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126話

少々サービス回?

「あたたた…‥‥まさかあんな方法で負けるとは思わなかったな」


 引っ込んだが、まだ痛むたんこぶのあたりを押さえてルースはそうつぶやいた。




 ルーレア皇妃との模擬戦で、バックドロップによって気絶していたが、夕方ごろにようやく目が覚めたのである。


 起きたときには、エルゼとレリア、バトが心配して声をかけてくれたのは嬉しい事であった。





「っと、レリア、ここが城の風呂場で良いんだよな?」

「ああ、そうだ。一応、男・女湯で分けてあるからな」


 とりあえず、目覚めて早々だが、負けた気分を払しょくしたかったルースは、今いる帝国の王城にある風呂場へ、レリアに案内してもらっていた。


「あたしたちはこっちで入るけど」

「覗くことはないよな?」

―――――主様ナラ、イイケドネ。

「いや、やるわけないだろ」


 それ以前に、この女性面子に覗きを仕掛ける輩がいるのか?


 そんな命知らずがいたら、尊敬の念を覚えるよな。






 とにもかくにも、脱衣所で脱ぎ、風呂場へ入るとなかなか広い浴場となっていた。


 まぁ王城だし、たまに兵士たちや皇帝も入るそうなので、それなりの広さを確保しなければいけないのであろう。


「ふぅ‥‥‥」


 まずはさっと体を洗い、お湯にゆっくり浸かるとじんわりその温かさが伝わってくる。


「あ~‥‥‥極楽極楽」


 こういう風呂に入っている時こそ、人は平和を見出せるのではないだろうか。


 そう思っていると、ふと声が聞こえた。



「わー!なかなか広いわね!」

「久しぶりの王城での風呂だけど、やはりいいものだな!」

―――――風呂---!


「‥‥‥あ、女湯と仕切り越しにつながっているのか」


 エルゼ達の声がしたが、見てみれば女湯の方角から聞こえてきた。


 大きな仕切りがあるし、これが男湯と女湯に分けて‥‥‥



と、どうでもいいような事を考えていたその時である。




「-----ふふふふふ、皆風呂が気持ち良さそうね」

「は、母上!?」

「え?‥‥‥赤い鎧を着ていないからわからなかったわよ!」

―――――アレ、何カ嫌ナ予感?


 女湯の方から、エルゼ達の驚愕した声が聞こえてきた。


 レリアの声からして、どうもルーレア皇妃らしい。…‥‥あの鎧を脱いだ姿ってか。



 想像してみたが、全くその姿が想像できない。


 レリアの母であることから、見た目はおそらく似てはいるんだろうけど…‥‥全身を真っ赤な鎧で包んでいたからこそ、その体形や肌の状態などが見れず、予想しにくいのだ。


 それに、鎧の感じからして、レリアとあの部分は決定的に違、


「あらあら、何かろくでもないことを考えている気配が」


ドゴゥッツ!!

「ぐべっ!?」


 いきなり襲ってきた衝撃に、ルースはぶっとばされた。


……仕切りがあるのに、ルーレア皇妃がそれを超えて衝撃波を送ってきたようである。



「ど、どうしたの母上!?いきなり男湯の方に向けて張り手なんて!!」

「ふふふふふふ、いやちょっとね、あっちの方でろくでもない考えがあったなぁと」


 女湯の方からやり取りが聞こえてきたが、やはり衝撃を送って来たらしい。


 これ、直撃であったら骨が折れているかもしれないレベル…‥‥



 そう考えると、風呂に入っていて暖かいはずなのに、ぞっとする悪寒を感じて、ルースは少々仕切りから距離を取った。


 と言うか、先ほどの衝撃。


 あれは仕切り自体にも影響がありそうな……と、考えていたその時であった。



ビキッツ!!

「あ」


 ひびが入り、どんどんそれが仕切り全体へ広がっていく。


 次の瞬間、ガラガラガラ!!っと音を立てて仕切りが崩れた。






…‥‥当然ながら、仕切りの向こう側は女湯である。


 しかも、この崩れは一瞬の事であり、風呂から上がる間もなく、見事に両者の姿が見えてしまった。



「「「‥‥‥」」」

「ふふふふ、やり過ぎたわね」

―――――‥‥‥キャーッ?



 あっけに取られるルース、エルゼ、レリア。


 ルーレア皇妃はゆっくり湯につかりながら笑い、とりあえずこの状況を皆より早く理解したバトは疑問のような悲鳴を上げた。


「えっと‥‥‥その、これは」


 はっと気が付いたルースが慌てて声を出し、見ていないと否定しようとしたが‥‥‥ばっちり見えていた。


 バスタオルとかで身を隠しているかと思いきや、こういう時に限って隠しておらず、全裸で浸かっていた。


 幸いと言うべきか、この湯はどうやら入浴剤が入れられているらしく、少し濁っていることで全部は見えていなかったことである。




 だがしかし、それでも見えてしまうところは見えてしまう。


 お湯に濡れて、しっとりした肌白いエルゼに、湯につかっていてああ浮くんだなと理解させられる胸部を持つレリア。


 バトは体格上溺れるからか、小さな特注の浮き輪を付けてはいたが…‥‥



「「-------ッ!?きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」


 状況をようやく理解したエルゼとレリアが瞬時に真っ赤になって悲鳴を上げた。



「『魔導書(グリモワール)顕現』!からの」

「ルース、見るなあぁぁぁぁぁ!!」

「ちょ、まっ、それは死ぬって!!」


 続けて魔導書(グリモワール)を顕現させ、それぞれ魔法を発動させ、それをルースへめがけて撃った。



 最後に彼が見た光景は、水でできた大きな拳と、炎で出来た火球。





…‥‥後に、王城の風呂場で大爆発が起きて、少々騒ぎになるのであった。


 

ストーカーや戦姫であろうとも、やはり少女ゆえに恥ずかしかった模様。

しかし、風呂場を爆破するのはどうなのだろうか。

そうルースは思いつつも、気絶していくのであった。

次回に続く!


……上は大火事、下は大水にやられた人なーんだ。

答え:レリアの魔法とエルゼの魔法を喰らわされたルース。

元凶は皇妃なのに酷いとばっちりである。と言うか、これ生きているのか?

ちなみに、没案ではバトはお椀の船に乗せて浮いている予定だったりする。閑話でおとぎ話やってみようかな?


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