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118話

あけましておめでとうございまーす!

今年もどうぞ、ご愛読お願いいたしますよう、新年のあいさつをお送りいたします。

 夏も間近となり、バルション学園長による訓練で今日もルースは軽くレア~ヴェルダンのあたりをさまよい、保健室で治療されていた。


「‥‥‥なんか最近はいい香りで焼けているような気がするけどなぜかしら?」

「学園長がルースに日焼け対策としてオイルを渡したらしいが‥‥‥これ、ステーキ用のやつだな」

―――――マァ、嫌ナ香リヨリモマシ?


「全然マシじゃないからな!!」


 バトの言葉に、ルースはそうツッコミを入れた。


 一応、魔法で治療されて綺麗に治るとはいえ、毎回これでは文字通り身が持たない。




 精神的な成長のために、瞑想をするのはまだいいが…‥‥焼いてくるのは精神的な成長につながるのか?


 そう直談判したところ、バルション学園長は返答した。


「あー、暑さに対する我慢強さ付け?」

「暑いどころか熱いんですが!?」


 焼けている時点で色々おかしい。







 何にせよ、もう間もなく夏休みが近づいているということで、この精神的な訓練も一時的に終わるらしい。


 残りというか、改善したものは夏休み明けに行われるらしいが‥‥‥うん、殺す気か?



 フェイカーとの敵対にあるので相手側からの攻撃がいつあるかもわからないが、その前に身内からの、特に学園長の手によって亡き者にされる可能性が高いのであった。


 真の敵は身内にいたか…‥‥










 とにもかくにも、時期的にはもう間もなく夏休みが近づいてきていた。


 去年の夏は村へ帰郷したが、その時には化け物作物騒動が起きて大変だったことをルースたちは思い出した。


「今にして思えば、あれもフェイカーの仕業だったのかな?」

「違いないわね。生物兵器とかいろいろやっているし、偶然でもその可能性はあるのよね」

「その当時に私はいなかったが…‥‥大変だったか?」

「「そりゃもちろん」」


 レリアの言葉に、ルースとエルゼは声をそろえて返事した。



……あと、確か現場にスアーンもいたはずなので彼も経験しているはずだが、この場にやつはいない。


 どうも夏休み前に遊ぶための資金源を確保するために、バイトを掛け持ちし、忙しく働いているそうである。




「あの時出てきたのは、何というか巨大な作物からの化け物変化だったからなぁ‥‥‥ちょっとしたトラウマになるかな?」

「不意打ちというか、対処が大変で…‥‥」


 当時を思い出し、遠い目になるルースとエルゼ。


 その様子から、どれだけ大変だったのかレリアは察した。



「流石に今年も同じ様な事はないだろうと思うけれどさ‥‥‥不安になると言えばなるかな」


 というか、これまでの例的に何か行らないという保証はない。




「いっその事、フェイカーが国内にいるからこそ騒動が起きるのならば、夏休みはどこか遠くの方で過ごしたいよ」


 そう溜息を吐きながらつぶやくルースに対して、ふとレリアはあることを思いついた。


「‥‥‥そうか、ならばいっその事、今年は城に来ないか?」

「え?」

「城って、まさか」

「ああ、モーガス帝国に旅行に来ないかということだ。これでも私は王女だし、客人として迎え入れらるだろう」


 レリアの言葉に、ルースは瞬時に考える。


 これまで、フェイカーによる事件は例外を除くとして大半が国内で起きていた。


 つまり、国外の方にはそう騒動を起こしているわけでもなく、巡り合う確率が極端に減るのかもしれない。



「よし、その話し乗った!!」

「ちょっ、ルース君!?速攻で決めたの!?」

「ああ、いっその事今年の夏は国外で過ごしたほうがのんびりできそうだしね!レリア、その話しに俺は乗るよ!!」


 レリアの手をつかみ、笑みを浮かべるルース。


「あ、ああ!!任せてくれ!!」


 顔を赤くしつつ、レリアは胸を張ってそう答えるのであった。















 ルースが帝国へ夏休みの旅行で行く話に乗り気なその頃、グレイモ王国内のとある一軒家に三人の人影があった。


「‥‥‥そうか、あの鬼人娘はいなくなったか」

「威厳に関しての話をされなくてよくなったけど‥‥‥寂しい物があるなぁ」


 二人がそうつぶやき、いなくなった者の席を見て溜息を吐いた。


「その事に関して、どうも拷問でも行われたのか情報を抜きだされたようで、組織に深刻な被害が出たようだね」


 全く寂しそうでない一人が、そう言葉にする。


「くそっ!!そのせいで組織内にも離反者がでたりするし、まさかこうなるとはだれが思ったんだぁ!」

「なんにせよ、当分はうかつに動けないな」



 みなで溜息を吐き、今後の組織の活動についての話を進める。


「組織内でも、どうやら権力に欲を持った者がいるようだしね、そのせいで彼女がいなくなったともされるし、設立からかなり年月が経っているから、そろそろ掃除もしたほうが良いかもね」

「そうするしかないか‥‥‥あまり身内を疑いたくはないが、それでも定期的にやらねば不正の温床にはなるからな」

「ついでに、組織内で休みがないとやる気がでないという軟弱な意見も出ているようだけど‥‥‥休みを作って見ないかなぁ?夏休み的なノリでさ」

「ふむ……悪くないかもな」


 一人が出した案に、乗り気になる者たち。


 面倒ごとが続くのであれば、一度リフレッシュして気をしっかり持たせるのが良いと判断したのだ。


「とはいえ、王国内で過ごすわけにはいかないな」

「だったら、王国じゃなくてモーガス帝国のほうに行くのはどうかな?」

「なるほどぅ!それはいい案だね!」


 提案され、計画を練り始める三人。


 組織の幹部と言えども、権威を維持するにはストレスもたまるので、ここでいっその事遊んだほうが良いと思ってはっちゃけることにした様である。


 だがしかし、彼等はこの時思いもしなかった。


 その旅行先で、まさか今組織が敵対対象として認定している人物と出くわすことになるとは。


 そうは思いもせずに、色々残忍なところがある組織だというのに、三人は楽しそうに夏休みへ思いをはせ始めるのであった‥‥‥


「あ、でもこの場合有給休暇になるのか?」

「いやいや、この組織非合法的なものだし、ないんじゃないか?」

「そもそも、休暇を取ろうなんて今まで考えなかったからねぇ…‥‥」


モーガス帝国‥‥‥名前だけ出ていたけど、今回ようやくクローズアップされた。

他国への旅行は楽しみで、騒動にさすがに巻き込まれないだろうと思うルースたち。

だがしかし、運命とは残酷であり、そういう時に限って…‥‥

次回に続く!


今年もよろしくお願いいたします。

名前だけ出ていたけど、今回ようやくモーガス帝国内へ向かう!!

軍事力を誇り、近年は政治事や教育面で力を入れている帝国とは、どのような状態なのだろうか?

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