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94話

ちょっと短め

 シーホースでけん引された馬車に乗車して2時間後、無事に王都グレイモへルースたちは到着した。


 王都は流石にこの国の偉い人たちが集まる王城があるだけに、その周囲はガッチガチの城壁で囲まれており、いざとなれば要塞としても利用でき、そのうえ兵糧攻めにあっても大丈夫なように大きめの食糧庫などがあるらしい。


 

 そして、その王都の中心にそびえたっているのが・・・・・



「あれが謁見の際に入場するこの国の王城か」

「そうなのだーよ。中央で目立つとはいえ、これでも実は城壁以上の頑丈さを誇るそうな―のだよ」


 ルースのつぶやきに、バルション学園長が答えた。




 確かに、大事なところはしっかりと守られるようにしたほうが良い。


 その防御力が高ければ安心もできるだろうし、それに加えてある程度華やかさを持たせれば国の象徴としても役に立つだろう。



 だがしかし、しいて文句をひとつ言わせてもらうならば‥‥‥見た目が西洋のお城なのに、何故屋根にしゃちほこらしきものがあるのだろうか。


 和洋折衷?いや、あれだけピンポイントで目立ち、まったくもって不釣り合いにしか見えない。


‥‥‥転生者があの城の設計を担当したのか?それにしてはアンバランスである。




「学園長、あの城の屋根に明らかに目立っている魚のような置物はなんですか?」

「ああ、あーれはどうも空からの敵襲にそーなえたマジックアイテムらーしい。敵意があれば、あの魚の置物のー口から光線がでーるようになっているんだよ」


 まさかの対空防御システムのようであった。


 いやでも、何で本当にしゃちほこ?


「あれってなんかバランスが悪いように見えるんだけど・・・」

「取り付けーたのーは、確か2代目国王の3番目の息子らーしいわね。建築センスが最悪だったらーしいけれども、病弱で死の間際-に、せめーてもの願いといーうことで、取り付けられたらしいわーよ」


 死の間際の、最後の頼みということで無碍にも断れず、それ以来取り外されることなく、今日までずっとあるそうなのだ。


 まぁ、一応それなりに役に立つこともあったそうで、今は誰も取り外そうなどと考えていないそうなのである。


 というか、取り外そうとすると光線をぶっ放されるので外しに向かえないのだとか。


 しかも、あれ自体が自動で飛行して追いかけてくるそうなので、どうしようもないらしい。



 なんて面倒な物を取り付けてしまったのだろうか。いくら最後の頼みとは言え、後先を考えなかったのだろうか?


 まぁ、一応役に立つことがあるならいいのかもしれないけど、外見的な部分では枷になるな。





 王都内を馬車で進み、王城前に到着した。


 こちらにはさらに大きな城門があり、門番が出てきたところで、御者の人が何かを渡し、門が開かれ中に入っていく。




「さてと、謁見まーでに時間はあーるのだかーら、服装をきちんと整えなーいとね」


 城内に入ると侍女とかメイドとかいうような人たちが出てきて、着替え用の部屋へ案内された。


 持ってきた正装に着替えるのだが、流石に男女別である。






‥‥‥正直言って、少しほっとしている。


 なぜなら先程まで、馬車内の男女比率がルースに圧倒的不利だったからだ。


 なお、流石に覗き見とかはしないし、そもそもしたらしたで、あのメンバーの事だから何倍にもなって報復されるのが目に見えているので、ルースは黙々と正装に着替えるのであった。





 だがしかし、彼は知らない。


 実はこの部屋、隣室の女性用の着替え室との間に小さな穴が開いていて覗き見が出来たことを。


 そして、この穴の存在ふと気が付いたエルゼが覗き見をしていたことを…‥‥


「ん?なんか寒気がしたような‥‥‥」



 何はともあれ、いよいよ謁見である。



‥‥‥そもそも何でここに覗き穴があるのかについての話は、まぁ予想しやすいかもしれない。

次回、いよいよ国王との謁見だ!!

次回に続く!!

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