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賞金稼ぎと少女の旅  作者: ポーリー
4/6

4 現在と決意

 先の戦争で世界は2つに別れてしまった。

「人が辛うじて住むことができる場所」と「そうでない場所」だ。


「そうでない場所」は住むことができる場所に比べ広大だが不思議と建造物等の損傷は少ない。


その理由は中性子爆弾だ。核爆弾の熱線を極力抑え、代わりに非常に高い濃度の放射線をばらまき生物だけを死滅させる兵器。これらが最終戦争ではいくつも使用されたため、「住むことができない場所」に限って多くの物資が残っている。


この「住むことができない場所」は汚染地帯と呼ばれ、対汚染装備をしていない普通の人間が立ち入ると10分と持たずに倒れ、死に至ってしまう。

しかし、汚染地帯の物資は非常に魅力的であり、生き残った人間たちはこぞって汚染地帯を探索した。


賞金稼ぎ達の多くは有力な権力を持つ人間の代わりに揉め事を解決したり、戦争前では違法であったことも報酬によっては請け負っているが、最も多い依頼が汚染地帯の探索だ。


汚染地帯の探索には大きなリスクが伴う。まず対汚染装備が非常に高価であること。


次に汚染地帯には放射線に適応した生物をはじめ、最終戦争時代に使用されていた軍事用ロボットが未だに徘徊しているためだ。


国家という主人を失ったロボットたちは逐一されていた指示や命令が来なくなったことで自立行動を始めた。行動原理は非常に単純で自分の国家に属する者以外を排除するということだ。

現在はすでに国家の体制を維持できている国はなく、事実上ロボットたちは全人類の敵となった。


他にも多くのリスクがあるが、それらを差し引いても汚染地帯の物資は魅力的だったのだ。


多くの賞金稼ぎ達が汚染地帯に入り、初期の頃は半分以上が何らかの理由で命を落とし、帰ってくることはなかった。


現在でも汚染地帯に入っている賞金稼ぎは皆、それなりの腕利きであり元軍人や反社会的勢力に属していた者が大多数を占めている。


ノウもその一人であり、最終戦争時は新兵として従軍していた。終戦の頃には小隊を率いるまでになっていたが、それも世界の崩壊と同時に意味を持たなくなった。


ノウは生き残った自分の部隊を率い、何度も汚染地帯を探索し生活の糧としていたが、部隊の人間はついにノウを残して全員が命を落としてしまった。


現在でも頻度が減りはしたがノウは一人で汚染地帯の探索を続けている。


何度も一人で死線をくぐり抜けたノウだが長らく不在だった仲間やパートナーという存在ができつつあるという現実に内心喜びを感じていた。


背に背負う少女「Q」が理由は未だにはっきりせずとも自分について来ると言ってくれる。

多くの人間を敵に回してしまったノウだったが、Qという心強いパートナーができたことは心の支えになっていた。



「今日は本当に助けられた。今度から俺が助けてやらないと」

ノウは背中で寝息を立てるQを背負い直しながら決意した。


世界観の説明回?です。


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