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黄金の魔導書使い  -でも、騒動は来ないで欲しいー 作者:志位斗 茂家波

始まりの章

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プロローグ

最新作!!新たな物語の幕開けです!!
‥‥‥雷鳴が響く中、崩れ落ちた城の廃墟とでもいうべき場所では、二人の人物が命を削りながらも争っていた。


 互いに打ち合う剣や魔法の衝突音が響き渡り、辺りには倒れていったそれぞれの仲間たちの遺体も残り、両者ともにもう後には引けず、争っているのである。

 彼らは片方は勇者、片方は魔王。

 この世界においてついになる存在であり、そして互いに守るべきものがあるからこそ、命を散らすのは惜しくないのである。



ガギィィィン!!

 両者は剣でつばぜり合いに持ち込み、これで最後の攻撃となる。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ぜやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 気迫と同時に叫び、そして‥‥‥決着がつく。

バキィン!!

ザスッツ!
「ぐっ!?」
「がはっ!?」


 互いの剣が同時に半ばから折れ、全力でぶつかり合っていたがゆえに、その勢いは死なず、立ちふさがる物がないまま、折れた剣が互いの心臓へと突き刺さった。


 そのまま両者とも剣から手が離れ、倒れ込む。


 折れた剣とは言え、互いの全力をかけていたがゆえに体に突き刺さり、そして心臓を貫いていた。

 もはやどちらとも虫の息であり、その命が今潰えようとしているのは間違いないだろう…‥‥


「ぐふっ…‥結局、相打ちか、勇者よ‥‥‥」
「はっ‥‥‥そのようだな、魔王よ‥‥‥」

 倒れながら互いの顔を見て、そうつぶやく二人。


 互いに対になる存在とはいえ、ここまで長い長い戦闘を繰り広げ、そして全力を出し合った。

 もはや命が尽きようとしている中、不思議と友情のようなものが芽生えていたのである。


「‥‥‥魔王も勇者も、互いに対となる存在、かはっ‥‥‥だが、今この最後の戦いは楽しめたぞ」

 血反吐を吐きつつ、ニヤリと笑みを浮かべ、やり切った笑みを見せる魔王。

「がはっ‥‥ああ、そうだろうな。俺達は互いに、強くなりすぎた(・・・・・・・)。それ故に、こうやって命を懸けてまでの戦いを、ごぶっ…‥楽しめる相手がいなかったからな」

 魔王の言葉に同意し、血反吐を同じように吐く勇者。


 勇者と魔王、対になる存在でもあるが、その強さは同じ‥‥‥そして、強すぎたのである。


 圧倒的な力に惹かれる者がいて、仲間になるような者たちがいたとはいえ、どこかで二人とも孤独を感じていたのである。

 その孤独は、皮肉というべきか、対になるもの同士で争ったその時だけ、ようやく埋まったのだ。





 互いの命もあとわずかであり、勇者と魔王は顔を見合わせる。

「‥‥‥長らく続いた魔王と勇者の戦いも、ここで終わってしまうだろう‥‥‥だが、まだ見ぬはるか未来に再び巡り合うかもしれぬ‥‥‥」
「光があれば闇が生まれ、闇があるからこそ光が埋まれ、そして互いに争う…‥‥その関係をどうにか終わらせられないだろうか」

 両者とも、思いは同じだ。

 今の戦闘で、おそらく両者の争いはここで終わる。

 だがしかし、未来に再び勇者と魔王という存在が生まれれば…‥‥再び争いが起こるだろう。

 生まれ、ぶつかり合い、終わり、そして再び繰り返す果ての無い永久の牢獄のように二人は感じられた。


「‥‥‥ならば‥‥‥いっその事‥‥混ざらぬか?」
「なん‥‥だと?」

 互いに声もかすれ、あたりが暗くなっていくような状態になりながら、最後の力を振り絞り、魔王が提案したその言葉に、勇者は驚いた。

「魔王と‥‥‥勇者。この世界での関係ならば、いっその事…‥‥互いに一つになることで…‥‥」
「‥‥なるほど、そういう‥‥ことか」


 魔王が言わんとしていることを、勇者は理解した。

 勇者と魔王、この世界に、分かれて存在しているからこそ‥‥‥ならば、いっその事存在を「同じもの」にしてしまえばいいのだと。

 そして、この世界ではなく、全く別の世界にならば、この世界での争いは消え失せるだろうと。


 理解しあい、そして勇者と魔王は最後の力を振り絞って、天高く手を同時に掲げた。

「我は魔王!!」
「俺は勇者!!」

「「この力よ!!互いに混じり合いて、そして再び異なる世界にて!!一つの存在になれ!!」」


 同時に叫び、そして二人の身体から膨大な力の存在、そのものが天高く放出され、混じり合い、そしてこの世界から出ていった。

 互いに強大な力を持つがゆえに、力を合わせることで自分たちを支えていたであろう勇者と魔王という力を一つにして、この世界から無くしたのである。


 その光景を見届けた後、二人は心から笑いあった。

「くくくくく‥‥ははははははははは!!」
「あっはっはっはっはっはっはっは!!」

 互いにやり切り、命を削り合い、最後には協力し合い生まれた友情。


 もし、勇者と魔王という対立がなければ、良き友になれたかもしれない同士、命尽き果てるまで笑いあった。


…‥‥それから時間が経ち、両者についていた者たちがその場所に訪れたときには、二人とも笑顔で死んでいたという。

 そして、その二人の様子を見て長い間続いていたこの世界での戦いは終わり、平和になった。



‥‥‥勇者と魔王、二人の混ざり合った力は世界を飛び越えて、どこかで生まれ変わろうとしていたが、その事に気が付いたものは、この世界にはいないのであった。
いよいよ新たな物語が始まる‥‥‥
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