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80話

新章開始!!

まぁ、一年目の章に入るかもしれないが・・・・・

‥‥‥謹慎期間がようやく終了し、ルースが謹慎部屋から解放されたとき、もうあと数日ほどでグリモワール学園では冬休みの時期に入ろうとしていた。


「謹慎明け早々、もう間もなく冬休みかよ・・・・」


 久しぶりの授業を受けたのち、昼食時食堂にてルースはそうつぶやいた。


「とはいえ、夏休みよりは短いらしいわよ?2週間程度しかなくて、寮も閉鎖されはしないから、学生によってはこのまま学園に滞在するそうね」



 それは冬休みといえるのだろうか?というか、短くないかそれ?


 まぁ、春休みもあって長いそうなので、その分を考えるとあってないような、つかの間の休みの期間という事のようである。


「その日数だけだと帝国との往復が大変だし、私は滞在し続けるのだが・・・・・ルースたちはどうなんだ?」

「うーん、タキを召喚して夏休みのように移動しようと考えてもいたけど‥」


 謹慎中、タキも一緒にずっと謹慎部屋にいた。


 その為、行動範囲が狭かったせいかストレスがたまっていたようで、出られるとすぐに狐の姿になってどこかへ駆けていってしまったのである。



「相当ストレスがたまっていたようで、普段は戦闘とかは好きではないようだけど、身体がなまって仕方がないから知り合いに勝負を吹っ掛けに行くとか言っていたな」

「あの女狐、そんな知り合いがいるのかしら?」


 エルゼの言葉に、ルースたちは思わず考えこんだ。


 確かに、言われてみればタキって・・・・・友達いるのか?


 エルモア先生は昔からの友らしいけれども、それ以外にいるのか気になる処である。



 というか、国滅ぼしのモンスターが勝負を仕掛けに行くって時点で不安しかないのだが。同じような実力の相手だった場合、その地域一帯が終わりそうな気もする。


―――――アノ人、ドコカノ主ト戦ウッテ言ッテタヨ?

「どこかの主って・・・・・・いや本当に、その周辺が大丈夫なのだろうか?」


 下手したら地形が変わるかもしれないな・・・・・でも、そうなっても離れた場所なら関係ないか。

 


「まぁ、そんなわけで彼女は自由を楽しんでいるようだししばらくは召喚をしないつもりなんだよね。だから移動手段には使えないし、この冬休みの期間は学園にとどまっていようと考えているよ」

「ま、それが一番無難よね。あたしだって公爵家に帰るつもりはあったけど・・・・・どこかの大馬鹿野郎がなにか婚約話を持ち込もうとしたらしくて、あたしにはその気が無いし、どうもすごい馬鹿でやらかしてきたようで、お父様が激怒して、今どうやって潰すか真っ黒な企みをやっているようで、雰囲気が怖くて無理なのよね」


 エルゼの父親であるカイゼル。


 かの父親は親バカでもあるが、一応ルースに関してはエルゼといて良い男子に入っているらしい。


 ただし、それ以外ではそれ相応の排除を行っているのだとか・・・・・排除の言葉の時点で過激そうである。



「ああ、それはこっちの帝国の家にもあったな。手紙で詳細が来ていたが、なんでも、私の兄に対して色目を使って懐柔しようとした家があったようで、現在父上が本気で潰す気のようだ」

「どこの貴族・王族・皇族も大変だよなぁ・・・・・」




 この中で平民のルースにとっては遠い世界のようだけど、考えてみればエルゼは公爵家の3女、レリアは帝国の皇帝の第2王女であった。


・・・・・・正直言って、忘れかけていたとは口にも言えない。



「まぁ、お姉様の時も似たようなことがありましたし、そんな馬鹿が公爵家のお父様の逆鱗に触れて無事で済むはずはないですわね」

「権力というのは、こういう時に使うほうが良いからな」


 珍しく意気投合しているエルゼとレリア。


 貴族・皇族としての身分の高い彼女たちにとってはこの話題は話しやすいのだろうか。



 何にせよ、仲がいいことは良きことであろう。


「でもまぁ、二人とも好きな相手と結婚できるような恋愛があればいいよな」


 思わずルースはそうつぶやいた。



「「‥‥‥」」

ーーーーー・・・・・・。

「あれ?何その目?え?バトもなんでそんな目を向けるの?」


「・・・・・・はぁ、鈍いですわね」

「少なくとも難攻不落の要塞といっても過言ではなさそうだよな」

――――――主様、自覚無シデスカ?



 なにやら呆れられたような目で皆から見られ、ルースは首をかしげたのであった。

 

 少なくとも、自分ではそれなりに分かっているつもりなのだが?エルゼがストーカーを仕掛けてきているのとかは理解しているし、そう恋愛感情とかに疎くはないはずだがなぁ。












 学園でルースが周囲から呆れられた目で見られているちょうどその頃、タキは全速力で走り、目的の場所へ来ていた。



 その地は火山が多く点在していたが、今はどれも休止していてあちこちにカルデラで出来て湖や、休止期間が長かったゆえに森が出来ていた。


【おーい、いるかのぅ火竜殿!】


 タキはその地にある洞窟の一つに気配を感じ、その洞窟へ向けて叫んだ。



 と、声が聞こえたのか、洞窟が震えだし、中から巨大なドラゴンが現れ始めた。



【・・・・・ふむ、極東にいるはずの貴様がなぜこの地にいるぜよ?】

【ああ、引っ越しをしたことを伝えていなかったのぅ。今は極東に住んでおらぬのじゃよ。名前もタキとしてつけたし、今はのんびりと過ごしているのじゃ】


 そのタキを見て首をかしげながらそう言ったドラゴンに対して、タキは気軽に話かけた。


 そんドラゴンの正確な種族は火竜。モンスターの中でもタキ同様強大な力を持つ種族の中で、更にトップクラスの力を持つ種族で、ドラゴンの仲間としてはマイナーな部類なのかもしれない。


 ただし、炎というのはそれだけでも単純な恐怖を煽ることができ、それだけに火竜は他の種族からも畏怖の象徴として恐れられるのである。


・・・・・とはいえ、この休火山帯に住んでいる火竜は恐れられるのを嫌い、こうしておとなしくこの地で過ごしているのである。


【まぁ、でもそののんびりの中でもたまに退屈というか、ストレスが溜まって来たというか・・・・・まぁ、大暴れをしたくなったのじゃ】

【その気持ちは分かるぜよ。おとなしくしていても我輩たちは闘争本能が荒ぶるときはとことん荒ぶるでありますからな】


 タキの言葉に、その火竜はうんうんと頷いて同意した。



・・・・・・・モンスターというのは、基本的になにかしらの闘争本能があるようだ。


 そして、タキや火竜も例にもれずあるようなのだが、彼女達は力が大きすぎるゆえにそう暴れることはできないのである。


 周囲を考えないのであれば暴れられるが、一応考えて抑えているのだ。



 だがしかし、ここしばらくの謹慎という環境の中で過ごしていたタキは少し抑えにくくなったので、こうして知り合いでもある火竜の下へ暴れに来たのであった。


 この休火山地帯、森が出来ていたりもするが、火竜が住み着きその威圧のせいかどうせだれも住んではいないので、ここで暴れても問題ないという考えもあってである。



【いいだろう、久し振りに全力で相手をするであります!】


 翼を広げ、宙に浮かぶ火竜。


 その体表の鱗が赤く輝き、一気に全力で来ることが読み取れた。


【うむ!たまには大暴れをして互いにストレス発散じゃよ!!】



 互にぶつかり合い、強大なモンスター同士の戦いが始まったのであった・・・・・・




タキたちがガンガン争っている一方で、ルースたちは冬休みの計画を立てていた。

夏休みに比べて短いが、それでも休みは休みである。

楽しみたいけど・・・・・そうそう休ませてくれることはないだろう。

次回に続く!


・・・・・ちなみに、火竜の方の名前は考え中。

実力としてはタキと同等ぐらいだけど、なまっている分タキの方が不利か?

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