄昏の王 魔物の主
・スキル:【無属性魔法Lv10】【剣術Lv3】【気配感知】【詠唱破棄】【魔力操作】【魔力感知】【言語翻訳】【言語変換】【一心同魔】【従魔経験値分配】
・ユニーク:【神眼】
俺のステータスの変化はこんなもんだ。レベルが前見た時より30上がっているな。これはほとんどクイン達のおかげだ。【従魔経験値分配】があるので、クイン達が倒した魔物の2割分の経験値が俺に入る。クイン達は餌で大量に狩るからな。あとは剣術が1だけ上がっただけだ。
女神様から戦争を止めてくれと言われているし、自分自身も強くならなければならないのだが、今は忙しいからな。正直、【従魔経験値分配】はありがたい。
新しい称号はどういうものなのか。俺はその称号をタップしてみる。
【魔物の主:従魔と契約した者】
うーん、シンプルだ。まぁ称号なんて、俺の情報を魔法などで見ない限り、見れないと思うから、あまり気にしないが。
【一心同魔】はクインのスキルにも確かあったな。従魔と心を通わせる事が出来る効果だったな。
あぁ、あと迷宮に持っていくテントも変わったというか、レイアに魔改造されていた。テントの中は、前のテントの中よりもかなり広くなっており、ベットも3人分から6人分になって男女一緒のテントにした。
そして、テントの中にはそこまで大きくないが、風呂も取り付けられた。さすがに女性守護王達がお風呂に入る時は男性守護王達は外に出ているが。
テントを男女一緒にしても、守護王達なら何か起きる事もないだろう。そして一番変わったのはやはり、テントの中に転移門が付けられた事だろう。
この転移門にはレイアの特殊な魔法が掛けられており、トワイライト王国の者たちにしか視認できないようになっている。
なので誰か知らない者がテントの中に入ってきても、見つかる心配は殆どない。テントの中に風呂が付けられた理由もそれに近い理由だ。知らない者が入ってきたら、トワイライト王国に戻って風呂に入るなんて出来ない。転移門を使えないからな。そうなった場合も、お風呂には入れる様にとレイアが配慮した結果だ。
そのような理由で前のテントから更に魔改造されて、今のテントが出来上がった。
まぁクイン達が狩りをしたり、魔改造されたテントのおかげで、迷宮の攻略は楽になったのだが、更に暇な時間が増えてしまった。暇ならトワイライト王国に戻ればいいのだが、戻るならクイン達が全員戻ってこないと戻れない。
クイン達が狩りをしている時に、暇な時は執務室の仕事をテントに持ち込んで、テントの中で仕事をしている。
クイン達が戻ってきたらトワイライト王国に戻って、仕事をするようにしている。いつでもテントから、トワイライト王国に行き来する事が出来きるので、エールがかなり喜んでいた。実際テントと行き来できるから朝起こしに来る。
とまぁ、迷宮はそんな感じで、順調に進んでいる。さてそろそろ王都に向かうか。俺は転移門部屋に向かい、転移門部屋の中に入る。中にはリル、セレス、プリン、ドラグがいる。今回王都に行くメンバーはこの4人だ。
「待たせたなお前達」
「全然待ってへんで!」
「リルの言う通り、私達も今来たところよ」
「ボクはルーク様のためならいくらでも待つのです!」
「プリンの意見には私も同感です」
「みんなすまんな。では行くとするか」
俺達はエールやメイド達に見送られて王都に行くのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
転移門がある物置小屋から出て、そのままミルハイムさんの店に向かう。迷宮を攻略したりしていたから、ミルハイムさんの店に来るのはかなり久しぶりだ。レナルドの店やマリナの店も、俺はほとんど何もしていない。
商品が少なくなったら配下に補充を任せているし、最高品質のポーションもテントからトワイライト王国にいけるので、執務室にポーション樽を置いてれば配下が持って行ってくれる。他力本願!だが忙しいのにはかわりない。なぜだ…。
そんな事を考えていたらミルハイムさんの店に着いた。中に入ると店の従業員らしき女性が声をかけてくる。
「いらっしゃいま…これはこれはルーク様!いつもお世話になっております!」
「いや、こちらこそ。ミルハイムさんにはいつも助けてもらっている」
「そう言っていただけるとミルハイム様もお喜びになります。それはそうと、今日はどういったご用件でしょうか」
「今日は客としてここに来た。少し大きい屋敷があれば買おうかと思ってな」
「それは、ありがとうございます!すぐにミルハイム様をお呼びいたします」
従業員の人が店の奥に入っていく。この前みたいに俺を知らない人ではなくてよかったぁ。普通の客であればミルハイムさんが直接相手にする事はないのだが、俺は特別みたいで、ミルハイムさんが直接相手をしてくれるみたいだ。誰かの特別っていうのはなんかいいもんだ。
ミルハイムさんの店にはもちろん俺以外にも客というか、貴族っぽい貴婦人の方が何人かいる。俺と従業員の話が聞こえていたのか、小さい声で貴婦人同士が話しているのが聞こえる。なんて話しているのか分からないが、居心地があまりよくない。
少し待つと従業員の人が戻ってくる。
「お待たせ致しました。ミルハイム様がお会いになるそうです。奥にどうぞ」
俺は奥に通される。ミルハイムさんの部屋のドアをノックする。
「どうぞ」
そう言葉が返ってきたので、俺達は中に入る。
「いらっしゃいませ、ルーク様」
「お久しぶりです、ミルハイムさん」
「お久しぶりです。2ヶ月前までは、3日に一度はお会いしていましたが、急に皆さん忙しくなりましたからね」
「そうですね。俺達は迷宮の攻略に出掛けていたので、なかなか会いに行けませんでしたが」
「聞きましたよ!Bランク冒険者になられたとか!おめでとうございます!」
「耳が早いですね。ありがとうございます」
「ふふ。商人は信頼もそうですが、情報も時にはお金になるのです。私独自の情報網があるのです。それはそうと今日は少し大きめな屋敷を探しているとか」
「はい。いつまでも宿屋に泊まりっきりというのは何かと不便ですからね」
情報もお金になるか。確かに情報は相手より有利に話を進めたりとか、戦争では偽の情報を流したりとか侮れない。情報を持っている、それだけでアドバンテージになる。そういった側面では情報網の構築がまだできてない。まぁ、情報網に関してはヴィーナ率いる闇ギルドに任せよう。
話は逸れたが、レナルドやマリナ、ミルハイムさんにはまだ、寝泊まりはトワイライト王国ではなく、宿屋で寝泊まりしている事になっている。
「それは確かにそうですね。では席に座って少しお待ちください。すぐにお茶などを用意させますので」
ミルハイムさんは少し席を外す。従業員の方がお茶やお菓子などを持ってくる。ちなみに守護王達は相変わらず俺の後ろで立っている。まぁ別にいいんだが、プリンよ、お菓子を食べに来てもいいんだぞ?俺は目で訴え、心の中でそう思っているが口にはしない。
お菓子を食べながら待っているとミルハイムさんが戻ってくる。
「お待たせしました。いま売りに出されている屋敷の書類を持ってきました」
「貴族街以外で売られている屋敷はあるか?」
「あるにはあるのですが…今売られている屋敷の中では小さい屋敷しかありません」
まぁそうだろうな。貴族は見栄などを気にする。貴族街以外に屋敷に建てたとしても、他の貴族には見られる事はそうそうないので、貴族街以外のところで大きな屋敷を建てる者はほとんどいない。小さい屋敷なら別荘感覚で建てるらしいが。
「そうですか」
俺はミルハイムさんから書類を受け取り、1つ1つ売られている屋敷の詳細が書かれている紙に目を通していく。ちなみに書類の紙はレナルドの店に売られている、最高級紙を使っている。ありがたい事だ。
しかし、うーむ…。なかなかいい物件がないなぁ。俺はそう思っていたが、最後に目を通した書類に目が留まる。
その屋敷は部屋が32部屋あり、客室も大食堂もある。大浴場も付いてる。かなりでかくないか?この屋敷。
「ミルハイムさんこの屋敷ですが…」
「あぁ、その屋敷ですか。その屋敷は貴族の中ではかなり人気でしてね」
「そうなのですか?その割には売れ残っていますよね?それにこの屋敷ですが、かなり大きいですよね?」
「その屋敷はかなり大きいですね。王城を除くと、王都では一二を争うぐらい大きいです。この屋敷は貴族には人気なのですが、なぜ売れ残っているかというと、単純に高いのです。もちろん買える貴族はいると思いますが、その金額を一気に出すとなると躊躇ってしまうのでしょうね」
「なるほど。いくらぐらいなのでしょうか?」
「金貨5000枚です」
そりゃ躊躇うわけだ。貴族でも金貨5000枚はかなりの大金だろう。それに貴族も貴族で、それなりに大きい屋敷に住んでいる。今でも十分不自由なく使える屋敷を手放して、このバカ高い屋敷を買うといわれれば躊躇もするか。俺は貴族の気持ちなんて分からないが、それなりに大きい屋敷に住んでいるなら俺は別に買わないかな?
「なるほど。なぜそんな屋敷が売りに出されているのですか?」
「この屋敷は元々、とある侯爵が建てていた屋敷なのです。ですが、建設途中でその侯爵が没落して財産没収となり、この屋敷も手放す事になったのです。まだ建ててる最中でしたが、お金は貰っているので最後まで建てたのはいいのですが、あまりに高すぎてまだ誰も住んだ事がないのですよ」
「そうなんですね。この屋敷ですが一度見に行きたいのですが」
「買うのですか!この屋敷を!?」
正直良いと思っているが、実際この目で見ないと判断できない。ただ守護王達やヴィーナの闇ギルド拠点に使うのであれば文句はない。確かに高いが妥協はしたくない。幸いお金もあるし。
「まぁ一度見て良かったらですが。ダメですか?」
「とんでもない!私はビックリしただけです。そこら辺の貴族よりはお金を持ってる事に対してです」
「まぁおかげさまでそれなりに儲かってますよ」
「まさかそこまで稼いでらっしゃるとは…。分かりました。この屋敷に案内致します」
「お願いします」
俺達はミルハイムさんと一緒に貴族街にある屋敷を見に行く為、向かうのであった。
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