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65話

作者からのお知らせ。

‥‥‥悲しい。この話を投稿しようとしたら、ついうっかり消したんです。

毎日投稿ではないのですが、それでも一時期途切れたことをお詫び申し上げます。

ちまちまこまめに保存することを、おすすめしておきます。

‥‥‥泳いでいる間はまだ良い。


 水の中に浸かっていると自然と体が慣れてきて、寒さをあまり感じなくなるのである。


 だがしかし、泳ぎを終えたあとに陸に上がると…‥‥



「さ、寒い‥‥‥」

「濡れた体に風がすごい冷えるわ‥‥」

「が、学長、魔導書(グリモワール)で焚き火をしてもいいだろうか?」

「ん~泳いでいる最中はだめだけーど、終えた今なーらいいよー」



 レリアが尋ねると、そこまで鬼でもなかったのか、あっさりと温まるために魔導書(グリモワール)を使用して良いとバルション学園長は答えた。


「「「『魔導書(グリモワール)顕現』」」」


 ルースたちはそれぞれ魔導書(グリモワール)を顕現させ、すぐに温まるための魔法を使用し始める。



「『ウッドファイヤー』!」

「『ウォータードロー』!」

「『ファイヤウォール』!」


 ルースが木と火の複合魔法によって燃える木々を次々と出して簡易的な焚き火を周囲に接地し、エルゼは水魔法で皆の身体から水をふき取り、水着から水分を抜き取って乾燥させ、レリアは炎の壁を周囲に創り出し、かまくらの炎バージョンで周囲は一気に気温が上昇した。



「ふぅ…‥これで一安心か」

「ああ、炎の熱が温かいわ…‥」

「今後、あの学園長の事だから雪山にも生かされそうだし、温まる魔法を他にも増やしておいたほうが良いだろうな」

「「同感」」


 レリアのその案に、ルースとエルゼは乗り、魔法のレパートリーを増やそうと決意した。


「あ、そうだついでにモフモフで温かいタキも召喚しようか」


 さらに暖を得るために、ルースは召喚魔法を使用してタキを呼びだすことを思いつく。



「『召喚タキ、ぶえっくしょい!!」


 だがしかし、呼びだす直前でくしゃみが出てしまい…‥‥



 召喚予定の場所からずれた場所に、あの大きな狐の姿のタキが召喚された。


【お?今日は森の中の湖の上かのぅ…‥‥湖!?】


 どろんといつものように出てきた後に、タキはその場所に気が付いた。


 本当は、普通に地面の上に召喚するはずであった。


 だがしかし、先ほどのくしゃみで召喚場所がずれてしまい、よりによって湖の上にタキが出てしまったのである。



 彼女が気が付いたときには、すでに遅かった。



どっぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!

【っ、ぎゃぁぁぁぁぁ!?冬場にここはダメじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】


 豪勢な水しぶきを上げ、タキがそのまま湖の中に投下され、悲鳴を上げたのであった。


「た、タキごめーーーーーん!!」

「…‥まぁ、女狐もあたしたちの寒さを味わうのが平等よね」

「濡れたらモフモフも冷たくなるだろうけど…‥うん、今は同意だな」


 ルースが慌てて謝罪の言葉を叫んだその後方で、寒さで少し共感できたのか、エルゼとレリアはそうつぶやくのであった…‥‥。


何が原因で対立しやすい人たちの意見が合うのかは、わからないものである。








 湖から根性で出てきた時、タキの毛が全部濡れて物凄い痩せているように見えた。


「うわぁ…‥すっごい水分を吸っているなこれ」

【さ、流石に、あの召喚場所はひどいのじゃよ召喚主殿!!】


 激怒しつつ、寒さに震えるタキを見て、ルースは申し訳なく思う。


 そこで、炎のかまくらのなかにいれ、大きさはルースが複合魔法で炎と風、それに火力を上げるために出来るようになった木の3属性の複合魔法で補助して、タキがその中に納まった。


 炎の熱は案外馬鹿にならなくて、あっという間にタキの毛は水分が蒸発して、元のふわふわに戻っていく。



「というか、人型になったほうが面積的に温めやすいんじゃ?」

「ルース君、こういう時はその女狐はその姿でいいのよ」


 何気ないルースの質問に対して、ポンとエルゼが背後から型を叩く。


「だって、人型になる=着ているものは‥‥‥」

「あ」


 そこでルースはエルゼが何を言おうとしたのか悟った。



‥‥‥うん、少々残念だ。とは思えない。


 思ったらその瞬間に、エルゼが感知してひどい目に遭いそうなのは理解しているし、それ以前にタキの方が察知して人型になって乾かすのを拒否するだろうしね。


 




 タキが完全に元のモフモフ状態へと戻り、ルースたちはその体にくっついた。


「あふぁ‥‥‥すっごいモフモフだ‥‥」

「女狐の癖に、これは中々暖かいわね‥‥‥剃ったほうが良いのかしら?」

【いや剃らないでほしいのじゃよ!?】

「なんにせよ、これは良い毛皮だ」


 

 モフモフとしながら、そのふんわりした毛並みと温かさをルースたちは堪能する。


 泳ぎで疲れ、体が冷えた後に暖まるとその後には抗えない眠気がやってくる。



「「「スヤァ‥‥」」」


 ルースたちが、タキにくっついたまま眠気に負けるのは当然のことであった…‥‥








【…‥のぅ、学園長殿。召喚主殿たちが寝てしまったが、どうすればいいのじゃ?】


 ルースたちがくっついて寝てしまい、迂闊に振り払えないタキは近くにいたバルション学園長に相談する。


「うーん、まぁ、そのまま馬車に乗せらーれないかしら?」

【なるほど】


 ぱくっと傷つかないように注意を払いつつ、タキはルースたちを咥えて馬車の中に入れていく。



 馬車の中ではバトガ先に入って寝ていたが、その事にも気遣いつつ、そっと入れて、皆寝たまま馬車の中に入れた。



「‥‥‥あら?そういーえば、タキさん、貴女ってルース君が召喚している状態よね?」

【ん?そうじゃが?】

「召喚さーれたモンスターって、召喚主が気絶か、睡眠をとるなど、意識を失えーば自動的に送還さーれるはずなのに、どうしーて、貴女はされていないのか―しら?」

【…‥単純にいえば、そりゃ魔導書(グリモワール)を扱う召喚主殿の腕前が上がっておるからじゃろう】


 ふとその事実に気が付き、気になって尋ねてきたバルション学園長の質問に、タキはそう返答した。



「腕前が上がると召喚にも影響があーるなんて、聞いたことが無ーいわよ?」


 タキのその言葉に、バルション学園長は首をかしげる。


【ま、そのあたりは人間や魔族には知られておらぬ事じゃ。そもそもの話、召喚魔法自体がそう使用されることはないじゃろう?】


 タキのその言葉に、バルション学園長は納得して手を打つ。


 召喚魔法‥‥‥一度召喚した後は特に条件もなく、呼びだしたい時に呼べるのだが、そう召喚する機会はない。


 また、授業で一度召喚魔法の授業をやらせることがあるとはいえ、それはあくまで選択制であり、仕えるようになっても召喚魔法を使用しないものがいたり、一度目の召喚に必要な魔法陣や滅茶苦茶長い詠唱を嫌う人も多く、そのため召喚魔法というものはそう使われることが無いので、研究とかもあまり進んでいないのである。



‥‥‥夏に、ルースが使用した召喚魔法を利用した物資の輸送方は特許がとられているが、現状まだまだ服有してはいない。


 将来的に普及するかもしれないのだが、それでも召喚魔法というのものはそう触れることが無いのである。




「まぁ、そんなーに使用することもなーいなら、わからないよーね」

【そういう事じゃよ】

「ん?でーもちょっと待てよ?なんでそーんなことをタキさんは知っていーるのかな?」

【‥‥‥召喚されるモンスターはどういうわけかその知識があるのじゃ。でも、我のようにそうしゃべる者はいないじゃろう?だからそう広まっておらぬじゃろう。…‥それに】


 タキは話しながら、ルースの方に目を移した。


【ちょっとばかし、この召喚主殿がまぁ、その、アレな部分もあるかのぅ】

「『アレ』?」

【ま、そんなことはどうでもいいし、どうでもいいのじゃ。召喚主殿は召喚主殿で変わらぬし、これ以上は黙秘させてもらうのじゃよ。それじゃ、さらばじゃ!】


 バルション学園長はさらに問いただそうとしたが、タキは素早くその場からドロンっと姿を消した。


 送還されたようで、逃げたとも言えるのかもしれない。



「…‥気になるわーね」


 タキが去ったあと、馬車に乗り込んで都市へ向けて帰還するバルション学園長。


 残されたその言葉が気になったので、とりあえずルースについて詳しく調べてみようかと彼女は考えるのであった‥‥‥‥



さてと、滝の意味深な言葉は置いておいて、面倒事がそろそろ起きる予感。

巻き込まれたくないのに、否応なく巻き込まれるであろう。

次回に続く!!


‥‥‥はぁ。毎日こまめに一旦上書きするのに、ついうっかり全消ししてしまうとはかなしい。

しかも、上書きした後である。

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