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116話

新章開始。

先章までのシリアスを一旦切り上げ、明るく楽しく、ちょっとだけシリアスだけどすぐに消す感じにしたいところである。

あと、恋模様とかも発展させたい。

……太陽の光が強くなり、夏の日差しが迫り始めた季節。


 午後になっても、暑くなった気温が下がることなく、放課後に生徒たちが寮へ向かう中、校庭でルースたちはバルション学園長の訓練を受けていた。




 だがしかし、エルゼ達が学園長の魔法による攻撃をかわす内容だったのだが、ルースだけは違った。




 座禅し、瞑想にふけらされる精神的な修行のような事をさせられたのである。


 なぜ、戦闘や魔法といった面ではなく、精神面を鍛えさせられているのか。








 さかのぼること、精霊化の影響で昏睡状態に陥ったルースをなんとかするために、エルゼ達がルースの実家へ押し入って、母のアバウトに問い詰め、色々あって精霊王とやらに来てもらって何とかしてもらった時であった。



 何とか精霊化状態と名付けるべき状態を抑えた翌日、ルースは目を覚ました。


 タキがそばにいて、どこか安心したような笑みを見せたのだが、その後に聞かされた自身の秘密について、ルースは驚愕した。



「‥‥‥はぁ!?精霊王がお爺ちゃんになるのかよ!?」


 まさかの母が元精霊であり、しかもその親が精霊王とくればいくらルースでも驚愕してしまった。


 精霊みたいだとエルモア先生に指摘されてはいたが、その通りでまさか半分精霊の血を引き、しかもその血をさかのぼると精霊王だということは予想だにしていなかったのである。


 精々、母親の方が人間に偽装していた精霊であるだけだろうと考えていたが、その親の方までは考えていなかったのだ。




 隠されていた事実でもあり、しかも父を失った原因がどうやら過去にあったフェイカーらしいと知った時には、怒りも覚えた。



 フェイカーが見たこともない父の仇だと思うと、少し怒りも覚えたが…‥‥‥それも過去の事であり、そもそも見たことがない時点でどう思えばいいのかがわからない。


 父の仇として復讐というのも思ったが、それはそれでちょっとある事例で復讐は何も成せないどころかトラウマを植え付けるだけであると知ったので成し得ない。


…‥‥正直言って、なんて言えば良いのかわからない、複雑な心境となった。



ちなみに、ルースの精霊の部分を抑えて起きれるようにした精霊王本人(人?)がこの場におらず、帰宅したのは色々と事情があるらしい。


 精霊王も暇ではないらしいが‥‥‥‥さりげなく母アバウトがハリセンを持って素振りをしていたのだが、それと関係があるのだろうか?




 とにもかくにも、その複雑な心境は置いておくとして、ルースの今の状態を詳細に聞くことになった。



単純にまとめると…‥‥

――――――――――――

・精霊の力は現在、精霊王によって封印状態

・ただし、魔導書(グリモワール)を扱える力や、半分人間と言ったせいで中途半端な状態

・感情の激しい変動で解除される可能性があり、未だに未熟な状態では再び消費が激しくて昏睡状態になる恐れあり

・未熟で無くなれば、昏睡状態にならず自由に精霊や人間の状態へ変化可能

――――――――――――


 ということであり、未だに不完全な状態だということをルースは知った。


 ならばどうすればいいのか?





 学園に帰宅後、勝手に欠席状態となって村へ向かったことでバルション学園長に皆で叱られた後、その対処方法を練ってもらうことにした。


 幸いというべきか、エルモア先生は精霊に関しての知識があり、そこから何とか出来る最善策として、ルースの精神修行を訓練に含まされたのである。


 精神も肉体もまんべんなく鍛え上げることによって、精霊化をコントロールし、二度と昏睡状態にならないようにするという試みに挑むことになったのだった。





 そして現在、そのために精神修行の一例として瞑想をさせられているのである。


……案外普通の内容だなと最初ルースは思っていたが、あの学園長がそんな「普通」の瞑想をさせるだろうか?



 答えは「否」だ。







じゅううううううううううううう…‥‥‥

「‥‥‥‥あ、暑い」


 肌が焼けているような、そんな灼熱の光に当てられながらの瞑想である。


 灼熱の光…‥‥それは夏の日差しではない。


 バルション学園長がわざわざ光を一点集中させる魔法を使用して、その場を高温状態にさせているのである。



 なお、発火や火傷の危険性があるが、きちんと治療をする模様。


 すでにこの瞑想をして、10回から先はどれだけ治療受けたのかルースは数えるのをやめていたのであった。



…‥‥これ、訓練とか精神修行というよりも拷問ではなかろうか。


 そう思いながらも、本日もミディアムからレアにされているような気分になったルースであった。


 いや、実際になっているのかもしれない。


 だがしかし、気が付けば保健室のベッドで寝かされているのである‥‥‥‥


…‥‥瞑想というよりも、苦行と言った方が正しいのかもしれない。

そんな思いを持ちつつ、真面目に精神を鍛えるルース。

でも、実は彼が思っている以上に周囲は複雑になっているのである。

次回に続く!!


…‥‥要は、虫眼鏡で光を集中させて焼く実験のような感じかな。人間を対象にしている時点でアウトだけどね。

なお、ルース自身は精霊状態の制御をすればまだ平和かなと考えているが、実は周囲にとってかなりめんどくさい立ち位置になっているのである。その説明は次回の予定。

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