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98話

そろそろ新章だけど、ちょっと休憩タイム

‥‥‥晩餐会も終わり、宿屋についたルースたち。


「本当ならもう帰りたかったけど、ここで一泊しなければいけないのか…‥」


 思った以上に晩餐会は時間がかかり、もう夜分遅い。



 月明りはあれども夜道は危険ということもあり、今晩は王都にある宿にて宿泊するのである。


 とはいえ、ただの宿ではない。




「こーこは、なーんとマジックアイテムで温泉が湧かされていーるのよ!」

「「「温泉!?」」」


 少々人工となるが、それでもただのお風呂があるというよりも温泉があるという方がインパクトは強い。



 ゆえに、この宿屋はマジックアイテムでどうにかして温泉をわかせ、しっかりと様々な効能があるという保証付きなのだ。


 いくつかの温泉に分かれ、それぞれ効能が異なるようで、覚えるのがめんどくさいということでその効能の名前でその温泉は呼ばれているらしい。


「『滋養強壮の湯』、『疲労回復の湯』、『美肌の湯』、『精力増強の湯』、『育毛の湯』、『世紀末の湯』・・・・・後半が明かにおかしくないか?」



 百歩譲って後半の2つはまだ良いだろう。


 だがしかし、「世紀末の湯」ってなんだ。気になるけど浸かりたくはない。





 とはいえそれらを除けばまともなようなので、大丈夫であろう。



「ちーなみに、部屋割りはきち-んと男女でわ-けているからね」


 寝る場所もしっかり分けられていたようだけど‥‥‥あからさまにエルゼとレリアががっかりしたのはどうなのだろうか。



 とにもかくにも、温泉があるのならば浸かりたい。


 王都でこんなことが楽しめるとは思っていなかったが‥‥‥


「あ、そうだ。せっかくだし、いつも世話になっているからタキも召喚してあげようかな」

「いや、それはやめておいたほうが良いわよ。あの女狐は尻尾があるから、その毛でお湯が汚れるわよ」

「というか、ペット持ち込み禁止の用だし、そこは配慮したほうが良いぞルース」


「・・・・・毛は分かるけど、ペットじゃないからな?」


 とはいえ、彼女達の言い分ももっともである。


 タキの召喚をあきらめ、ルースたちは温泉へ入りに行くのであった。










【ぶえっくしょい!!】

「あれ?どうしたかな?」


 ちょうどその頃、都市メルドランのエルモアの家にて、タキは大きなくしゃみを上げた。


【いや、今なんか物凄い惜しい事があったような気がするのじゃが‥‥‥なんじゃろうな?】

「それを尋ねられても答えられないけど‥‥まぁ別に気にすることもないんじゃないかな?」

【それもそうじゃな。気にせぬ方が良かろう】


 首をかしげたタキの言葉に、エルモアは答え、タキは納得したかのようにうなずいた。


【ん?そういえばまだそれを読んでおったのかお主は】


 ふと、タキはエルモアが呼んでいる本に目を付け、尋ねる。


「気になることがあれば、見落としがないように何度も見返すのが大事だからね。そのあたりは基本として押さえておくものだよな」


 そう言いながらも、エルモアはその本に目を通していく。


「‥‥‥ふむ、やっぱりというか、見つからないけど仮定に対しての否定的な証拠もないな。これは直接聞きに行ったほうが良いのかな」

【本当にさっきから何をぶつぶつ言っておるのじゃよ?】



 考え込むエルモアに、タキは尋ねた。


「ちょっとした仮定というか、仮説というか。それの実証のための証拠集めだったけど…‥‥今一つ成果が芳しくないな」

【ふーん、なにやら面白そうな事を考えているのかのぅ?】

「面白そうかどうかはわからないが、興味深いことだとは思うな。ま、今はまだあくまで仮定だから間違っていたら意味もないし、もう少し詳しく出来れば話すかな」

【ふむ、話してくれる時が来ればそれでいいのじゃ】


 難しいことは専門外なので、タキはエルモアにそれ以上の説明を求めなかった。


 悪い奴でもないし、しっかりとその付き合い方が分かっているからである。



‥‥‥あと、迂闊に突っ込めばろくでもない実験に巻き込まれる可能性も否定できなかったので、深く追求をするのはやめているのであった。


(‥‥‥昔、ついうっかり言質をとられてうねうねぐにゅぐにゅなところに、簀巻きで放り投げられた恐怖の一夜があったからのぅ)


 その当時の事を思い出し、タキは遠い目をするのであった。












「ふぅ、中々いい加減の湯だなぁ」


 男湯にある『疲労回復の湯』にて、ルースは肩までしっかりと浸かっていた。



 きちんと男女別に湯が仕切られており、その湯のしきりには何重もの鉄板が張られて覗き見が防止されている話もあるそうだが、それはそうとしてなかなかいい湯加減でルースは満足していた。



‥‥‥防音もされているようで、女湯の会話は聞こえないが別に良いだろう。


 というか、聞き耳立てたり覗き見したらこの世の終わりを迎えそうである。



「にしても、他に客の姿が見えないなぁ」


 なかなか大きな温泉なのに、客の姿が見えないことにルースは少し疑問を持っていた。


 まぁ、ゆっくり浸かれるから良いのだが‥‥‥



「あ、違う。『育毛の湯』に集まっているのか」


 だが、その疑問はすぐに解消された。


 どうやら近くに設立されていた育毛の湯に集合しているようであり、混雑しながらも不快感が周囲に出ないように何らかの対策が施されているらしい。



・・・・・将来的に世話になりたくはないが、少し不安もあったので、その湯の方にもルースは浸かりに行くのであった。


女湯サイドは次回の予定

どの程度の表現までなら許されるだろうか‥‥‥いつも通りで良いかな?

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